【IYOW】niafrasco 「ベースとビートの兼ね合いはすごく意識して作っている」

2019.10.10


niafrasco インタビュー「ベースとビートの兼ね合いはすごく意識して作っている」【IYOW 】

インターネットレーベル/クリエイター集団・TREKKIE TRAXのコンピレーション参加などを経て、活動の幅を広げるビートメイカー/プロデューサー/DJの niafrasco(ニアフラスコ)。ギタリストとしてのバックグラウンドも持つ彼が作り出すジャンルを横断したサウンドは、影響を受けたというLophiileからのテイストも感じさせながら、心地よいビートとキャッチーなメロディが折り重なりながら展開していく。そんなサウンドを生み出すniafrascoのバックグラウンド、機材、ビートメイクプロセスとは。

IYOW : A series of interviews with featured beat makers / producers / composers


niafrasco

大阪府吹田市出身、22歳。大阪を拠点に活動するビートメイカー/プロデューサー/DJ。

グルーヴィでメロウなサウンドを得意とし、ギターなどを使ってジャンルレスな音楽を追求している。

 
——キャリアスタートのきっかけ

中学生の頃に父親にギターを買ってもらってから音楽を始めました。

そして高校生の間はロックバンドでギター担当として活動し、DTMを始めたのは高3の時、1人で完結する音楽をしたくてStudio Oneを使ってDTMを始めました。

その後、20歳の頃から音源をSoundCloud等にアップするようになり、本格的にniafrascoとして活動するようになりました。

 
——ターニングポイント

たくさんあったのですが、印象的でターニングポイントだったなと思うポイントは、TREKKIE TRAXという日本のレーベルのコンピレーションアルバムに参加させていただいたことです。今まで友達や、知り合いに自分の曲を聴いてもらっていたところから、コンピレーションアルバムに参加してからは全国のさまざまな場所で少しずつ自分の曲を聴いてくれている人が増えていることを実感するようになり、少しずつですが、楽曲の提供などのお仕事をいただけるようになったのでいい方向に進んだ出来事だったと思います。

あとは、楽曲提供の依頼主である企業の社長さんに出会い、その方に、音楽に対する考え方やマーケティングについて教えていただいたり、日本の音楽レーベルChilly Source主宰のDJ KROさんやDJ AKITOさんなど様々な方を紹介していただくなど、いい刺激を与えてくれる環境を作ってもらえたので、出会ったタイミングもすごく良く、いい出来事だったと思います。

 
——最近手がけた主な作品

僕の1st EP『Daydream』です。

 
——キャリア当初の制作環境

はじめはWindowsでStudio Oneを使っていました。

その後、MacBook Airで、DAWはLogic Pro Xに移行して曲を作っていました。

 
——現在の制作環境

現在は、iMacを使用し、DAWは主にAbleton Live 10 suiteを使い、ボーカルをRecする時はLogic Pro Xを使っています。


niafrasco インタビュー「ベースとビートの兼ね合いはすごく意識して作っている」【IYOW】

 
——メインの機材

PC : iMac

DAW : Ableton Live 10 suite / Logic Pro X

インターフェイス : Steinberg UR22mkII

ギター : Fender Japan ストラトキャスター 

 
——モニター環境

モニタースピーカー : QUINTET 506 WALTZ

ヘッドホン : audio-technica ATH-M50x

 
——使用音源

Xfer RecordsのSerumをよく使います。UIがすごく見やすくて感覚的に音作りがしやすく、僕的に結構オールラウンドに使いやすいソフトシンセかなと思います。

あとは、Keyscapeを毎回といっていいほどよく使います。SpectrasonicsのKeyscapeは本当に生の音に聴こえてニュアンスもすごく伝わりやすく、RhodesとWurlitzerの音が最高に気持ちいいのでよく使っています。

