8mileAliens インタビュー |「80sムードで街を放浪するクルー」金沢発、現在東京を拠点に活動する8人組ヒップホップアーティスト【Who’s NXT】

2019.12.24


8mileAliens

金沢で結成され、現在は東京に拠点を置く8人組ヒップホップクルー8mileAliens。メンバーは98年生まれ世代の8人のRapper、DJ、TrackMaker、ArtDirectorらからなる。それぞれが各所で活躍しながら、80sをフレッシュな感性でアップデートしたサウンドが注目を集めており、新EP『Maiden Voyage』のリリースもアナウンスされている。そんな8mileAliensから、クルーの中核を担うOZK、Klllly、Juzohseに話を聞いた。

Who’s NXT : A series of interviews with featured artists


8mileAliens

OZK (MC, Trackmaker, DJ, Art Director)
Klllly (MC,VJ, DJ)
Juzohse (MC, Photo)
cstdam (MC, engineer)
Pharmer-b (Trackmaker, DJ)
Neam (Designer, Painter)
Rubby (Designer, Film Editor)
Hyu*nic (Track maker)

 
——まずみなさんが音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。

Klllly : 僕の実家が音楽教室で祖父と祖母がジャズバンドを組んでて、小さい頃から沢山のレコードに囲まれて育ちました。初めは遊びで、インターネットと触れることでブラックミュージックやオルタナに傾倒していきました。

OZK : 自分の場合は、小さい頃車内でスティービーワンダーとかレジェンド達の曲が流れてて、その頃は意識してなかったんですけど、中学時代にKllllyやJuzohseなどと出会ったことで、ブラックミュージックに触れ自分の手で日本語ラップなど聴き漁って色々掘っていくことの楽しさを知りました。

Juzohse : メンバーのケル(klllly)が中学校のアンケートで好きなアーティストの欄があったんですけどそこにサンピンのMCを数人書いてたんです。当時ポップとかしか聴いてなかったんですけど、“誰それ!”ってなって気になって調べたら、Lamp eyeの証言が出てきて“やべえ!”ってなりました。そっから90年代から2000年前半の日本語ラップをめちゃくちゃ聴くようになってそっからです。

 
——8mileAliensはどのような経緯で結成されたのでしょうか?

Klllly : 小学校の時はHIPHOPよりもROCKが好きで元々バンドを組みたいと思ってて。中学に上がれば楽器触れる人がいるだろうと思ったんですがいなくて。そんな中UMB2008のDVDを観てラップなら気軽に始められると思い、最初はフリースタイルをしてました。でもやっぱり録音がしたくなってくるんですよ(笑)。その当時僕が14歳の頃A$AP MobやOdd Future等のユースクルーの流れが来てて。“やばい!早くこれがしたい!”ってなって同じクラスのJuzohseを無理やり誘って仲間を増やしました。その流れで翌年のクラスでHIPHOPを流行らせて結成させたのが8mileAliensです。特にOZKは幼馴染で元から音楽に詳しかったりしたので早かったです。

OZK : もう全てのきっかけは中学生時代に出会った仲間数人で夜な夜な集まって音楽で遊ぶようになってからですね。

 
——金沢が地元とのことですが、現在はどの辺りを中心に活動していますか?

主に東京です。

 
——8mileAliensの一番最近の作品と、その作品の8mileAlienらしい部分をご紹介いただけますか?

Juzohse : ストリートアルバム『Out Of This Town』を2018年の11月にリリースしたんですけど、そのアルバムの最後の曲「The Way You Look Tonight」って曲が唯一メインMC以外にビートメーカーのPharmer-bが参加してるマイクリレーなんですけど、決してラップは上手くないんです(笑)。でもそこが僕らからしたらすごい良い味が出てて、ライブで歌う時も楽しい曲の一つです。こういうことができるのがクルーの強みでもあり、楽しさでもあるのかなと思いました。何よりトラックのネタが最高にcoolです。

OZK : 僕も同じですね。色々俺らが経験してきた遊びの中で影響受けてきたサウンドだったり、他にも色々挑戦しつつ制作した作品ですね。「The Way You Look Tonight」は誰が聴いても面白い内容になっているかと。歌詞を書く上で予めどういう内容で取り掛かろうとか敢えて指定せずにレコーディングして完成してあの流れができたので、初めてフルで完成版を聞いた時は感動しましたね。自分は映画が好きなんですけど、この曲は映画みたいで不思議と情景描写ができるんですよ(笑)。


8mileAliens インタビュー |「80sムードで街を放浪するクルー」金沢発、現在は東京を拠点にする8人組ヒップホップアーティスト【Who's NXT】

『Out Of This Town』 各配信ストア : https://linkco.re/tG1CcxRm

 
——他にこれまででおすすめ、あるいは思い入れのある作品をあげるなら?

