O.A.KLAYインタビュー バイラルチャート国内1位、福岡・添田町から現れたライジングスター ベールに包まれたヒップホップクルーに迫る

2022.4.21

O.A.KLAY ロングインタビュー | バイラルチャート国内1位、福岡・添田町から現れたライジングスター ベールに包まれたヒップホップクルーに迫る

O.A.KLAY
福岡の田川郡添田町から2022年元旦に突如登場したヒップホップクルー・O.A.KLAY。元旦にリリースした「unknowns」がいきなりのスマッシュヒットとなったのち、続く2月にリリースされたアルバム『Nobody’s Station』収録でMVにもなった「Cinema (feat. Memento Mori & 武蔵)」が今年上半期最大級のバイラルヒットとなり、3月20日にはSpotifyのバイラルチャートで有名アーティストをおさえ日本で1位に。勢いはとまらず、4月の半ばを過ぎてもチャートにロングランクインし、MVの再生数も100万回に迫る勢いとなっている。インディペンデントアーティストとして快挙を遂げながら、まだ明らかになっていない部分の多いO.A.KLAYの初インタビュー。

【MEMBER】
GrAn UrΣ、Coyote、Memento Mori、武蔵 (写真左から)

※また、O.A.KLAYはニューカマーながら6月4日に福岡PayPayドームで行われるMUSIC CIRCUS FUKUOKAへの出演も決定、早くもドームのステージでパフォーマンスを行う。

 
 
添田町から生まれたO.A.KLAY、結成のいきさつ
 
——今回O.A.KLAY初インタビューということですが、まずクルーの名前について正しい読み方というのは?

Memento Mori : “オークレイ”です。

 
——クルーの名前の由来というのは?

Coyote : 英語で“OAK”の樫の木が、添田町の町の木に制定されていて。オークホールっていう施設があったり。それが、O.A.KLAYの“オーク”の部分で、続く“レイ”は身に付ける装飾品とつながっていて、それで“オークレイ”。樫の木=OAKを常に背負っている、いつも地元である添田町をRepしてる、みたいなのが由来です。

 
——O.A.KLAYがその地元、福岡の添田町で結成された経緯を教えてください。

Coyote:元々、地元に西添田駅ってあるんですけど、中学の同級生でずっとそこで遊んでて、そのうちサイファーするようになって。それがきっかけですね。ラップをみんなでやり始めて。

 
——その中で、今のメンバーになったのはどうして?

武蔵 : 中学から一緒の仲が良い同士で。同級生だし。ラップをやり始めたのも僕たちだったりして。

Coyote:友達としてノリが近いっていうか、似た者同士が自然と仲良くなった感じです。小学校はみんな別々だったんですけど。

GrAn UrΣ : ラップをはじめたのもほとんど同じ時期でした。仲がいい友達の中でも、特にラップをやってたのが自分たちだったっていう。

 
——O.A.KLAYはリーダーとかいたりしますか?

武蔵 : 例えばリリースの登録とかはCoyoteがやってくれたり、色んなところと連絡とってくれるのはMemento Moriだったりして、そういうなんとなくの役割はありますけど、特に誰がリーダーっていうのはいないです。

 
——なるほど、それで4人がそれぞれMCということで。O.A.KLAYの最初の動きとして、確か去年の末にYouTubeにティーザーをアップしていましたよね。そして今年の元旦に1stシングル「unknowns」をリリースして世に登場したと。それまでは結構しっかり準備した感じでしたか?

Coyote:今年の元旦に出そうっていうのは決めてて、それに向けてちょうど1年前くらいから動いてました。「unknowns」は去年の夏から秋の時期にできた曲です。

武蔵 : 「unknowns」はその時期だったんですけど、オリジナルの曲作り自体はそれ以前からずっとそれぞれでやってて。なので、2月にリリースしたアルバム『Nobody’s Station』には、そうやって作り溜めてたやつから選んで収録しました。

 
——2022年の元旦にした理由というのは?

Memento Mori : 今年の4月からみんなけっこう新生活になるというのがあって、それより前に少し余裕があってキリが良いタイミングということで2022年の元旦にしました。

 
——みなさんは学生ですか?