 
——使用プラグイン

Nicky RomeroのKickstartと、TAL SoftwareのTAL-Chorusをよく使います。

Kickstartは簡単にサイドチェインの効果を作り出す事ができるので、音のうねりが欲しい時に重宝します。

TAL-Chorusはフリーのプラグインなんですけど、クセがあるコーラスだけどアナログ感と音の広がり方がすごく好きでベースやギターを広げたい時によく使います。

 
——ビートメイクのプロセス

基本的には、自分が気持ちいいと思うコード進行をギターやピアノを使って作ってからビートを載せたり、メロディを乗せていったりという形で作っています。

 
——ビートメイクポリシー

ベースとビートの兼ね合いはすごく意識して作っています。ここのリズム隊と呼ばれるパートでグルーヴ感やタイム感の気持ちよさが決まるので、この2つはグルーヴを意識して作っています。

あとは自分の個性はタイム感だと思うので、そこをどのように織り交ぜて楽曲のバランスをとり、自分らしさを表現できるかは意識しています。

 
——最も影響を受けたプロデューサー/ビートメイカー

Lophiileというプロデューサーです。この人を知って僕が本格的に活動を始めたといってもいいぐらいだと思います。Lophiileは、Tyler Acordとして、もともとロックバンドIssuesのメンバーとしてDJや作曲を担当していて、Issues脱退後にソロでプロデューサーとして活動をはじめた人なんですけど、彼が作るR&Bやヒップホップ、ゴスペルなどのブラックミュージックとエレクトロサウンドを融合した楽曲は、そのグルーヴ感から、メロディ、絶妙なタイム感までどれも完璧すぎて、高校生の時に初めて聴いて衝撃を受けて以来、すごく影響されていると思います。

 
——影響を受けた楽曲

Lophiile – Preach

「Preach」はコード感やメロディのキャッチーさとビートのグルーヴ感の絶妙なバランスが最高にカッコよくて、18歳くらいの時に永遠リピートしてコードのボイシングなどをコピーしたりしていたので影響を受けていると思います。

 
Lophiile – Midnight Donuts

「Midnight Donuts」は世界観がすごくてセクションのつなぎ目の複雑さ、タイム感や発想力に衝撃を受け、一時期この曲をずっと研究していたことがあったので、影響を受けていると思います。

 
FKJ – Skyline

FKJの「Skyline」はメロウな音やコードのボイシングや空気感、ビートのスネアの逆再生、ギターの音作りなどの影響はすごく受けていると思います。

 
Duñe x Crayon – 「Blue Window」

この曲はビートのパーカッションやギターの空気感タイム感や楽曲全体の質感、グルーヴ感、シンセの音作りやセクションの持って行き方などを参考にさせてもらっていたので影響を受けていると思います。

 
——My favorite works / 自分の作品からのお気に入り

1st EP『Daydream』から「Now or future」と、「4+1 -VIP-」という曲です。

「Now or future」は同じサビが来ないように作り、空気感や全体的なバランスが良く、ベースとビートの兼ね合いがうまくいったなと思う曲になっているので僕的にはお気に入りの1曲になっています。

そして「4+1 -VIP-」ですが、この曲はすごくキャッチーでなおかつ自分のタイム感も織り交ぜることができていて、そしてMacBook Airで作った最後の曲。この曲でTREKKIE TRAXのコンピにも参加させていただくことができ、音楽活動において前進させてくれた曲なので思い入れが強く気に入っています。


niafrasco インタビュー「ベースとビートの兼ね合いはすごく意識して作っている」【IYOW 】

『Daydream』 各配信ストア : https://linkco.re/gA8S6bVc

 
——Message

これから音楽活動の幅を広げて、楽曲のリリース、アーティストのプロデュース、レーベルの設立など、より勢力的に活動していきたいと思っています。

イベントなどにもどんどん出演していきたいと思ってるので、楽曲提供の依頼、イベントの出演等の依頼があればお待ちしていますのでよろしくお願いいたします。

 

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