Klllly : 僕は「LUIGI’S MANSION(from ALIENSCAMPⅡ)」です。今でこそ時代に反感するかのように80sムードでやってますが、Trapが流行る前はTrapをいち早く実験してました。たぶん十代クルー形式でTrapをやったのは僕たちが一番最初じゃないかな。BonesやYung Lean等のホラーコアな音楽からの影響が強かったです。そのように様々な遍歴を行き来したからこそ“今”があると思ってますね。僕達は他の誰よりも様々な音楽を聴いてるので新しい物を吸収し変化し続ける力があると思います。ルーツは変わらないですが。Z世代と言われるこの混沌とした時代だからこそ様々な変化を受け入れ、それを誰よりも自分達が楽しみにしてますね。何よりも早く、新鮮でありたい。

 
——8mileAliensでは楽曲の制作はどのようにされていますか?

Klllly : cstdamのエンジニアリングの元スタジオでやっています。念入りな会議の上、念入りな制作ですね。僕達は細かいところをとても気にします(笑)。完璧主義者が多いです。

 
——8mileAliensをまだ知らない人に、その特徴を伝えるなら?

Klllly : 80sムードで街を放浪するクルーです。ハードディガーな大人からすれば“これを待ってたんだ!”ってなると思うし、感度の高い若い人からすれば超新鮮に見えるんじゃないかと。皆んなが心のどこかで待ち望んでた音だと思います。

OZK : 基本俺を含む今のmcのKlllly(ケル)だったり大瀬(Juzohse)だったり皆とにかく昔から音楽が大好きなんです。ジャズやファンク、ソウルはもちろん、本当にいろんなジャンルから各々が影響受けてますね。昔からなんですけど、mc中心でメンバーが基本良い意味で捻くれてて、全体的に80sから影響受けてたり、同世代の人らじゃ中々気付けなかったり理解し難い格好良さを俺らはダントツで持ってるかと。今の世代のリスナーからするとある意味アダルトなんですよね。ジャケにしろサウンドにしろアーティストって雰囲気が重要じゃないですか、全部自己満でやってて以前までは勝手に自分たちで満足してましたね(笑)。


8mileAliens インタビュー |「80sムードで街を放浪するクルー」金沢と東京を拠点にする8人組ヒップホップアーティスト【Who’s NXT】

 
——8mileAliensはどういったアーティストに影響を受けていますか?

Klllly : 挙げれば100組くらいいますが、Shing02、RadioHead、Bill Evansですかね。RadioHeadからセンスを、Bill Evansから優しさを、Shing02から歌詞の書き方を学びました。『緑黄色人種』は僕達全員のアンセムじゃないかな。

OZK : ブロンクスのNINE,それとNujabes, あとは北海道のMic Jack Productionですね。ナインは学生時代Cloud 9を聴きまくってました。スムーズダハスラーとの「Make or Take」は当時初めて聴いた時、脳に衝撃が走りました。サウンドにしろボーカルにしろ圧倒的な格好良さで今でも初心に帰る時はお世話になります。特にNujabesやMJPは当時中学生時代に沢山聴いてました。日本語でラップをすることの幅の広さを学びましたね。自分は聴いてて情景描写ができる楽曲が好きなんですけど、トラック込みで聞く側に情景を思い浮かばせることができるのは本物の証だなと思ってます。

Juzohse : まずはDABOで、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDとしての活動はもちろん、初めて買ったニューエラのキャップがニューヨークメッツのブルーカラー59です。僕のストリートファッションの原点です。それとJ Dillaは素晴らしすぎて語りきれません。あとaddginjahzzは初めて行った地元のクラブで見たのが衝撃でした。新しいアルバムも最高です。

 
——楽曲でいうとどういった曲に影響を受けましたか?

