【Who’s NXT】Furui Riho

2019.7.31

ストリーミングネイティブのミュージシャンも次々とあらわれ、才能高きものたちはジャンルやシーン、国境さえも関係なく旧来の枠組みを軽々と飛び越えながら自らの表現欲求をストレートに詰め込んだ作品をスピーディー&ダイレクトにリスナーへ発信している。

そんな要注目のup-and-comerアーティストをエディターピックアップ = Who’s NXT(next)

今回の Who’s NXT アーティストは、札幌を拠点にし、力強くソウルフルかつ優しく透明感のある歌声をのせた感情にささるサウンドを生み出し続け、また作家としてもメージャーアーティストへの楽曲提供も行う、実力派シンガーソングライターFurui Riho


【Who’s NXT】Furui Riho

—— Furuiさんは今は北海道で活動されているんですよね?

はい、北海道出身で今も北海道に住んでます。28歳です。活動拠点は札幌なんですけど、東京にも月1くらい行きながら活動しています。

 
——音楽に興味を持ったきっかけというのは?

気づいたらいつも誰かが歌っているような音楽好きな家で育ちました。大きなきっかけは小学校5年生の時で、お母さんと家の近くの教会のゴスペルライブを見に行ったんです。そこで同じような歳の子が楽しそうに歌っていて、「ずるい!わたしも歌いたい!」とそう思ったのがきっかけでゴスペルを始めることになりました。

 
——本格的にシンガーとして活動をスタートしたのはいつですか?

私が大学1年生の時、ゴスペルクワイアに当時、定期的に指導に来てくれていたボイストレーナーの佐々木俊輔さんという方がいまして。彼が経営するボーカルスクールの発表会に出させてもらったのが、ソロ活動のきっかけになりました。それがなければ多分今私は活動をしてないと思います。

 
——最新シングルの「Rebirth」は唾奇をはじめアーティストからも注目されるなどクオリティの高い作品になっていますが、どういう気持を込められて制作されましたか?

「Rebirth」は先日5月31日にリリースしたのですが、この曲は、初めて頭の中にある音をほとんど表現出来たものになったかなと思います。今までは自分の実力不足で、表現しきれなかったところがあったのですが、今回は制作チームを作って彼らに協力してもらいながら完成させました。そういう意味でも文字通り”Rebirth”な作品になったかなと思います。


【Who’s NXT】Furui Riho
「Rebirth」ジャケット

この曲の大事なキーワードとして「覚悟」というものがあって。「売れたい」、「音楽で食べたい」と言い続けてきたくせに、7、8年ダラダラ音楽活動を続けて来て、本気で音楽をやる意味をわかっていませんでした。言い訳をしたり、何かを守ることの方が大切だったり。

この曲を作る前、大切な人との別れがありました。今考えればその人に依存してしまっていたんだなと思います。自分を信じれずに、その人ばかり頼ってしまって。そんなことを考えてるうちに本当の自分がわからなくなっていました。

それで、その別れをきっかけに自分の足で歩まなきゃいけなくなって、そうなった時に一つ一つの行動は自分が決めることで、全て自分の責任になる事に、今更なんですけど改めて気がつきました。今までは周りの人に頼ってばかりで、「これどうしたらいい?」とか聞いて、何かあれば人のせいにしてました、最低ですね(苦笑)。

そういうことを経て、改めて私の中で音楽に対しての覚悟が生まれて。そして、「私はもっと自由になんでも出来るんだ」、そう思えるようになりました。そもそも本当にやりたいことに対して、言い訳なんてしないですよね。それを苦しいとも思わないだろうし。大変かもしれないけどそれをやるのがやっぱり楽しいんですよね。今までは言い訳ばかりで、すぐ立ち止まって何かを守っていました。それが無駄な事だったとは全く思いませんが、それに気づくのに8年もかかってしまいました(苦笑)。

 
Furui Riho「Rebirth」

 
——そういった納得いく作品である「Rebirth」以外で、他にFuruiさん的にお気に入りの作品がもしあればご紹介いただけますか?

