邦ロック特集「Monthly Core-Rock!! Select by 遊津場」#6【SULLIVAN’s FUN CLUB, 豆原百音, goat Life, BonSim, マッドショットガン, Dolly Varden, iCO, 自爆, 海月にさされたら, 最強マンボウ修羅ぼうや】

“先取り邦ロック”を武器に音楽ライターやイベント企画で活動する遊津場が、その月に気になった邦ロック楽曲を10曲セレクトする【Monthly Core-Rock!! Select by 遊津場】。
「若手が中心となるので、新たな発見があるはず!あなたをコアな邦ロックリスナーにさせてみせる!」と遊津場は息巻いてるとか何とか。
以下、セレクト楽曲を遊津場が解説。本記事の解説とともに、セレクト楽曲をまとめたTHE MAGAZINEのプレイリストもお楽しみください(毎月更新)。
#6 セレクト楽曲(2025年5月2日更新)
1. SULLIVAN’s FUN CLUB「スタンド・バイ・ミ〜★」

札幌のロックンロール、帰還!
4月に行った復活ワンマンライブだけでなく、その次のツーマンライブもSOLD OUT。6月には東京でも既に2本ライブが決まっているなど、冬眠から完全に起き上がっていてハッピーサイコー。
全てまるっとお見通しのように、近くで言われたい言葉や鳴らされたい音が肌に浸透。細胞が活性化します。
SULLIVAN’s FUN CLUB「スタンド・バイ・ミ〜★」
2. 豆原百音「憧れた場所で」

奈良県出身・二十歳のシンガーソングライター。十代白書2024決勝進出で注目を集め、初自主企画SOLD OUTや大型サーキット出演など、しっかりと経験を重ねています。
その道程は平坦ではなかったのが、この新譜から分かります。それでも走ってきた彼女の生き様をバンドサウンドと共に素直に表現していて、リスナー自身も「折れずに行こう」と思えるでしょう。6月27日にはレコ発を開催します。
3. goat Life「memory」

昨年12月に公開された『水仙』のMVが着実に伸びている彼ら。知り合いの台湾人に聴かせたら「これはこっちの人も好き」って言ってました。
注目の新譜は勝本健介(Gt)がメインボーカルを務めます。『水仙』は来世はアヒルにでも(Gt,Vo)との兄妹ツインボーカルでしたので、さらなる幅の広さを証明しました。そして掴みたくても眩しすぎて掴めなかった記憶を思い起こさせる曲となっています。
4. BonSim「マンデビラ」

曲を聴くと歌に色気があって、歌詞に躁鬱ロックフェスという濃いイベントにブッキングされる理由も分かれば、3月にKT Zepp Yokohamaで行われたイベントで優勝、6月にはミミノコにも出演するのも分かる、リスナーを選ばず幅広く聴かれるべき実力もあります。
関東の新世代バンドとして先月紹介した三節棍と共にヒリヒリするような切れ味を持って切り拓いてほしいです。
5. マッドショットガン「笑」

4月8日に扇町para-diceで行われた自主企画はSOLD OUT。大阪・新世代近距離系というジャンルが個人的に始まっている気がするんですが、その核弾頭となるのが、このマッドショットガンだと思っています。
新EP『地下室から告ぐ』はどの曲にも力があって濃密で優しい。その中でも抱きしめるようなカウンターパンチを感じたのがこの曲。
6. Dolly Varden「抱擁」

1月にもEPをリリースし、様々なメディア掲載やプレイリストインを果たした彼らが早くも新EP『抱擁』をリリースしました。
その表題曲にもなっている本曲はムーディなメロディーに、力強いボーカルがガツンときます。うっとりとした心地良さに刺激を混ぜてくれて飽きません。その先にあるアウトロはご褒美ですね。オシャレなだけでなく、活きも良い高知産ですよ。
7. iCO「青に酔う」

放たれる世界観は、決して真っ直ぐなものではないかもしれないけれど、それでもしっかり君の物語を色付けてくれるアーティスティックでスケールの大きいサウンドが持ち味です。そんな彼らによる”青”の曲は、新鮮さを沢山感じるはずです。
その唯一無二さは多くの人を引き込み、1月にワンマンライブを成功させ、7月には代官山UNITにて2度目のワンマンライブを行うことも決定しています。
8. 自爆「涙とリビドー」

目玉のロックンロールバンド。
「なんか過激なだけのタイプじゃない?」と敬遠することなかれ。この曲はイントロから隙のない穏やかな哀愁が包み込むし、そのメロディーの温度がずっとブレがなく、衝動的なようで非常に繊細で、高い集中力で遠い遠い日本のどこかの誰かにも届けようとしていると感じたのが元田舎者として嬉しいです。少しずつ種は蒔かれていっています。
9. 海月にさされたら「エレクトリックおばけ」

2010年前後の早口ウィスパー系邦ロックやアニソン、ボカロを浴びるように聴いてきた世代の筆者は良い曲!とか、懐かしい…を通り過ぎて「カラオケで歌ってみてぇ…」という感想を抱きました。このバンド自体は20代前半なのですが……
創造とバンドを楽しみながら両立しているバンドが1番捉えどころがなくて、気付いたらフワフワと上のステージに行っているものです。
10. 最強マンボウ修羅ぼうや「逆張りダンス」

このバンドは同世代っぽいし、私が今住んでる神戸に縁深いらしい。使ってた会議室は多分私も知ってる会議室ですね。
アラサーならではのマジョリティにも、マイノリティにもなれていない焦り、とても分かります。世界よ、話が違います。
去年から名前が広がりつつあり、5月6日にはキュウソネコカミと対バン、6月には名古屋の大型サーキットにも出演します。振り切ったエネルギーに期待!
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