LSTNGTインタビュー 「音楽は自分の人生の抵抗の記録」トランスからニュースクール・ハードコアまで独自の価値観で横断する注目のサッドレイヴプロデューサー

2020.10.20


LSTNGTインタビュー「音楽は自分の人生の抵抗の記録」トランスからニュースクール・ハードコアまで独自の価値観で横断する注目のサッドレイヴプロデューサー【IYOW 】

LSTNGT(ラストナイト)

東京を拠点に2013年から活動を開始したトランスをベースとしたソロプロジェクト。

今年3月に4枚目のアルバム『Cradle In The Geodesic Dome』をBandcampでリリースし、玉名ラーメンやCVNのリミックス、バルセロナのWind Atlasのリミックスアルバムにも参加するなど精力的に活動を続けている。

先日9月には最新のミックステープ『AQUARIAN AGE』をリリース。また、Yung LeanをリリースするYEAR0001のSpotify公式プレイリストにも楽曲が2曲収録された。

(artist photo by Chihiro Yoshikawa)

IYOW : A series of interviews with featured beat makers / producers / composers


——キャリアスタートのきっかけ

学生時代に自身の自主映画のサントラを作るため、オーディオインターフェース付属のソフトSONARで作曲を始めたのがきっかけだと思います。

——ターニングポイント

2013年頃にLSTNGTという名義でまとまった曲を作り始め、リリースする当てもないまま自主でカセットを作りました。三宿WebのFISHというパーティーで当時JESSE RUINSをやっていた佐久間氏(CVN/AVYSS)と出会い、そこでカセットの委託販売先を紹介してもらいましたね。

LSTNGTのファーストライブは2014年渋谷のBeat Cafeで、Cold Name(CVN,Nobuyuki Sakumaの別名義)との共演です。そこで初めてカセットを物販に出した記憶があります。(同年にウィッチハウスのカルトレーベルPhantasma Disquesよりアルバムをリリース。Phantasma Disquesを知ったきっかけは原宿のBIGLOVE RECORDS。)

そのイベントを企画してくれたSolitude Solutionsのオーナー西川氏によりフックアップしてもらい、LP『Boarding Gate』をリリースしました。そこからライブ含め活動の幅が広がり、今に至ります。


Boarding Gate LSTNGT

『Boarding Gate』 各配信ストア : https://linkco.re/8t9Yq6nE

——最新作

9月にリリースしたミックステープ『AQUARIAN AGE』です。


LSTNGT「AQUARIAN AGE」

『AQUARIAN AGE』 各配信ストア : https://linkco.re/E7Zc88HP

——キャリア当初の制作環境

・MacBook Pro
・UA-25EX(インターフェース)
・Logic Pro 9
・microKORG(シンセ)
・MDR-CD900ST(ヘッドホン)

——現在の制作環境

・MacBook Pro
・OCTA-CAPTURE(インターフェース)
・Ableton Live 10 Suite
・Ableton Push(ライブ時のみ)
・Roland GAIA(シンセ)
・Access Virus TI Snow(シンセ)
・microKORG(シンセ)
・ATH-M50x(ヘッドホン)


LSTNGT workspace photo
LSTNGT 制作環境
 

——メインで使用している機材

Roland GAIA : ほぼ全ての曲で使用しています。FILETERのツマミが直感的に操作しやすいです。ライブ中の変化もつけやすいです。


Roland GAIA LSTNGT
Roland GAIA
 

Access Virus TI Snow : 最新作『AQUARIAN AGE』に収録の「Ice Shield Meditation」のウワモノはほぼこれ一台です。