「嫌い」という曲があって、これはYouTubeにはアップしているんですけど、まだ正式にリリースはしてないんですが、とても気に入ってる曲ではあります。この歌は自分への見た目や、音楽のコンプレックスを書いた歌になっています。

冒頭から「背が低いところが嫌い」から始まるんですが(笑)、私って身長150センチで、丸顔童顔なんですね。なのでいつも年下に見られていて、それが昔からコンプレックスで… 歩くときは顔を隠して下を向いて歩くくらい、この顔が嫌いでした。

あと、実は自分の声も昔はあまり好きじゃなかったんです。私はブラックミュージックが大好きなので、黒人さんのような太いかっこいいハスキーな声を出したかったのですが、実際にはどっちかというと細い声で、理想の声とは違うもので。「世の中には私よりも上手い人がたくさんいるのに、私が音楽をやる意味はあるのだろうか?」、そう考えてた中で生まれたのがこの曲でした。世界に自分と同じ人間は一人もいない。自分にしか出来ない事がきっとある。今も歌うたびに自分自身でもこの曲に励まされています。

 
Furui Riho「嫌い」

 
——楽曲の制作はどのようにされていますか?

普段はDTM(Cubase)を使って自宅で制作しています。歌詞を書いて大体のイメージをつくってからトラックを作って、メロディをつけていく形が多いです。でも最近は外に出て、川のそばだったり、公園のベンチだったりで曲を作るのにハマっています(笑)。

 
——Furuiさん自身は、自分の音楽はどんなところが他とは違うところだと思われますか?

私の音楽はある意味ひとつの、ゴスペルなのかなと思ってます。きっとゴスペルでイメージするのは黒人の方々が手を叩きながらみんなで歌ってるところだと思うのですが(笑)。

英語でGospelは、ざっくりいうと聖書を基にしたクリスチャンミュージックのことです。そしてその中で私が出会ったのが黒人霊歌にルーツがあるブラックゴスペルです。私が今歌ってるのは、歌詞も聖書の言葉ではないし、見た目もサウンドも含めいわゆるゴスペルじゃ全然ないんですけど、ただ私の心の奥深くには17年間ゴスペルで培ってきたスピリットが埋まっていて。

ゴスペルは踊りだしたくなるくらいハッピーな曲もあれば、何故か不思議と涙が出でくるような、心に響くバラードもあります。かと思えば元気な曲なのに涙が出てくるものもある。本当に心を揺さぶってくる音楽なんです。私はそんな音楽を自分から出てくる言葉で、音楽の形で表現したくて。カッコよくて、ハッピーで踊りだしたくなるけどたまに涙が出てきて、愛が溢れててやめられない、そんなゴスペルみたいな音楽を届けたいです。


【Who’s NXT】Furui Riho

 
——そういった表現を目指されているFuruiさんが具体的に影響を受けたアーティストを教えていただけますか?

ひとりは、Minnie Ripertonです。ゴスペル界で有名なラニーラッカーさんという方がいて。6年生の時に出会って、歌をすごく褒めてもらいました。その時に「Rihoは大きくなりたいなら良い洋楽を聴いた方が良い」と言われて、おすすめされて聴いたのが彼女の歌でした。なので取り入れようとすごく一生懸命聴いたし、気づいたら大好きなアーティストになってました。彼女の歌はハスキーでかっこいい声ではなかったので、どっちかというと自分の声質と少し似た所もあって。太い声に憧れてたので、これでもいいんだって少し安心した覚えがあります。

もうひとりは、Mariah Careyです。彼女も間違いなく私の音楽に影響を与えてくれたと思います。小学校6年生の時に、彼女のライブビデオが家にあって、確かMTV Unpluggedのだったと思うんですけど、それを死ぬほど聴いて練習していました。その時が人生で1番歌を練習したと思います(笑)。

そして最後は、宇多田ヒカルさんです。初めて自分のお金でCDを買ったのが彼女のアルバムでした。日本語でのグルーヴの作り方は彼女に教えてもらったと思っています。

 
——少し重複するかもしれませんが、影響を受けてきた楽曲ではいかがでしょうか?