Memento Mori : 僕はつい先日専門学校を卒業しました。

Coyote:自分も4月から社会人で。

GrAn UrΣ : 自分はまだ大学生です。

武蔵 : 僕はバイトしてます(笑)。

 
 

O.A.KLAYロゴ
O.A.KLAYロゴ

O.A.KLAYのバックグラウンド
 
——1月に最初のシングル、2月にアルバムと、初リリースのタイミングから割と多く曲を出されていますよね。みなさんそれぞれで曲を作り続けていると先ほどおっしゃっていましたが、曲の制作はどのようにされていますか?

Coyote:自分の場合は、作りたいって思ったタイミングで、それこそいつも遊んでる西添田駅のホームで書いて、それからプリプロで1回録ってって感じで。

武蔵 : 僕はけっこうたくさん作る方で、作れる時に作るタイプなんですけど、流れは基本的にはCoyoteくんと同じかな。

GrAn UrΣ : まずはビートにのってみて、合うかどうかとその時の気持ちにあうかで選んで、20〜30分くらいフリースタイルやって、そこから形にしていくことが多いです。

Memento Mori : 僕もずっとリリック書いているとかじゃなくて、基本作りたくなったらビートを探すみたいな。僕はメロディから作りはじめるタイプなんですけど、メロディを作ってからリリックを当てはめていく感じです。

 
——O.A.KLAYの楽曲からはリリックもそうですが、全体的にポジティブな印象があります。その辺は意識していたりしますか?

武蔵 : 敢えてポジティブを意識しているわけじゃないですけど、作ってみたらみんなそうなってるっていうか。

 
——元々みんなのマインドが前向きということなんですかね?

全員 : いやーどうなんやろ(笑)。

武蔵 : 自分は逆に落ち込んだときほどポジティブな曲ができるんですよね。

Coyote:ネガで曲を作ってたとしても、かかえてることを吐き出せて、それで出来上がるにつれ勝手にポジティブになっていくっていう。

GrAn UrΣ : 書きよるうちに、ネガティブであってもその中にポジティブな要素を見つけだせるみたいな。それがリリックにも反映されて。

Memento Mori : 俺はそういうことは特に何も考えてないかも。ポジティブなリリックにしようとしているわけでもなくて。

 
——みなさんは、それぞれどういうアーティスト、ラッパーに影響を受けましたか?

Coyote: 自分は元々GADOROさんのラップが好きで。あと他だとZORNさん、USだと2Pac。言葉でしっかり伝えるラッパーが好きですね。ヒップホップ以外だと、ONE OK ROCKだったり。

GrAn UrΣ : ヒップホップだと最初はAK-69さんやKOHHさん、唾奇さんとかを聴いてて、最近だとGunnaやYoung Thugあたりのラッパーはめっちゃ好きです。

武蔵 : 僕はめちゃくちゃヒップホップに詳しいってわけじゃなくて。ラッパーでいったら、空音さんやGADOROさん。で、実はJ-POPの方が聴いてるくらいなんです。BiSHやRADWIMPSとかめちゃくちゃ好きで。だから、ロックの曲も自分的にはすんなり表現できるっていうか。

Memento Mori : 僕は特定の人に影響を受けたとかはなくて。もちろんめっちゃ好きなアーティストやラッパーはジャンル問わずいっぱいいるんですけど、この人だけに超くらったとかはないですね。でも、多分今まで一番聴いたのはLEXくん。ちゃんとリリースする前のサンクラにだけ音源がある頃からずっと聴いてました。でも、とにかくオールジャンル聴きます。

 
 

O.A.KLAY『Nobody’s Station』
O.A.KLAY『Nobody’s Station』

メンバーによる1stアルバム『Nobody’s Station』全曲解説
 
——今回せっかくの機会なので、先日バイラルチャート1位にも輝いた「Cinema (feat. Memento Mori & 武蔵)」も含め、1stアルバム『Nobody’s Station』について、みなさんに全曲解説をしていただければと思います。まず、1曲目は1stシングルとして先行曲にもなっていた「unknowns」。ちょっとロック調というか疾走感のあるサウンドですよね。リリックも「廃れたマイタウンを日々徘徊 何もないが全てある 添田町をrep」「Rep 西添田」「添田町から飛ばす future shit」などみなさんの地元愛をとても感じました。

