Rommy Montana インタビュー ヒット曲を次々に生み出すプロデューサーで、人気ヒップホップチャンネル 03- Performanceのファウンダーでもある次世代シーンのキーパーソンが語るクリエイティビティ
「流行るか流行らないかじゃない。かっこいいかどうか」
——03- Performance出演者の選出基準というのは?
僕がいいなって思うアーティストは自分から声をかけますし、向こうから声をかけてもらうパターンもあって、最近だと半々くらいかな。
——以前RommyさんがSNSで言ってた「流行るか流行らないかじゃないんだよ。かっこいいかどうかだよ」っていう言葉が印象的だったんですけど、Rommyさん的なかっこよさってどういうところなんでしょうか?
それにはいくつかあって、一つはビジュアル。顔だけじゃなくて服装や立ち振る舞い、パフォーマンスの仕方。あとラッパーとしてのかっこよさでいうとリリック。リリックとビジュアルが身の丈に合ってないラッパーってたまにいると思うんですけど、それは基本NGですね。フェイクじゃなくてリアルな人を撮りたいんで。あと、ビートを一番気にします。音楽を聴くときはまずビートを最初に聴いてから、フローの乗せ方、その後にリリックの順でチェックする感じですね。
—ビジュアル、リリックとリアルさ、そしてビートと。
ビートでいうと最近は個人的な音楽の幅も広がっていろんなジャンルを聴くので、このビートが好みっていうのは特にないです。以前はドリルばかりに寄ってた時期もありましたけど(笑)。今は偏らないように意識しています。
——出演者について他の方の意見を聞くことはありますか?
ありますよ。全く音楽に詳しくない人の意見を参考にすることもあって。例えば、全然ヒップホップに詳しくない子に曲を送って感想を聞いたり。より多くの人にリーチしていくことを考えたら、ライトな層にも普通にいい曲だねって言ってもらえることは大切だと思うんです。極力マニア以外にも届くことを意識しています。とはいえ、どうしてもマニアックなところは出てきちゃうんで、そこのバランスを取りながらですね。
——そのセンスも03- Performanceがスケールしている要因の一つだと感じます。これまでで03- Performanceの潮目が変わったのを感じた時はありましたか?
eydenくんが出てくれた時ですね。あの時はやっぱり、“ちょっと来た”みたいな感じがありました。“こんなチャンネルがあるんだ”ってみんなが知っていくのを実感したというか。
——今や03- Performanceはシーンの底上げに一役買ってると思いますが、その辺についてはどう感じていますか?
アーティストや曲でバズったとかはちょいちょいあると思いますけど、国内のヒップホップ全体が03のおかげで上がったなっていうのはまだ感じません。少なくとも僕の感覚としてはないですね。だからこそ、もっと大きくなって業界を押し上げられるくらいになりたいです。
——03- Performanceのビデオは次々に再生数を伸ばしていますが、Rommyさんが特に思い入れのあるものはありますか?
JAKENの「Seaside Flow」です。実はこれ、完全に狙いにいったやつなんですよ。Watsonの「reoccurring dream」は正直あんなに再生されると思ってなかったんですけど、JAKENのは狙いにいきました。絶対100万再生いこうっていうことで、ビートも自分が手がけてるし、そういった意味ではかなり思い入れがあります。
——「Seaside Flow」はSpotifyのバイラルチャートにもずっと入っていましたよね。自分でプロデュースした曲を自分でビデオも撮ってバズらせるというものすごく難易度の高いことをやり遂げていて、とても驚きました。プロデュースした曲がストリーミングで伸びるのと、ディレクションしたMVがYouTubeで再生が伸びる感覚って違ったりしますか?
同じですね。やっぱりそれらはある程度比例すると思うし。ビデオで人気だとやっぱりストリーミングも伸びてますね。
——可能な範囲でかまわないのですが、03- Performanceで伸びる動画の傾向を教えていただけますか?
みなさん恐らく気付いてると思いますけど、今の日本のシーンだとパンチライン系ですよね。Watsonがその最たる例だと思いますが、パンチラインを詰め込む系のリリックってやっぱり受け入れられやすいのかなと。逆にフローだけで勝負するラッパーもいると思うし、USだとそれだけで売れてる人もいますけど、日本でそれだとキャラ作りも含めて相当しっかりしないとなかなか難しいのかなっていうところは感じます。