Minnie Riperton- inside my love

この曲が入ってる彼女のベストアルバムは死ぬほど聴きました。この曲は特に好きです。

 
Mariah Carey – Emotions

もうイントロから踊り出したくなるくらい好きな曲です(笑)。シンプルなトラックなのに、本当に私のテンションをぶち上げてきます。何度も何度も聴いた曲です。

 
He Knows My Name -Israel & New Breed

ゴスペルはもう大好きなものがありすぎて選べないんですが、今でも好きで歌ってるのがこの曲です。歌も好きですが、歌詞がとても良くて。五年前カナダに留学してたんですけどその時にかなり助けられた曲です。

 
Donald Lawrence & The Tri-City Singers – Message for the Saints

この曲もゴスペルで、これは結構hiphopな曲なんですが、「ゴスペルってこんな曲調のもあるんだ…」、そう思った初めての作品です。

 
清水翔太 – Soulmate

清水翔太さんを初めて知ったのがこの曲でした。彼の作る楽曲はわたしのずっとお手本になっていて、ブラックミュージックのエッセンスとJ-POPをこんなにうまく融合できる人はいないと思っています。繊細なメロディの選び方が本当に素晴らしくて、メジャーのシーンの中でもしっかりアーティストとして確立されているところが大好きです。

 
NakamuraEmi – YAMABIKO

この曲は衝撃でした。今までは綺麗に綺麗に言葉を作るのが正解だと思ってたんですが、彼女の歌を聴いて素直でいていいんだというのを初めて知りました。この曲は特にわたしの歌作りに影響を与えた曲です。

 
Zion.T-Eat

彼の歌を初めて聴いた時も衝撃でした。サウンド的なところで言ったら彼が一番わたしの理想とする音楽に近いのかもしれません。同じシーンの中だと似たような曲も生まれるけど、彼の曲は全てオリジナリティがあります。そこが大好きです。一生ファンです。

 
——Furuiさんが音楽活動をされるにあたって、大切にしていることはどういったことでしょうか?

私はとても弱い人間なのでその弱さを曲に落とし込んでいます。完璧な人間は一人もいないと思うので、その「弱さ」を私音楽を聴いていてくれる人と分かち合えたらすごく嬉しいです。あともう一つ、「愛」というワードも大切にしています。私は本気で愛があれば世界救えると思っていて!だから誰よりも愛を与えられる人でいたいなあと考えるんですが、なかなか難しいです(笑)。ただ、結局愛される人は、どれだけ人を愛せるかなのかなんだろうなと思います。


【Who’s NXT】Furui Riho

 
——そういった大切にされていらっしゃる部分で、リスペクトする、共感するアーティストは?

あげるとすれば、NakamuraEmiさんと、TOCCHIですね。

NakamuraEmiさんは、人生で初めて「この人みたいになりたい!」と思った方です。強さも弱さもひっくるめて表現されていて、本当に強い方だと思います。歌詞を伝えることをすごく大切にしていて、綺麗な言葉だけじゃなく普段歌詞にしないような、ありのままの言葉が心にグサッと刺さります。彼女の言葉選び含め、いつも彼女の歌を聴くたびに自分の未熟さを思い知らされます。背中を追っかける大好きなアーティストです。

TOCCHIは、今は沖縄で、唾奇も所属する604というクルーでも活動しているアーティストです。彼は私が歌を始めたときからずっと同じ札幌で頑張ってきた仲間で、歌詞から作曲・編曲、歌、ラップまで出来ちゃう、私が全信頼を置く本当に才能のあるアーティストなんです。とても優秀な人が近くにいたんだなと最近改めて思います(笑)。自分も頑張らなきゃそう思わせてくれる良きライバルでもあり、大切なソウルメイトでもあります。

これだけで十分なのに / TOCCHI

 
——今後の予定としては?

これはかなりわたしにとって挑戦なんですが… 来年2020年の2月8日に代官山LOOPさんでワンマンライブをすることになりました!

活動としてはもう何年も続けているんですけど、まだまだ理想のアーティストにはなれていないのでここからRebirthして、1人でも多くの人に出会えるように精一杯歌っていきたいと思います!

 
——最後にメッセージなどがあればお願いします。

ここまで読んでいただいてありがとうございます!(笑)

これを読んでくれた皆様にまたどこかで会えますように。次の新曲もよかったらぜひ聴いてください!!


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