Klllly :

Bill Evans – Polka Dots and Moonbeams

祖父母の影響があってからかピアノジャズのサウンドはルーツです。今の音楽スタイルにも確実にそれが根差しています。これはBill Evansが親友を事故に亡くした時に出来た曲で。僕たちもメンバーを1人不慮の事故で亡くしているので様々な思いがあります。

 
間宮貴子 – 真夜中のジョーク

幻のシティポップシンガー間宮貴子の曲ですね。この曲からムードやセンスを吸収しました。僕達は歌詞に“夜”を多用しますがここからの影響もあるんじゃないかと……

 
Shakatak – Night Birds

言うことないです。聴けば全てわかるかと。

 
Juzohse :

LAMP EYE – 証言

初めて聞いた日本語ラップです。

 
Quasimoto – Greenery

8bitサウンドと編成声バースがすごいマッチしてて好きです。トラックはもちろんこのラップの仕方の発想はなかなかできなかったです。

 
Carpenters – I Need To Be In Love

loveな曲を作るときはいつもCarpentersからインスパイアをもらっています。

 
OZK : 沢山います。強いて言えば久石譲ですかね。ダントツなんじゃないんですか。「千と千尋の神隠し」や「耳をすませば」などのサントラは数え切れないほどいくつもの夜でお世話になりました。

 
——音楽活動にあたって、特に意識していることはありますか?

OZK : まずリアルであることで、やりたく無いことはしないですかね。自分自身にそして音楽に対しても素直で、嘘をつかずに向き合うとかじゃないんですかね。地に足つけて向き合うことは常日頃から心がけています。

Klllly : 自分を信じること。8mileAliensは自分の分身でもあります。しかし一人ひとりの個性もある。その微妙の差を感覚で楽しんで新しいイノベーションを起こしたい

Juzohse : 朝起きてから寝るまでに音楽をかけれる時はかけています。当たり前なことだとは思いますが、1番大事だと思います。

 
——そういった意識の中で、リスペクト、あるいは共感するアーティストはいますか?

Klllly : HIPHOPに縛れば国外だとPro Era、国内だとTHA BLUE HERB。この2組は僕達を固く結びつけています。

 
——現状の音楽を取り巻く環境やシーンに対して何か感じることはありますか?

Klllly : サブスクリプションサービスの普及や楽曲制作の敷居の低下等によりアーティストが急速な勢いで増え続けていることは良いことだと思います。国内のHIPHOPシーンの雰囲気も5年前と今では全く違うものになっている。消費者の価値基準も大きく変わりましたよね。そんな中で大半の音楽が“わかりやすいもの”になり過ぎてる気がするんです。僕は音楽を含めた芸術の“複雑さ”や“理解のできなさ”に魅力を覚えたりするので、そういったものは追い掛けていきたいですね。抽象的すぎると思いますが……

OZK : 現代の特徴でもあるネットの普及、SNS中心の時代を俯瞰視すると圧倒的にここ数年でリスナーとアーティストとの距離が近くなったんじゃないかなと思います。それが良い悪いとかは無いんですが、言えることは単純に当時僕が憧れて影響受けていたシーンはもう存在しないということですね。ここ数年で受け入れることを学びましたけど(笑)。音楽にしろ何にしろ考えることを失ったら終わりだと僕は思ってて、理解しやすかったり単純で意味不明な楽曲のみで溢れるシーンは個人的に苦手なんで、自分たちの手で変えていこうかなと。

 
——今後の活動の展望や予定は?

Klllly : 新作EP『Maiden Voyage』がリリースされ、僕達は次のアルバム制作に取り組みます。個々の動きとしてはソロ作品以外にもVJやVideoDirection、アパレル等の様々な展開を広げていく予定です。

 
——最後にメッセージを。

Klllly : 『Maiden Boyage – EP』は老若男女全ての人たちが“心の中で実は待っていたんじゃないか”というサウンドになってます。

OZK : とりあえず次のEPは聴いて欲しいですね。楽曲を聴いてきた上で、年明けの1月18日にある僕ら主催の”Another City Weekend vol.4″っていうナイスなパーティが恵比寿であるので、友達誘って、お洒落して遊びに来てください。僕たちが間違いない良い夜を提供することを保証するんで。お待ちしております。


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