アー写を撮影&作成する時に、改めて気をつけておきたいこと | 5 THINGS TO THINK ABOUT BEFORE YOUR NEXT PHOTO SHOOT

2019.5.20

もし次回、新しくアーティスト写真を撮影する予定があるアーティストの方は、改めて考慮すべき事項があることを忘れずにいてください。カメラを前にして、ヘアースタイルや衣装などは普通に気にすることだと思います。今のデジタル環境において作品がディストリビューションされるにあたり、アー写作成の際はテクニカルな面も気にしておくべきです。この辺をスルーして望ましくない見え方になってしまう前に、撮影にあたって、改めてどんなことに気をつけるべきかチェックしておきましょう。

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※この記事はTuneCore USのBlogの翻訳記事になります。

1. 高い画質にする

2019年の現在、誰もが写真における画質の高さを気にしています。ほとんどの場合、これまでに比べて非常に高い解像度で写真を撮る、保存する、共有することは簡単になりました(これからはさらに容易になるでしょう)。急速なテクノロジーの進歩により、高画質な写真はすでに標準的なものとなりましたが、それでも今なお、画質について気にしないバンドやアーティストは存在しているようです。

プロ仕様のカメラであろうと、スマホであろうと、ハイレゾでの撮影はちょっとした設定でできます。画質が高い写真はデータを食うのが懸念点でしたが、今やオンラインストレージやクラウドで保存や共有も簡単になりました。

高い解像度の写真を持っていることは、色々な場面で都合がよいので、いつでもそういった写真を用意できる状態にしておくべきです。

ウェブでの投稿、ポスターの印刷、アルバムジャケット、プロモーションのクリエイティブ、プレスへの提供など、使う場面は様々なので、常に最高のアー写を用意しておきましょう。それがないことによって、何か良い話があったときに機会損失につながるかもしれません。SNSだったら画質が低くてもいいかもしれませんが、それでも画質が高いにこしたことはないでしょう。

 

2. メディアなどで使われやすいカタチ(ヨコ型)になっているか

ジャーナリストの立場からしても、この事で頭を悩ます時があります。アーティストは、自分のアー写が様々な場面、用途で使われるだろうということを改めて意識しておく必要があります。メディアでの掲載もそのひとつの例だと思います。あるブロガーがあなたの音楽を紹介する場面があったとして、よりそこで使われやすいものを用意しておく必要があることを覚えておきましょう。

有名無名問わず、音楽メディアやブログでよく見かけるのは横型のクリエイティブです。単純にそのカタチはオンライン上での掲載に適しているので、ヨコ型のアー写は用意しておきましょう。意外にそういう縦横比のアー写を用意していないアーティストは多くいるようです。トリミングやクロッピングの手間が必要な画像はメディアにとっても負担になるでしょう。

逆の立場で考えてみてください。素材を取り寄せた時、手間がかからずそのまま使えるもののほうが使い勝手がいいですよね。それは音楽であろうと、どんなビジネスにおいても同じです。

 

3. 異なるバリエーションを用意しておく

プレスリリースなどをサブミッションする際に、アー写を活用するのはとても良いアイデアです。しかし、果たしていつも同じ写真を使うことが適切なのか、一度検討してみましょう。メディアも、毎回同じ写真が送られてくるより、フレッシュに情報を伝えるために、新しいニュースごとに異なる写真がある方が記事にしやすいでしょう。

とはいえ、いつも違う写真を用意するために何十のも写真を用意する必要はないと思いますが、プロモーションのタイミングや時期に応じて、4〜5枚は常にアップデートされたものを用意して活用すれば効果的でしょう。

 

4. クレジット

これは現時点ではそんなに大事ではなくても、後々、問題になる可能性もあるので、できるかぎりキチンとしておきましょう。

一般的な出版物では写真のクレジットがあるのは当然ですし、それは写真を撮った人がプロであろうとアーティスト自身であろうと関係ありません。編集者の中には、クレジットが無いと掲載を許可しない人もいます。

プレスリリースなどの際、事前にクレジット情報も写真と一緒に提供していれば、メディアでもしその記載が必要になった際も、編集者がわざざわその情報確認の連絡をする手間も省かれるでしょう。

 

5. まとまり、一貫性

新しくアー写を撮影/制作するタイミングは、アーティスト活動におけいて、新しくあなたを世の中に知ってもらうチャンスでもあります。それは多分、新しい作品を出す時でもあるでしょう。そこにおいては、全てのクリエイティブが整合性を持つように精査してください。

世界的なスターが新しい作品を発表する際、全てのクリエイティブ、ジャケットをはじめ、ミュージックビデオ、グッズ、衣装など、それらがそのタイミングにもっともふさわしくなるよう、一貫性をもって整えられていますよね。

そこで共通しているのは色かもしれないですし、トンマナや何か特別なアクセサリー、またはへアースタイルかもしれません。これは基礎的な音楽マーケティングの手法であり、一貫性をもっていることは、作品を作り上げることに役立つでしょうし、アルバムを単なる楽曲のまとまり以上の、輝かしい音楽キャリアのひとつにしてくれるでしょう。

 

元記事:5 THINGS TO THINK ABOUT BEFORE YOUR NEXT PHOTO SHOOT (TuneCore US Blog)


(THE MAGAZINE 編集部追記)

上記の5つの項目に加えて、アーティストとして視覚的にこだわる場合、下記についても留意しておいたほうがいいかもしれません。

SNSを想定したサイズ

WebメディアやブログのSNSで記事URLがシェアされる際、メディア側の設定にもよりますが、Twitterでクリック率が高くなると言われるSummary Card with Large Imag を適用していることを想定し、メディアなどに提供するアー写のサイズは、アスペクト比を16 : 9 (かつ1MB以下)にしておくことをオススメします(例えば 2400px x 1260px など)。これはメディア側が掲載する&シェアする際にどう画像を扱うかに依拠することではありますが、前述の縦横比と容量にしておけば、意図しない切り抜きにならずにシェアされる確率が上がるでしょう。

↓16 : 9の画像のTwitterカードがシェアされた例

 
ストリーミングサービスにおけるイメージ

THE MAGAZINEの他の記事でも紹介していますが、SpotifyやShazamでは、アーティスト自らアーティストイメージを編集できる機能(Spotify for Artists、Shazam for Artists)を開放している(Appleも海外ではApple for artistsを用意)ので、そこにおいても最適に表示されるよう工夫しましょう。

例えば、Spotifyで表示されるサムネイル(アバターと呼ばれる)は最小で 2660px x 1140px、できれば6000px x 4000px を推奨しています。ファンベース獲得でSpotifyを重要視するのであれば、この画像のサイズを想定した上でアー写を作成しSpotify for Artistsから設定しましょう。なお、PCとスマホでは表示のされ方が異なりますので、Spotify for Artistsから設定した後、PCとスマホでのSpotifyアプリ、両方の表示のされ方を必ず確認してください。また、アバターに加えて、デスクトップやWebプレイヤーで表示されるヘッダーイメージも設定しましょう。

ストリーミングサービスなど今後重要視されるリスニングプラットフォームにおいて、リスナーがアーティストとしての自分をどのように視覚的に発見、認識するのか (メンバーがはみ出していたり、顔が切れていたりするイメージは極力避けたいものです)、そういったことにも想像力を働かせてアー写を準備することは、クオリティの高いアーティストブランディングにつながります。

この記事の執筆者

THE MAGAZINE

国内のインディペンデントアーティストをメインに新たな音楽ムーブメントを紹介するウェブメディア