Memento Mori : 元々アルバムの代表曲的な位置づけにしようということで、4人で入ったイケイケなノリの曲にしたいっていう考えがあって。それで俺ら地元が田川だから“炭坑節使ったらいいんやない?”ってCoyoteくんが提案してくれて。で、みんなも“それめっちゃいいやん”って。ビートもCoyoteくんがその感じをビートメイカーにリクエストして作ってもらってできた曲なんです。

武蔵 : 炭鉱節の要素が田川っていう地元をあらわす一番わかりやすいことのひとつかなと。Memento Moriくんが最初にフックを書いてくれて、それがすごい良かったんで後はそれぞれがバースを作って。

Coyote : 「unknowns」は田川や添田を歌おうということで。「Moonlightが出た頃 動き出すナイト」は、二本煙突(*炭鉱遺産。田川の石炭記念公園にある大きな2本の煙突。その様子は炭坑節にも歌われている)や月の情景を表現しつつ、自分たちが遊び始めるちょうど暗くなる時間帯にもかけてて。ここって本当に何もないんですよね。コンビニも車が無いと行けない距離にあったり。都会だと行くところもたくさんあってそこで遊んだりするんだろうけど、自分らはそうじゃなくて、とりあえず集まって友達との時間を自分らで面白いことを見つけて過ごすっていうのを歌っていたり。

武蔵 : 僕とCoyoteくんのリリックには添田っていう言葉が入ってるんですけど、僕たちが計画してきて動いてる中で、どうせなら添田町をあげたいっていう気持ちがあるんですよね。だから自分たちが好きな添田町をリリックに入れるし、その気持ちが「添田町から飛ばす future shit」っていうリリックに表れています。

 
——この曲はきっと地元の人も嬉しいでしょうね。

武蔵 : そうだったらいいですね。あと「Rep 西添田」ってところで敢えて添田じゃなくて西添田にしているのは、やっぱり西添田駅にはずっとサイファーしたり、思い出がたくさんあるんで。


 
——地元への愛が詰まった曲なんですね。続いてはポップなビートの武蔵さんの「パルプンテ」です。

武蔵 : 自分も含めみんなやっぱり友達がめっちゃ好きで、特に自分は友達との楽しい思い出を思い返してモチベーションを上げるタイプなんです。友達との過去があってこその今やし、だからその今を大事にしたいと思っていて。なので、“その時を楽しんでるぜ!”っていうフックになっていて、バースは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や『AKIRA』とか自分が好きな世界観のネタをちょいちょい入れてます。シンプルに自分が好きな音楽を作ろうと思って作った曲です。タイトルに関しては、人生何があるかわからないってことで「パルプンテ」にしました(笑)。

 
——そういうことで「パルプンテ」なんですね(笑)。次の3曲目の「Wow (feat. Coyote & Memento Mori)」は、また趣が変わってドリルというか。

Coyote:自分のバースは、“口だけで終わるような人間にはならん”っていう自分の負けず嫌いなところが出てます。自分はやることにはこだわるし、やることやらんとやっぱ駄目やなっていう、なにかそういうマインドがもろに出とる感じのやつですね。口だけで言って威張っとる人とかたまにおりますけど、そうじゃなくて、やることやって言うのが筋やしっていうのを歌ってます。

Memento Mori : 元々アルバムを作るときにバランスっていうか、曲を並べたときにこういうダーク系の曲が個人的にめっちゃ欲しくて。どうしても入れたいって言って、Coyoteに一緒に入ってもらって出来た曲。“俺たちやばいぜ”みたいなノリで、自分のライフスタイルだったり、目指してるところをどれだけかっこよくのせれるかっていうことを、僕のバースやフックでは言ってます。アルバムの中にはポップだったり楽しい雰囲気の曲も入ってたりするんですけど、それの裏を突きたかった感じです。

 
——確かにこの曲があることでアルバムの幅がぐっと広がっていますね。そして4曲目が今話題の「Cinema (feat. Memento Mori & 武蔵)」ですけれども、これは本当にフックもキャッチーだし、各所で「耳に残る」っていう声が多数あがっていますね。

