ボーカロイド曲を配信リリースする時に知っておきたいこと

2021.6.8

昨今、TikTokなどのバイラルメディアの普及に伴い、サブスクでもVOCALOID(ボーカロイド)とボーカロイドライブラリを使った楽曲のヒットが改めて増加しています。例えば、ボカロP・Chinozoによる「グッバイ宣言」はボーカロイドライブラリ「flower」を使った楽曲ですが、そのヒットは凄まじくTikTokでは同曲を使用した動画数は30万を超え、ハッシュタグ「#グッバイ宣言」を含む動画はTikTokで4億回以上視聴されています。YouTubeでは「グッバイ宣言」のMVは5,000万回再生を突破し、Spotifyバイラルチャートはもちろん多くのサブスクでもチャート上位にランクインしています。

 
サブスクの普及とTuneCore Japanのようなサービスの出現により、インディペンデントなボカロPでも自分で作ったボカロ曲を自らサブスクにリリースすることができるようになりました。「グッバイ宣言」のように今後もインディペンデントなボカロPによるヒット曲は生まれていくでしょう。そして、自分で自由にリリースできるようになったからこそ、ボーカロイドの取り扱いに関しても正しい知識を身につけることが求められています。もし自分のボカロ曲がヒットしたとして、余計なトラブルには巻き込まれたくないものです。

今回は、ボカロ曲を配信リリースするときに気をつけたいこと、知っておくべきことを解説します。

VOCALOID(ボーカロイド)とは

VOCALOID(ボーカロイド)とは、ヤマハ株式会社が開発した歌詞とメロディーを入力し歌唱を作り出す音声合成ソフトのことです。

ボーカロイドには、「初音ミク」や「Megpoid(GUMI) 」はじめと様々な歌声ライブラリ(ボーカル音源、キャラクター)があり、現在は50種類以上のライブラリが発売されています。ボーカロイドライブラリは、ヤマハ株式会社とライセンス契約をしたメーカーから様々なものがリリースされています。

【ボーカロイドライブラリの一例】
 
初音ミク – クリプトン・フューチャー・メディア株式会社
 
Megpoid(GUMI) – 株式会社インターネット
 
結月ゆかり – 株式会社AHS
 
VY1V4 – ヤマハ株式会社
 
flower – 株式会社ガイノイド

 

ボーカロイドを使用して制作した楽曲はサブスクで配信リリースできる?

ボカロ曲は楽曲配信をするにあたってヤマハおよび各ライブラリメーカーのガイドラインと規約の範囲内において、許諾を受けることで個人でもTuneCore Japanなどから各サブスクに配信することが可能になっています。

また、TuneCore Japanの場合ですが、TuneCore Japanを利用して自分でボカロ曲を配信する際、TuneCore Japanが提携しているボーカロイドライブラリを使った曲しか配信できないということではありません。提携されていないボーカロイドライブラリでも(初音ミク等)、そのガイドラインの範囲で(画像の二次創作がなければなど)、ライブラリメーカーからの許諾証明を提出することにより配信は可能です。この点については、SNSでも誤解されているツイートを時々見かけるので理解しておきましょう。

 

規約・ガイドラインは必ずチェック

ボーカロイドライブラリのガイドライン・規約は、各メーカーによって異なります。まずは使用したいボーカロイドライブラリのメーカーガイドライン・規約を必ず自身で確認するようにしてください。

 

■使用許諾契約書

ボーカロイド製品を購入した際、使用許諾契約書が添付されています(ネットからも確認することができます)。ボーカロイド利用ユーザーは、使用許諾契約に定められた範囲で利用することが決められています。配信リリースを考えている方は、配信リリースにあたっての禁止事項や追加許諾が必要なケースをここで確認しておきましょう。

 

■ヤマハの使用規約

「VOCALOID」、「ボーカロイド」、「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標です。ヤマハは「VOCALOID™」関連名称(「ボーカロイド」「ボカロ」等)の商標やロゴの使用する際の使用規約を定めています。

詳細については、ヤマハの下記ページをご参考ください。

 

■ライブラリのガイドライン

ボーカロイドライブラリには、そのメーカーごとに利用ガイドラインが定められています。例えば、配信する楽曲に「初音ミク」を使いたい場合、「初音ミク」を発売しているクリプトン・フューチャー・メディアの利用ガイドラインに必ず則ったうえで使用しましょう。

 
▼クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が定めている[キャラクター利用のガイドライン]

 
▼ヤマハによる「VOCALOIDキャラクターのご利用について」ページ

 

スムーズなボカロ曲配信

例えば、TuneCore Japanではいくつかのライブラリメーカーと包括契約を結び、そのライブラリを使用したボカロ曲配信において自分で許諾を取らなくてもライブラリキャラクター名の利用や楽曲ジャケットにおけるライブラリキャラクター画像の二次創作を可能としています。

TuneCore Japanは2021年6月現在、38のボーカロイドライブラリと提携しています。

 
また、各ライブラリメーカーはガイドラインを明示していますが、ケースによっては判断が難しい場合もあると思います。そういった場合は、自身の使用状況に応じてライブラリメーカーなど適切な問い合わせ先に連絡・確認をとるようにしましょう。

 

補足

急激に変化している音楽産業の中で、ボカロ曲の配信リリースについても、よりユーザーが利用しやすくするため現在進行形で環境整備が進んでいます。使用において不安なことや不明なことがある場合、ネット上の不確かな情報を鵜呑みにするのではなく、まずは関係各所に自身で確認・問い合わせすることをおすすめします。

また、ボカロ曲の「歌ってみた」や「演奏してみた」などのカバー楽曲を配信する事例も増えてきていると思いますので、楽曲をカバーする際の注意点をまとめた記事を下記に紹介しておきます。

 
※2021年6月14日記事追記。

 
 
※ 「VOCALOID(ボーカロイド)」および「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標です。

この記事の執筆者

THE MAGAZINE

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