SUNNOVA インタビュー 「自分しか出せないユニークな音であること」downyにも正式加入した各方面で活躍するプロデューサー/トラックメーカー/DJ

2020.2.5


SUNNOVA インタビュー |「自分しか出せないユニークな音であること」downyでも活躍するプロデューサー・トラックメーカー・DJ【IYOW 】

SUNNOVA
プロデューサー・トラックメーカー・DJ。

国内外のレーベルからの楽曲リリース、TVCMの楽曲制作の他、近年は映像作家としてアパレルブランドなどの楽曲とPV制作を手掛ける。

サポートメンバーを経て2020年からインディーロックバンドdownyに加入。

IYOW : A series of interviews with featured beat makers / producers / composers


 
——キャリアスタートのきっかけ

2010年くらいから独学でトラックメイクを始めました。それ以前は趣味の延長線上でHARDCORE PUNKバンドで活動していたのですが、一人で楽曲を制作するようになってから音楽でお金を頂くようになって真剣に音楽と向き合うようになり今に至ります。

 
——ターニングポイント

2018年にdownyというバンドからライブのサポートメンバーのオファーが届きました。サポートメンバーとして今まで経験した事のなかった規模の会場でライブをしたり、海外ツアーに帯同する経験を経て表現の幅が広がったのか自然と以前よりもソロやトラックメイクのオファーも増えるようになりました。

 
——最新作

ソロワークスではPEKEというレーベルからシングルを毎月リリースしています。

SUNNOVA – Gloom2

 
——キャリア当初の制作環境

自宅の寝室が制作部屋で、サンプリングメインでAbleton LIVEのIntroとRoland SP-303のみで制作していました。音の鳴りだけは正確に確認したかったのでヘッドフォンはSONYのMDR-CD900STを使用していました。

 
——現在の制作環境

今は自宅の中に制作用の部屋を作ったので楽器の演奏やミックス作業は専らその部屋で行なっています。それ以外の0→1の作業、コード進行やメロディを考えるプロセスはスタジオスペースよりも自宅のリビングや移動中の飛行機、新幹線の中で作業する事が増えました。


SUNNOVA インタビュー |「自分しか出せないユニークな音であること」downyでも活躍するプロデューサー・トラックメーカー・DJ【IYOW 】

 
——メインの機材

PCは自宅やdownyのライブではMacBook Proの15インチ、外出先やDJの時はMacBook Airを使っています。DAWはトラックメイクを始めた時からAbleton LIVEしか使っていません。映像制作の仕事の時に稀にProToolsを使う時がありますが、音楽活動においてはAbleton一択です。今はLive 10 Suiteを使っています。コントローラーはPUSHをメインで使っていますが専らdownyのライブ用になっていて、制作の時は基本的にPCオンリーで作業する事が多いです。インターフェイスはRMEのFireface UCXを使用しています。動作が安定しているのと音の定位が確認しやすいのでかなり気に入っています。コード進行を考える時にギターを使う事もあるのでFenderのストラトキャスターを使用しています。

 
——モニター環境

スピーカーはADAMのA5Xを使用しています。耳が疲れない事と知り合いのオーディオメーカーの方が自社製品を差し置いてオススメしていたので購入しました。ヘッドフォンはSONYのMDR-CD900STを何度も買い換えて使っています。これが音を聴く時の基準になっているので今のところ他のヘットフォンに変える予定はないです。自宅以外で制作する時はSONYのMDR-EX800STというイヤフォンで作業する事が多いです。イヤフォンは何個か持っているので気分で交換しながら使っています。

 
——使用音源

以前はMassiveとかSerumを使っていた時期もあるのですが、今は動作が軽いのでAbletonに付属しているシンセやmax4liveで自作したシンセを使用して、エフェクトを重ねて音を作り込んでいくスタイルになりました。

 
——使用プラグイン

Abletonに内蔵されていないエフェクトだとiZotope Ozone 8を多用しています。Ozone以外だとWavesのSubmarineを最近はよく使っています。

 
——ビートメイクのプロセス

ピアノ音源を立ち上げてコードやメロディーを組み立てた後に、ピアノの音をシンセサイザーの音に交換して音色を作っていきます。シンセで作った音を一旦WAVで書き出して、Abletonのサンプラーに取り込んで加工を重ねていきます。上物の方向性が決まったらドラムを打ち込んで最後にベースを重ねるという工程が最近の基本的なプロセスです。昔はドラムから作っていたのですが、ドラムから作ると他のトラックメイカーと似た曲になる事が多かったので、自然と現在のプロセスに移行していきました。

 
——ビートメイクポリシー

自分しか出せないユニークな音である事。自分が頭の中で考えた世界のサントラを作るイメージで制作する事。トレンドはチェックするけれど後追いしてそのブームに迎合しない事。楽曲のリファレンスはしない事。ギャラよりもクリエイティブかどうかで仕事を選ぶ事。

 
——最も影響を受けたプロデューサー/ビートメイカー

2008年くらいのBurial。後にフォロワー(良いのも悪いのも)が沢山出てくる事もそうだし、音を聴いた時に映像が喚起される感覚を初めて感じたから。

 
——影響を受けた楽曲

Burial – Archangel

この曲を聴いてトラックメイクをしてみたいと思ったので。サンプリングの元ネタや音の加工を含めて芸術的だと思う。

Autechre – Gantz Graf

この曲とConfieldというアルバムは一聴しか感じは分からないけどリズムの配置の仕方がとてもヒップホップ的だと思います。彼らがJ Dillaをフェイヴァリットアーティストに挙げていた事も、自分の興味がヒップホップに向かう事になったきっかけです。

downy – 春と修羅

10代の頃に聴いていたバンドなので必然的に影響は受けている。時が経って自分がメンバーとして加入する事になったのも含めて影響を受けていない訳が無い。

Kanye West – I Am A God

カニエのアルバムは全部好きです。トラックメーカーのチョイスや楽曲の構築の方法、自身のアパレルブランドやアルバムのプロモーションの仕方まで含めてKanye Westという作品なんだと思う。これでポップスとして成立しているところがカニエの凄さだと思います。

Against All Logic – Some Kind Of Game

Nicolas Jaarという電子音楽のアーティストの別名義の楽曲。AAL名義だとサンプリングメインのハウス/テクノの楽曲がメインなのですが、ここ数年クラブで朝方にこの曲聴くのが最高なモードです。

 
——My favorite works / 自分の作品からのお気に入り

SUNNOVA – Cash Fly

「Cash Fly」 各配信ストア : https://linkco.re/Gyh8DXqU

常に最新の作品が最高だと思っています。

 
——Message

downyのアルバムが2020年3月にリリースされます。最高のアルバムが出来たのでぜひ聴いてください。そして、音源だけではなく、是非ライブも体験して欲しいです。

さらに、18scottというラッパーと共作したアルバムもリリースを予定しています。2018年12月にリリースした1stアルバムから進化・深化しているのでこちらも是非チェックしてください。

ソロの作品もPEKEから継続的にシングルをリリースしながらアルバムの制作も進めています。

 

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