WITHDOMインタビュー 黒沢 薫(ゴスペラーズ)作曲&VOプロデュースの最新シングル「All my life」で見えた夢の舞台への現実感
圧巻の歌唱力とジャンルレスなレパートリー、そして熱気と楽しさがみなぎるライブパフォーマンスで国内外から注目を集める京都発の実力派4人組ヴォーカル“パフォーマンス”グループ・WITHDOM。結成7周年の記念日となる3月26日にリリースした12か月連続デジタルシングル第3弾となるニューシングル「All my life」は、ゴスペラーズの黒沢 薫がヴォーカルプロデュースおよび作曲を担当した。極上のコーラスワークとまっすぐな純愛を描いた言葉が全身に温かく染み渡るラブソングで、グループの新たな魅力を覗かせている。全国6か所を巡る『7th Anniversary Tour “LUCKY7”』も開幕し、目標とする日本武道館のステージに向け着実に歩みを進めるSMOOTH、SHVNYA、Ryo、ROYの4人に、「All my life」の制作秘話や7年間の軌跡について聞いた。
取材・文 : サイトウマサヒロ
個性を調和させる唯一無二の4人
——結成7周年おめでとうございます!これまでの活動を振り返って、歌唱やパフォーマンスの成長は実感していますか?
SMOOTH:僕たちは元々全員がソロアーティストとして活動していたんですけれど、グループで活動するにつれて、お互いの歌を意識しあいながらコーラスしたり、逆にフェイクのパートではガッと前に出ていったりと、多角的に考えながら歌えるようになったと思います。根本にある熱は変わってないけど、色んな人に聴いてもらう意識が強くなっていますね。
——SHVNYAさんはラップとコーラスを担当されていますが、ソロでラップするのと歌の間にラップを差し込むのでは、やはり全然アプローチが異なってきますよね。
SHVNYA:そうですね。シンガーと絡んで、少ない小節の中でラップするという経験がWITHDOM以前にはなかったので。わずかなパートの中でも、ラップでしか表現できない具体性を押し出すことは意識しながらやってきました。それに、コーラスを挑戦したのもグループに加わってからなので、新たな挑戦を経て成長できた部分ですね。
——結成当初は「和」のコンセプトをプッシュしていたWITHDOMですが、活動を続けるにつれて「和」にとどまらず世界観を広げています。楽曲制作やライブを重ねる中で、表現したいことが増えたのでしょうか。
SMOOTH:京都出身のグループということもあって、「和」推しで2、3年ぐらい活動していたんですけれど、一度そのコンセプトに固まりすぎず色々な曲をやっていいんじゃないかという話し合いをしたんですよ。京都や日本をレペゼンしているという気持ちは変わらずに、サブスクでのリーチや海外へのアプローチも考えて、少しづつ方向性を変えていったという経緯で。
——ある意味では、「和」というわかりやすいコンセプトを打ち出さなくとも、WITHDOMならではの個性を十分に発揮できるという自信の表れでもあるのかなと思いました。
SMOOTH:まさにそうです!
SHVNYA:言いたいことをすべて言ってくださってありがとうございます!
——(笑)。ちなみに、他のグループと異なるWITHDOMならではの個性とはズバリなんだと思いますか?
ROY:ソロでもやれる個々の長所が際立ちつつ、それがぶつからずに上手く調和して一つにまとまってるところですかね。
Ryo:WITHDOMはコーラスワークやハーモニーを重視しているんですけど、ライブパフォーマンスでは、お客さんと一緒に楽しむための振付だったり、視覚的に魅せるための僕たち自身のダンスも作り上げていて。他にはない武器がたくさんある、唯一無二のグループだと思っています。
——京都という土地に根付いた活動を続けているのもWITHDOMの大きな特徴だと思います。2022年9月には、京都観光グローバルサポーターにアーティストとして唯一任命されました。地域との繋がりが強まっているという感覚はありますか?
SMOOTH:活動初期は、YouTubeのカバー動画を京都の観光名所で撮影させていただいたり、由緒ある妙顕寺で単独ライブをさせてもらったりだとか、京都「で」活動することをテーマにしていました。だけど、いまは京都の外に目を向けて、京都を知ってもらうことこそがレペゼンなんじゃないかと思っていて。
——海外からもWITHDOMに対する注目度は高まっていると思いますが、国外のリスナーにも京都という魅力的な場所のことを伝えていきたいと。
SMOOTH:そうですね。海外の人から見てもやっぱり京都って日本らしさを感じられる場所みたいですし。自分たちのフッドであるということも踏まえて、これからも軸足は京都に置いていきたいと思ってます。
——京都のR&B~HIPHOPのシーンから受けた影響はありますか?
SMOOTH:僕たちは深夜帯のHIPHOPイベント出身なんですけど、その当時はすごく怖い人が多くて(笑)。ラップもガツガツしたハードコアなスタイルが中心でしたけど、ライブが上手な人がめちゃくちゃ多かったんですよね。イケイケやけど、ライブに関してはみんなで高め合ってた。僕らもやっぱりライブにはすごいこだわってますし、それが京都らしさ、関西らしさなのかなと思いますね。
——7年間の活動の中で、メンバー間の関係にも変化があったんじゃないでしょうか。
ROY:もちろんライブについての話し合いとかは増えましたけど、関係性としては変わってないですね。ずっと同じムードで7年間歩いてきたかなと思います。
SMOOTH:僕とRyoさんは同い年で、SHVNYAが2個下、ROYが6個下なんですよ。で、ROYは今でもSHVNYAに敬語やし、SHVNYAも僕らに敬語。同じグループだからってタメ口使わないっていうのは珍しいって言われますね。
——お互いとして、リスペクトを保ったまま一緒に進めているということかもしれないですね。