SWANKY DANK インタビュー 「仲間たちと良い音楽をやりたいようにやる」活動休止を経て芽生えたピュアな衝動とパンクへの愛
2019年12月の活動休止から約3年9ヶ月、SWANKY DANKがシーンに帰還! 活動再開発表の翌日となる9月3日に配信リリースされた久しぶりの新曲「Everything」は、彼らのルーツを感じさせるストレートなメロコアチューンだ。バンドをやることの喜びがそのままパッケージされたような剥き出しのサウンドとキャッチーなメロディーには、復活を待ち侘びた多くのリスナーが一発ノックアウトされたことだろう。メジャーレーベルでの活動を経て新たな一歩を踏み出した彼らから、「とにかく速い曲をやりたい」「何かを作るなら友達とやりたい」「楽しく、グチャグチャになれるライブをしたい」と、ピュアな衝動に満ちた言葉の数々を聞くことができた。
取材・文 : サイトウマサヒロ
企画 : Jiro Honda
「俺たち、良い曲持ってるな」「やっぱパンクって最高だな」
——2019年12月にSWANKY DANKが活動休止してからも、KOJIさんはソロプロジェクト・COZI、YUICHIさんは新バンド・MEGALOMANIAC、KO-TAさんはGASMARIAやRUNNERS-Hiのメンバーとして、3人とも精力的に音楽活動を展開してきました。KOJIさんは、ソロ活動をするなかでSWANKY DANKに対してどのような思いを抱えていましたか?
KOJI(Vo/Ba):SWANKY DANKは母体というか、自分のすべてというか。活動休止もちょっとコンビニに行ってくるくらいの感覚で、いつでも帰ってきていいなとは思ってました。ソロになったことで、生活や音楽との向き合い方も改めて見つめ直すことができたし。いつ再開しようかなと考えてましたね。
——その間には、フィジークの大会にも出場していたり。
KOJI:そうですね(笑)。コロナ禍になっちゃって、曲作りは続けつつもライブはできなかったので、他に何かやれることないかなと思って、とりあえずトレーニングするかと。
——KO-TAさんとYUICHIさんも、これまでと違う視点から音楽に向き合うことになったんじゃないかと。
KO-TA(Gt):それぞれソロで活動してるのも見ながら、俯瞰してお互いの良さに気付いたりしたので、SWANKY DANKの活動から離れた収穫も多かったと思います。活動休止してからも、SWANKY DANKがいつ復活してもいいように曲は忘れないように演奏していて、いつでも帰ってこれるような心持ちでした。
YUICHI(Gt/Vo):MEGALOMANIACでは、SWANKY DANKとは全然違うビート感や、日本語を中心にした楽曲に挑戦してました。自分がメインボーカルで歌うことはこれまでなかなかなかったので、1人で丸々1曲歌うってこんなに辛いのか、と思いましたね。
——活動休止後すぐにコロナ禍が訪れたことも、バンドや音楽との向き合い方に影響しましたよね。
KOJI:本当にそうですね。もがいてるライブハウスやバンドマンがいるなかで、俺らは動けず、悔しい気持ちもありました。
——コロナ禍やそれぞれの活動を経て、SWANKY DANKが再始動に至ったきっかけを教えてください。
KOJI:活動休止中もちょいちょいKO-TAと飯に行ってたし、YUICHIとも家族なんで会うことはあったんですけど……。今年の2月頃、俺とKO-TAが焼肉食ってる時に、同じ席にいた人に「そろそろSWANKY DANK見たいな」って言われて、「あ、そういえばそうだな!」と思ったんです。KO-TAも「やりたいな」って言うから、じゃあやるかと。YUICHIにも確認して、「いいんじゃない?」って感じで、すげえラフに始まりましたね。で、3月に改めて3人で集まったら、2人(KO-TAとYUICHI)はすげえ照れ合って、「おっ、お疲れ~」とかぎこちなく言ってて(笑)。
KO-TA:はにかんじゃって(笑)。
KOJI:最初はカフェで集まったんですけど、調子が出てきて酒を飲みに行って。渋谷でNOISEMAKERやマイファス(MY FIRST STORY)のメンバーと会って、酔い潰れて……。バンドってこうだったな、みたいな。
YUICHI:帰った記憶まったく無いもん。
——なるほど(笑)。自然に3人のタイミングが合ったというか。
KOJI:そうですね。みんながそれぞれの生活を経て、ライフスタイルが合ってきたっていう感じ。
——そこから3人でリハをやってみて、音を合わせたときの感触はどうでしたか?
KOJI:最初はリハビリですよね。リハじゃなくてリハビリ(笑)。
YUICHI:曲はやっ! って。
KOJI:でも、12年間ずっとやり続けてただけあって、ちょっと演奏してるうちに感覚が戻ってきて、しっくりくる感じはありましたね。そして、俺たち良い曲持ってるな、やっぱパンクって最高だなと。
KO-TA:自分たちの曲を改めて聴き返す機会ってそんなに無いので、「意外とやれてんじゃん」みたいな。
——そして、9月2日に約3年9か月ぶりの活動再開を発表されました。ファンの皆さんや関係者からのリアクションはどうでしたか?
KOJI:実は、8月頭にこっそりバンドのSNSのアイコンを変えてたんですよ。「帰ってくるのかな?」「何で変わったんだろう?」みたいなコメントを期待してたんですけど、全然反応なくて(笑)。
——なるほど、実は再開を匂わせてたんですね。
KOJI:でも匂わず(笑)。
YUICHI:ほのかにも香らない(笑)。
KO-TA:無臭だった(笑)。
KOJI:あれ? と思ってたんですけど、正式に発表したタイミングでは良い反応が貰えたので、嬉しかったですね。
YUICHI:バンドマンからも、復活おめでとうっていう連絡がたくさんありました。
KOJI:ついこの間、Dizzy Sunfistのイベント(9月3日に開催された『SUNNY CIRCUS 2023 in TOKYO』)に遊びに行って打ち上げまで参加させてもらったんですけど、「おかえり!」ってみんな声をかけてくれて、SHADOWSのメンバーに「やっぱお前らがいねえとつまんねえよ!」って言ってもらったりとか。
——新しいアー写は、活動再開時に撮影するという4年越しの約束を果たす形で、Jesse Kojimaさんが手がけました。
KOJI:かつてのレーベルを離れて活動を再開してみて、仲間たちと作品を作れるってすげえことだなと実感してます。Jesseくんは彼がバンドをやっていたころから対バンしていた仲だし、そういう人たちと今もつるんで、こうやって作品を作れるっていうのはめちゃくちゃ良い。今は何かを作るなら友達とやりたいっていう気持ちが一番にあるので、仲間がいて本当によかったです。