Memento Mori : この曲はとにかくキャッチーなフックを作りたくて。僕はさっき言ったようにメロディから考えるんですけど、フックのキャッチーなフレーズって頭の中でループされるじゃないですか。そういうのを探して考えてたら“ポスター”って言葉がぱっと出てきて、めっちゃいいなって。で、あのフックができて、そしたらもうバーンってバースまで一気に全部簡単にできました。本当に一時間かからないくらいで完成して、すぐ武蔵くんにファイルを送りました。僕のところのリリックは女の子に向けたものになっていて、リスナーに聞いてもらいやすい共感してもらえる感じにしつつ、自分のライフスタイルも落とし込んでいます。

 
——ちなみにメロディは降りてくる感じですか?

Memento Mori : うーん…… ビートを垂れ流しながら、鼻歌や聞き心地の良い自分の作った適当な言葉で色々考えながら歌って、それをスマホで10分くらいマイクをオンにして録って。そうやって録ったのを聞き返して、良い部分を拾っていくみたいな。そういうのをやったりします。

 
——そこから耳に残るあのメロディアスなフックが生まれるんですね。武蔵さんはMemento Moriさんからそのファイルが最初に送られてきた時はどういう印象を持ちましたか?

武蔵 : めっちゃおしゃれだなと思いました。だから自分でファイルを保存するときも“おしゃれなやつ”っていう名前で保存しました(笑)。曲自体も自分が普段から聞いてる好きなタイプの曲だなと感じたし、Memento Moriのバースに合わせつつリリックを書いて、僕のパートも一時間くらいで完成しました。僕も本当に早くできた曲でした。

 
——「Cinema」については後ほどまた今回のヒットの経緯も聞ければと思います。続く5曲目は「LION (feat. 武蔵, Coyote & Memento Mori)」で、3人での曲ですね。エレキギターのリフもあいまって、スケール感のある仕上がりだなと。

武蔵 : これは自分がフックの曲なんですけど、シンプルに“今から頑張っていこう”をサビにしました。それ以外はもうCoyoteくんとMemento Moriくんに託して。

Coyote : リリックの「顔あげたら綺麗な空 お前も見てみろほら共感」」とかは、曲を書いたときの風景と武蔵のリリックに共感できる部分を歌っています。西添田におって、上を見上げたら天気も良くて。それプラス、自分のライフスタイル、仲間や友達に対する気持ちが入ってますね。

Memento Mori : 僕のところは、武蔵のフックに対して自分なりにフィールして、“まだちっぽけな存在だけどこれから上に行くぞ”みたいな。そういうテンションのリリックを詰め合わせてます。

 
——そういったテンションがこの曲全体に開放感を与えている気がしますね。そして次は、ハワイアンなビートの「Miracle (feat. Memento Mori)」。

Memento Mori : ビートがかわいい(笑)。学校で作った曲なんです。朝、電車に乗ってる時にビートを決めて、学校に着いて1時間目から6時間目までずっとリリックを書いてっていう。1年くらい前にできていてサンクラに落としてたんですけど、メンバーやまわりからもめっちゃ良いって言ってくれて、それで収録することになったっていう。内容としては、“いつもの当たり前は実は当たり前じゃないんだよ”っていう。今の僕たちがあるのは、今まで歩いてきた経緯があるし周りの人たちからも助けられたおかげ、そういう感謝をリリックにしました。

 
——温かい気持ちにさせてくれる曲だと感じました。そして、一転してジャジーともいえる雰囲気のGrAn UrΣさんの「Twilight Town (feat. GrAn UrΣ)」となります。

GrAn UrΣ : 自分は作りたい曲の波が激しくて、R&B系の時もあればマンブルやドリル系ばっかりの時もあって。この曲を作った時はLo-Fiの波がきてる時でした。しかも、その時は足を怪我して7週間も入院してた頃だったんです。で、ある日病院の喫煙所で何時間もかけて書いたっていう曲。Lo-Fiなチル感に合うのは、いわゆる“エモい”って言われるような黄昏時だろうってことで、そのトワイライトの意味と、昔からキングダムハーツが大好きで、キングダムハーツにトワイライトタウンっていう街が出てくるから、そのままタイトルにしました。あとは感覚で作った感じです。

 
——この曲は大人っぽい要素をアルバムに加えていますよね。そして8曲目はCoyoteさんの「Dear (feat. Coyote)」。これはオフビートな弾き語り感があります。

Coyote : 当時好きだった子がいたんですけど、自分はなかなか直接好きとか言えるタイプじゃなくて。で、音楽をやってるから自分の思いを曲で表したくて、気持ちを伝えようと書いた曲です。

 
——伝わりましたか?

