【IYOW 】adaptrook インタビュー | フィールドレコーディンを巧みに取り入れ、唯一無二のサウンドを生み出すビートメイカー
adaptrook
心地よいグルーブ、特異なBEATに描かれるサウンドスケープはディープで革新的。Environmental soundを多く取り入れた楽曲等も特徴的で、空気を震わせる事により心も震わせ、身体を踊らせる。
ヒップホップやジャズ、ラテン音楽、電子音楽の影響を強く受けており、Gil Scott-Heron、J Dillaに多くを学びヒップホップ、エレクトロニカ、アンビエントを中心にあらゆるジャンルを横断する唯一無二のビートメイカーである。
主にレコーディング、サンプリングを繰り返し、Organelle、SP-404からAbleton Liveに流し込み実験的かつ建設的な手法で音の連なりを構成している。
IYOW : A series of interviews with featured beat makers / producers / composers
——キャリアスタートのきっかけ
高校生の時に先輩からパーティーでDJが一人出られなくなって、「お前レコードたくさん持ってるしやってみないか?」と誘われノリでやることに。誘われてからパーティーまでは1週間くらいしかなくて、先輩の家でDJミキサーの使い方を教えてもらって。もう1週間後には恥ずかしくもお粗末なDJデビューしてしまいましたね。
当時からレコードは買い集めていて、リスニング用でTechnicsのSL-1200を1台持っていたのですが、パーティーが終わった数日後にはSL-1200をもう1台とDJミキサーを買って…… 気がついたらDJしてたって感じです。自分がかけた曲にお客さんが反応してくれる、虜になった理由はここだと今も思っています。
——ターニングポイント
DJをはじめて2年くらい経った頃、よく同じイベントに出演していたラッパーとグループを組みました。ある日クラブでライブしてフロアに戻ると声をかけてくれた方がラジオのディスクジョッキーで、「デモテープはあるか?」と聞かれたので「ない」と答えると、「作れ」と。そして、「トラックはオリジナルか?」と聞かれ、「インストの同じレコード2枚使ってライブをしていている」と答えると「オリジナルじゃないとリリースできない、こいつはラッパーだからリリックを書くから、DJはお前だからお前がビートを作れ」って言われて。それで言われるがままに、すぐMPC2000XL買いに行って、気づいたら手探り状態でビートメイクをはじめてました。で、初めて作ったビートがもうすぐCDになってリリースされるっていうミラクル。
——最新作
「un」https://linkco.re/syFAxPPg
「Resurrected」https://linkco.re/hs7g2YzB
「profound」https://linkco.re/CERsmr7V
——キャリア当初の制作環境
MPC2000XLとCubaseではじめました。
——現在の制作環境
現在はMacにAbleton Live10、MoogのSub Phatty、KORG のmicroKORG、Critter & GuitariのOrganelle。
サンプラーにSP-404、エフェクターにStrymon、リバーブにBig Sky、ディレイにTime Line、あとKORG KP3を使っています。
また僕の音楽を支える重要な役割を担うのはSonyのレコーダーPCM-M10。これでフィールドレコーディングしたものを取り込んで作っていきます。
——メインの機材
Ableton Live、Maschineで、Push2、Maschine MK3を使って制作します。インターフェースはUniversal AudioのApollo Twinです。この音は気に入っていますね。
——モニター環境
モニタースピーカーはYAMAHAとKRKを使っています。
——使用音源
MoogのSub Phattyでbassは作ることが多いですね。Critter & GuitariのOrganelleの音源も好んで使うことが多いかも。あとReasonも前からユーザーだったんだけど、11からプラグインとして使えるようになって使用頻度が上がってますね。楽曲提供の時なんかはNative InstrumentsのKOMPLETEも使うし、サブスクのSpliceなんかも使ったり。
——使用プラグイン
iZotopeのプラグインはラフミックス作る時に使いますね。
——ビートメイクのプロセス
まずテーマ決めをすることが多いです。フィールドレコーディングした音源をAbleton Liveに取り込んで。その後に色を思い浮かべます。音の背景を作っていって、リズム、メロディの順に入れていきます。最初にテーマや色を決めていることで音色には迷うことなくできます。
——ビートメイクポリシー
自分の楽曲には必ずと言っていいくらいにフィールドレコーディングした音が入ります。その音の背景を作った後に描いていきます。
——最も影響を受けたプロデューサー/ビートメイカー
Gil Scott-Heron、J Dillaです。
——My favorite works / 自分の作品からのお気に入り
アルバム『un』です。
——Message
3月11日にデジタルシングル「Cherry Blossom」をリリースしました。
「Cherry Blossom」https://linkco.re/2gG7reqN
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