乃紫 インタビュー 「全方向美少女」がTikTokを席巻、話題のシンガーソングライターに迫る

インタビュー
2024.2.19

いつ見ても昔を思い出して印象に残る曲が作りたい

——乃紫さんのこの先のキャリアや、アーティストとしてのビジョンについての話も聞かせてください。ライブを意識しているということもおっしゃってましたが、ライブに関してはどんなことを考えていますか?

4月25日にワンマンを初めてやるんですけど、ゆくゆくはどんどん大きいところでできたらいいなと思ってます。アーティストとライブって切り離せない場だし、お客さんと会って、生で演奏するというのはすごく大事な空間だと思うので。ライブで盛り上がる曲を書きたいですし、フェスでも盛り上がってほしいですね。ライブ映えする曲を書いてるつもりです。

——映像やアートワークについてはどうですか? どんなものを作っていきたいですか?

映像とかMVとかに関して、私の曲ですごい予算をつぎ込んだ壮大なMVを作るというビジョンはなくて。それよりも私は20年前のコンデジとか小さいカメラを持っているんですけど、そういうものを使ってどれだけ作り込めた映像を作れるかということを考えています。映像って、予算じゃなくてアイデアとかの方が大事だと思うので。手作り感があるけど印象に残る、安っぽくない映像を作れたらいいなと思います。

——乃紫さんの作っている映像には、新しいノスタルジーのような感じもありますよね。ちょっとくすんでいたり、センチメンタルな感じがあるんだけれども、流行りのレトロとも ちょっと違う絶妙な線をついている感じがします。おっしゃっているムードや世界観にレトロというのは含まれていたりします?

私もレトロなもの、古着とか純喫茶とかが好きなんですけど。何年か前からミームになっている Y2K ファッションもそうだし、カメラもそうなんですけど、Y2Kぽい雰囲気が私も好きで。それが多分反映されていると思います。10代までの時間って“人生の春”って言われているじゃないですか その春を何十歳になっても思い出すみたいな、そういう曲を作りたいなって思います。だから何年先も聴いてほしいですね。もっと上の世代、親世代も聴いて盛り上がったりしんみりするような、それでいて若い子が聴いても新しいしこの曲好きだなと思ってもらえるキャッチーさある。そういう曲がこの先も残る曲だと思うんです。いつ見てもいいもの、いつ見ても昔を思い出して印象に残る曲が作りたいと思っています。


乃紫 1stワンマンライブ 渋谷WWW

 
 
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この記事の執筆者
Tomonori Shiba
柴 那典(しば・とものり) a.k.a シバナテン。音楽ジャーナリスト/執筆/編集。1976年生。著書に『平成のヒット曲』『初音ミクはなぜ世界を変えたのか』『ヒットの崩壊』。共著『渋谷音楽図鑑』『ボカロソングガイド名曲100選』