Coyote : 伝わったとは思います(笑)。

 
——これも愛の曲なんですね。残り2曲となりましたが、「Diary (feat. GrAn UrΣ, Coyote & Memento Mori)」は、「田舎の獣道でFeeling」っていうリリックとかも秀逸だなと。

GrAn UrΣ : フックは僕なんですけど、不幸って実は幸せになるためのきっかけになったりすることも多いと思うんです。例えば極端な話なんすけど、火事にあったとして、それはもちろん不幸なことではありますけど、そこで消防隊やレスキュー隊の人に救われたら、それがきっかけでそういう職業を目指すこともあると思うし。不幸をそこで止めておかずに、次の幸せへのきっかけにするっていう。でも、バースがなかなか書けなくて、そしたらCoyoteが拾ってくれて。

Coyote : 俺は、“友達がいるからひとりじゃない”っていうのを歌いたくて。自分のことだけを考えて行動しても、結局自分のためにならないっていうか。そう思うことも実際に何回かあったし。だから、そういう思いを入れました。

Memento Mori : 自分のところはけっこう感情で書いたんでリリックそのままで言うと、「Oh Bad mind つまんない じゃあnisso」は、なにか嫌なマインドになったときには西添田駅に集まるっていう。ちなみに“nisso”は西添田のことです。地元のスラング(笑)。「田舎の獣道でFeeling」は、ここって山に囲まれてるんでめっちゃ動物出るんですよ。小さい頃は実際に獣道で遊んだりしたんで(笑)。リリックのそれ以降の部分は、自分がこれから叶えたいことや欲を書いてますね。その辺は直感ですね。

 
——そしてラストの「O.A.KLAY」ですが、これはもうロックですね。

武蔵 : この曲はクルーの自己紹介みたいな曲です。

GrAn UrΣ : そしてサウンドもそうだし、それぞれの色んな感情が入ってますね。

Coyote : これはもうロックを作ろうって感じで作ったというか。個人的にはロックも全然聴くし。

武蔵 : クルーとしてヒップホップにこだわりがないわけじゃないんですけど、みんな好きな音楽はそれだけじゃないし、色々柔軟に表現していきたいっていうのが表れている曲でもあると思います。あと、 「5本指でmy name」っていうフレーズがあって、実はO.A.KLAYはもともと5人MCのクルーだったんです。それで、俺らで頑張っていこうぜみたいな、クルーにとっても大事っていうか、自分の中でもけっこう好きな言葉なんですよね。

 
——メンバーが5人から4人になった経緯というのは?

武蔵 : O.A.KLAYになる前、今の4人にもう1人やめたメンバーの5人でずっと一緒にいて。それでアルバムを出そうって決めた時に、そのもう1人が物理的に距離が遠かったりして、続けていくのがどうしても難しいということで。でも気持ち的には今でも5人で音楽をやってるっていうマインドだし、だから「5本指でmy name」っていう。

 
バイラル続くヒット曲「Cinema (feat. Memento Mori & 武蔵) 」について

 
——今話題の曲「Cinema (feat. Memento Mori & 武蔵)」ですが、先日3月20日には多くの有名アーティストをおさえてSpotifyバイラルチャート日本で1位になって、以降もずっとチャートインし長いヒットとなっていますが、まず単純に今の状況をみなさんどう感じていますか?

