高瀬統也インタビュー “初めての景色” 「どうして」のヒット、大盛況の香港公演を経た先に見据える次のステージ
昨年「どうして(feat.野田愛実)」がTikTokをきっかけに大きなヒットとなり、飛躍的にファンベースを拡大させたシンガーソングライター・高瀬統也(たかせとうや)。昨年末にはこれまでの集大成ともいえる1st フルアルバム『13月2日』をリリースし、続く待望の香港公演2daysを大成功に収めた。活動の勢いは増しながらあくまでマイペースを貫く高瀬統也に、「どうして」のバズについて、香港でのライブ、そしてその活動スタンスについて話を聞いた。
「やっと去年デビューできたみたいな感覚」
——2022年は「どうして(feat.野田愛実)」のヒットにより高瀬さんの音楽活動も新しい段階に入ったと思われるのですが、同曲をリリースしてちょうど1年が経つ今、そのヒットを改めてどう感じていますか?
今年音楽活動10周年になるのですが、昨年は自分の音楽が初めて本当に広がってるんだと実感できた年でした。チャートやランキングなども含め、「どうして」は色んな初めての景色を見せてくれた曲だったなと。本当に飛躍させていただいた1年だったし、聴いてくれたみなさんには心から感謝しています。親友と一緒に歌ったものが自分の代表曲になったこともすごく嬉しかったです。
——高瀬さんは以前メジャーにもいらっしゃいましたが、メジャーデビューした時と今回のヒットというのはまた違う手応えでしたか?
以前デビューしたときは色んなことをやってもらっていたという感覚があって。基本的に自分で傘をさしていたというより、人の傘に入っていたという感じ。その時の喜びって、今得られているものに比べると10分の1くらいじゃないかな。メジャーを離れていろんな事がありましたけど、その全部をゼロイチで自分でやって自ら感じてきたんで、やっと去年デビューできたみたいな感覚だったりします。
——そのきっかけとなった「どうして(feat.野田愛実)」は、なぜあそこまでのバズを生み出せたのでしょう?
僕も未だに具体的な原因は解明できていないんですけど、ただ令和になって新型コロナの影響による世の中の変化というのはポイントだと思ってて。コロナが暗い影を落としている令和という時代に比べると、まだ平成はみんな楽しく生活できていた時代だったと思うんですね。例えば、みんなとカラオケに行って一緒に音楽を楽しむ、共有することが当たり前だった。そういう記憶がある中で、平成を思い出させるようなデュエットソングは絶対にくるだろうと思っていたし、そこを意識して作った曲でした。TikTokでもハネねたらいいなと考えていたら、しっかりそうなってくれて。
バズについては、Spotifyで3年前はマンスリーリスナーが60人しかいない時もあったし、「どうして」のリリース前でも2,000〜3,000人程度だったのですが、バズったあとは一番多い時で47万人くらいまでに増加しました。その時点で、もう自分でも制御できないことが起きてるんだなと。曲が勝手に一人歩きするってことをすごく実感しました。「どうして」がバーンってハネた一番最初のタイミングはよく覚えてますね。自分がやってる会社のスタッフとのミーティング中に、ふとスマホを見たらたくさんの友達や知り合いから「『どうして』がバズってるよ!」って連絡が来てて。で、まずLINE MUSICの上位に入ってるのを見て、色々調べたら各所ですごいことになってました。