Virus Ti Snow LSTNGT
Access Virus TI Snow
 

——よく使用するプラグイン

Valhallaの空間系プラグインが気に入っています。

——ビートメイクのプロセス

シンセの音色を土台にし、ウワモノをサンプリングやビートに合わせていく感じです。

——ビートメイクポリシー

自分がぶち上がれるかどうか。

映画も小説も音楽も現実も全ては繋がっていて、組み合わせで連想ゲーム。

LSTNGTの音楽は自分の人生の抵抗の記録。

——最も影響を受けたプロデューサー/ビートメイカー

浅倉大介。自身の電子音楽の原体験です。氏がプロデュースしたT.M.Revolutionの初期楽曲や、ICEMANのサウンドには影響を受けています。

——影響を受けた楽曲

T.M.Revolution / HEART OF SWORD ~夜明け前~ ESPECIAL”MATT”Mix

姉がファンクラブに入っていて小さい頃、車の中でいつもかかってた。シンセのシーケンス感。

木村由姫 – Love & Joy

浅倉大介の素晴らしさの全てを表現している曲だと思う。

黒夢 – BEAMS

シンセの高揚感と人時のベースのかっこよさ。『FAKE STAR』は最高なアルバム。

ℑ⊇≥◊≤⊆ℜ of Mater Suspiria Vision MOONLIGHT SHADOW Zombie Rave Remix) =-I=I-=

自身がMater Suspiria Visionのレーベルからリリースするきっかけとなった曲。三宿Webで開催されていたパーティーFISHで現在は青山ABCの店長の山下氏がかけてて知った曲。

State Craft – Into the snowlight gate

Moonscapeのヴォーカル、ヘイト氏が毎月小岩BUSHBASHで開催されているイベント”Discipline”でかけててハマったバンド。ダンジョンシンセ的なアプローチと激情、私が失いかけてた情熱の全てがここに。

SALEM – BETTER OFF ALONE

シンセだけでパンクできるって気がついた。俺もやらなきゃと思った。ウィッチハウスはパンク。

Team Rockit – Aura

好きなことを続けること、好きなものを愛し続けること。抵抗し続けること。

Bladee – Romeo

一時期この曲が入ってるアルバムばっかり聴いていた。アルペジオとシンセの絡み。

KiDNATHAN × INVISIBLE – TrillChillTrap Prod. Belial LXVIII

初めて池袋BEDに一人で行った時に聴いた曲。いつだって尊師は最高にかっこいい。

JESSE RUINS – I Knew It

このEPがなかったら今もう音楽やってなかったと思う。

——My favorite works / 自分の作品からのお気に入り

Celestial Wind

今のLSTNGTの感覚を決定づけた曲かもしれない。西新宿。

Holy Machine

大好きなバルセロナのレーベルCønjuntø Vacíøからの最初のリリース。飛浩隆さんの小説「グラン・ヴァカンス」をモチーフにしています。

Leviathan feat.Constellation Botsu

しー没さんとのコラボ曲。アルバムのアートワークはKeigo Kurematsuの最高な作品。

玉名ラーメン – angelnumber (LSTNGT Remix)

K/A/T/O MASSACREで共演した玉名ラーメンさんにオファーして頂いたリミックス。個人的にも気に入っているので、どなたかアニメのエンディングに起用してください笑。

JEROME Mixfile #417-LSTNGT(World In Trance Motion 2)

JEROME Mixfiles · JEROME Mixfile #417-LSTNGT(World In Trance Motion 2)

JEROMEに提供したトランスの45回転の12inchを33で再生しスクリューしたミックス(のvol.2)。

Granule – Lucifer Rising (LSTNGT Remix)

このあたりをきっかけにDisciplineに関わることになる。(詳細 : https://avyss-magazine.com/2019/01/25/4825/

SAD MACHINE

ハードコアパンクバンドKLONNSを中心に小岩BUSHBASHで毎月開催されているイベント”Discipline”。そのコンピレーションアルバムに参加した曲。

CVLTnation LIVE

Disciplineクルーと一緒にバンクーバーのCVLTnationによるオンラインフェスに参加した時のライブ映像。撮影編集を大石規湖さんが担当。(詳細 : https://avyss-magazine.com/2020/07/22/17691/

廃園の天使

今の自分のマインドと一致している曲。激情トラップトランスコア。最新がいつも一番気に入ってます。

——Message

これをきっかけに、自分の音楽に興味を持って頂ける人が増えたら嬉しいです。

人間、いつ死ぬかわからないし自分がやりたいことをやっていきます。

 

LSTNGT
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この記事の執筆者

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