Liza × 7 コラボインタビュー「自分の価値は自分で上げる」誰にも媚びない2人の深く確かな共鳴

インタビュー
2023.11.6
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今年1月から5月にかけてABEMAで配信されたオーディション番組『ラップスタア誕生 2023』にて、その過酷なバックボーンを力に変えるパフォーマンスを披露し、確かな存在感を残したLizaと7。応募者3,457名の中からトップ10に登り詰めた2人が8月26日にリリースした初のコラボ楽曲「AWAY」は、お互いのバイブスが共鳴し空をも突き破るような、痛快極まりないアッパーチューンだ。一方、9月29日にリリースされた第2弾コラボ楽曲「Lost」では、ダークで繊細なエモラップを展開。まったく異なるタイプの楽曲で誰も知り得なかった両者のポテンシャルを引き出し合う彼女達のコンビネーションは、単なる話題作りのための共演と一線を画している。THE MAGAZINEは、そんな2人にリモートインタビューを実施。そのシンパシーの根底にある音楽シーンへの思いや通じ合う2人の関係性、この先のビジョンを聞いた。

取材・文 : サイトウマサヒロ
企画 : Jiro Honda
 
 

「仲良し」よりも深みのある関係

——2人は『ラップスタア誕生 2023』で出会ったんですよね。

7:初めて会ったのは『SELECTION CYPHER』の撮影でした。でも、チラっと見かけはしたけど挨拶すらしない感じで、会話はなかったですね。

Liza:お互い、女子特有の馴れ合いをまったくしないタイプなんですよ。7ちゃんはきっと私のこと「なんやこの外国人」と思ってただろうし、私も「なんやこのチャイナ服」みたいな(笑)。その時はやっぱり敵だと感じてたんですよね。

——『ラップスタア』の最中で、バチバチのモードだったんですね。そこから交友を深めたタイミングはいつでしたか?

7:『ラップスタア』の参加者の中で一番一緒に曲やりたいと思ったのがりいさん(Liza)やったんで、いずれ関わりたいなという気持ちで3月くらいにインスタをフォローしました。

Liza:私はなぜかずっと敵対心を抱いてたんですけど、7ちゃんの曲を聴いてみたら尊敬できるところが多すぎて。私もめっちゃ一緒に組みたいと思って、「今こういう曲作ってるんですけど入ってもらえませんか」ってメッセージを送りました。

7:それで、私が和歌山に住んでるんで、東京に行ったタイミングで一緒にご飯を食べたんです。最初はめっちゃ上っ面の会話してたんですけど、遊ぶごとに深くなっていきましたね。

Liza:仲良いかどうかってめっちゃ聞かれるんですけど、「仲良い」っていうよりももっと深みのある関係だと思ってます。

——7さんがLizaさん宅に残した書き置きをInstagramで見て、相当深い関係なんだなと思いました。

Liza:でも未だにさん付けで呼ばれてるっていう(笑)。

7:東京でレコーディングすることも増えたので、その時はりいさんの家に泊めてもらってます。会ったら2~3時間ぐらいずっと喋りっぱなしで、気づいたら外が明るい、みたいな。

——そこまで打ち解けるには、何かきっかけがあったんですか?

Liza:直接仲良くなったというよりは、『ラップスタア』でお互いの育ちを知ったことが大きかったんですよね。そこから話題が生まれて、実際に話していても考え方やスタンスが本当に似てて。他の人に対して心を開けない部分とかが共通してた。

7:仲良くなるのは早かったですね。

——その共通点とは、具体的にどういった部分でしょう。

7:クラブによくいる女って、なんか……やっぱり馴れ合いしてるんですよね。自分らみたいな女は探してもあまりいないと思う。

Liza:私たちは2人ともケツを振ってきたようなタイプではないので、不快だと思うポイントが一緒だったり。あと、一番は音楽に対しての真面目さ。嘘ついて音楽やってる人とか中途半端に音楽やってる人が多すぎて、中身の無い音楽が生産され続けてるってことを7ちゃんも考えてて。仕事に対しての向き合い方、ストイックさが近いかもしれないです。

——「Lost」の7さんのバースで「売れたきゃ7より良い曲作れ」っていうリリックがありますけど、まさにそういうことですよね。何よりもまずはいい音楽を作ることだろ、っていう。

7:私もこの界隈入る前は色んなラッパーにめっちゃ憧れを抱いてたんですけど、いざ飛び込んでみたらみんなリリックとやってることが違いすぎて。「なんやねんお前ら」みたいな。それに共感してくれるのがマジでりいさんしかいなかったです。

——逆に、お互いにここは違うなとか、ここは真似できないと思う点はありますか?

7:私は、人の意見を聞いて流されてしまうタイプなんですよ。人から言われたことの方が吸収しやすいっていうか。りいさんは逆に、めっちゃちゃんと自分を持ってるから。間違ってたらそれは違うってハッキリ言う人やなって思う。そこは自分と違う部分なんで勉強になるし、すごいなと思いますね。

Liza:私は良くも悪くもスルースキルがないんですよね。嫌なこと言われたときに、なんでもかんでも飛びついちゃう。その点、7ちゃんは感情を出しすぎない。けど頭ではめっちゃ考えてる。そういうところが、さすが年上だなって思いますね。私が年上だと思われることも多いんですけど(笑)。

——楽曲でも7さんはアグレッシブなイメージがありますけど、意外と性格は冷静なんですね。

7:強気に見せてるけど、我は強くないです。普通ですね。

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