武蔵 : 自分的には、率直に今のバズはかなり嬉しいです(笑)。自分たちとしても「Cinema」が多分一番バズるだろうなっていう曲だったんですよ。だから「unknowns」に続く2つ目のMVの曲にしたし。正直、めちゃくちゃ自信があったわけじゃないけど、ひょっとしたらバズるかも、っていう気持ちもあって。でも予想以上というか、ここまでになるとはやっぱり思ってなかったです。

Coyote : MVも構成や画角とかにかなりこだわって作ったんで、やっぱりシンプルに嬉しいです。

 
——TikTokでのバズは何かきっかけがあったんでしょうか?たしか、ふみふみさんという方が「Cinema」のリリース前に、リリースが楽しみだというMVの動画をあげられていましたが。

Memento Mori : ふみふみさんは「unknowns」をリリースした最初の頃から僕らのことを気に入ってくれて、TikTokとかでもおすすめしてくれていたんです。それで「Cinema」のMVを出す前のタイミングでリリースについて連絡したら、それもTikTokでアップしてくれたっていう感じですね。

 
——身内の方というわけじゃないんですね。バイラルした後、周りの反応が変化したなどはありますか?

Memento Mori : やっぱり知らない人から声をかけられるようになったっていうのはありますね。

武蔵 : そんなに仲が良かったわけじゃない友達がインスタでフォローしてきたり、バイト先に来るおばちゃんに声をかけられたりとかはありました(笑)。

Coyote: 最近、兄ちゃんや親戚から本名じゃなくて“Coyote”って呼ばれたりします(笑)。

GrAn UrΣ : 自分は最近まで入院してたんで何もないです(笑)。

 
——ライブや客演のオファーなどは増えましたか?

Memento Mori : そうですね、僕は客演のオファーを最近いただいたり、クルーとしてもライブ出演の声をかけてもらったり、ちょっとずつ増えてます。

武蔵 : インスタで突然ビートやトラックが送られてきたり、そういうのも増えました。

 
——現在ライブもアクティブにやっていますか?

Memento Mori : 今はあんまりやれてないですね。

 
——TikTokで同じ福岡のDeep Leafとライブをやっている動画を見かけたのですが、親交があるんでしょうか?

Memento Mori : リーダーのLOXくん(LOX BLACK BACK)と僕が少しつながりがあって。僕、実は美容師でもあって、Deep Leafのメンバーのヘアスタイルをずっと手がけたりしてるんです。

 
——そういうつながりだったんですね。最近はO.A.KLAYしかり、Deep LeafやDADA、同じくバズってる「GAL」のOhayo、Yvngboi P、Shake Pepper、プロデューサーのLIL Gだったり福岡のアーティストの楽曲のヒットが続きますね。

武蔵 : 直接つながりがあったりなかったりですけど、ライブで一緒になった時は普通に挨拶するっていう感じで。

 
——今後ますます注目が集まりそうなO.A.KLAYですが、これからの動きはどのようになりそうですか?

Coyote : 今年は、クルーとしてはとりあえずMVを出せればと思っていて。あとはメンバーそれぞれソロでみんなリリースできればと。

武蔵 : とはいえ、ライブは決まり次第O.A.KLAYでやっていきたいと全然思っています。

Coyote : 全国いろんなところに呼んで欲しいですね。沖縄から北海道まで。

Memento Mori : あと、僕は客演でのリリースがすでに控えています。

 
——では最後にメッセージや伝えたいことがあれば。

Memento Mori : ぜひこれからの活動に期待してもらいたいです。

Coyote : 「Cinema」で自分たちのことを知ってくれた人も、アルバムの曲を全部聴いて欲しいですね。「Cinema」がきっかけだとしても、それに負けず劣らず自信のある曲が並んでるので。

GrAn UrΣ : 『Nobody’s Station』をアタマから最後まで聴いていただけたら。

武蔵 : これからそれぞれのソロ作は、クルーとしてのサウンドよりさらにバラエティ豊かなものに仕上がってくると思うんで、それもぜひ楽しみにしておいてください!

Coyote : あと最後に、地元・田川の友達のクルー、​​PULPUNTEもかっこいいんでぜひチェックしてみてください!

 

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O.A.KLAYの1stアルバム『Nobody’s Station』
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O.A.KLAYの1stシングル「unknowns」
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O.A.KLAY(TuneCore Japanアーティストページ)
https://www.tunecore.co.jp/artists/O.A.KLAY

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