YouTube公式アーティストチャンネル(OAC)とは | YouTubeを使った音楽プロモーション ― チャンネル成長させファンを獲得する

2019.2.6

YouTubeにMVをアップしているアーティストの方はたくさんいると思います。そこで再生回数が伸びることにより、様々な音楽活動に結びつくことも多くあるでしょう。

しかし、知名度があったり、SNSで話題になれば、再生回数やチャンネル登録者数は自然と伸びるかもしれませんが、その一方で「なかなか再生回数が伸びない」、また、「もっと多くの人に音楽クリエイティブを届けたい」と悩んでいるアーティストも多くいると思います。

実は、そういったことを解決するためのヒントをYouTubeが公式に発信していることはご存知でしたか? そこには、話題のYouTuberも参考にしている知識がまとめられています。

なんとなく動画をアップするより、体系化された作法で、戦略的にYouTubeチャンネルを運用したほうが、より多くの人に自分の音楽が届けることができると思います。

 
その第一歩として、YouTubeが国内でも徐々に広めている【YouTube公式アーティストチャンネル(Official Artist Channel、以下OAC)】について知っておきましょう。

今回は、OACについて具体的にご紹介します。

※本稿は、YouTube for Artists、YouTube クリエイター アカデミー、YouTube Musicのセミナーを参照して作成しています(2019年2月時点の仕様です)。

関連記事 : ストリーミング時代の音楽活動で知っておきたいこと

 

■OAC

OACとは、一定の条件を満たし、YouTubeにより認証されたアーティストYouTubeチャンネルのことです。

OACは音楽を伝えやすいレイアウトになっており、1つのチャンネルで、アーティストの作品がまとめられたり、レイアウトのカスタマイズ、YouTubeアナリティクスを使った分析などができるようになります。

 

 

―自分のチャンネルをOACにするには

YouTubeによると、OAC化される条件は以下となっています。

  • アーティスト単位のYouTubeチャンネルがある
  • YouTube上に公式ミュージック ビデオが少なくとも3本ある
  • YouTube Musicで配信されている楽曲が1リリース以上ある
  • (2020年4月22日追記)

    現在、OAC利用要件はYouTubeによると下記となっています。

  • 1人のアーティストまたは 1 つのバンドを代表する YouTube チャンネルを所有し運営している
  • 音楽配信会社やレーベルを通じて提供、配信されている公式リリースが YouTube 上に 3 作品以上ある
  • チャンネルにポリシー違反がない
  • また、上記にあわせ下記のいずれかを満たす必要があるとのことです。

  • YouTubeパートナー マネージャーと連携している
  • YouTubeパートナー プログラムに参加している
  • パートナーマネージャーと連携しているレーベルネットワークにチャンネルが参加している
  •  

    ―OACのメリット

    OACには、どんなメリットがあるのでしょうか。

    (1)自分の音楽やMVが見つけられやすくなる

    YouTubeを見ていて、同じアーティストのオフィシャルビデオなのに、別々のチャンネルからアップロードされていることに気付いたことはありませんか? お気に入りのアーティストのMVを見るために、いちいち検索するのは面倒ですよね。

    再生回数を伸ばしたいと思っているアーティストからしても、自分のMVやコンテンツはまとまっていたほうがよいでしょう。

    OAC化されたチャンネルでは、YouTube上に存在する自分の公式な作品(動画や楽曲等)がひとつにまとまって表示されるようになります。

    さらに、「公式ミュージック」とフルアルバムのディスコグラフィーから再生リストも自動生成されるので、ファンに見たい動画をすぐ見つけてもらえるようにもなります。

    また、チャンネルにアクセスした時、最初に目につくトップ動画や紹介動画をカスタマイズすることができるため、今推している曲に気付いてもらえやすくなります。

     


    (2)ファンとのコミュニケーションに役立つ

    YouTubeで再生回数を伸ばすにあたって、チャンネル登録者数はとても重要な要素です。ネットでも頻繁にYouTuberのチャンネル登録者数がニュースになっています。

    OAC化されると、そのアーティストに関連したチャンネル(例えば、トピックチャンネルやパートナー提供チャンネルなど)のチャンネル登録者が自動的に統合されます

    例えば、あるアーティストAがメジャーレーベルに所属していた際、A自身ではなくそのレーベルが、AのMVをアップするAのYouTubeチャンネル(レーベルのチャンネルではなく)を作成していたとします。その後、Aは独立し、自身でAの公式YouTubeチャンネルを作成し、そこでMVをアップするようになりました。こういった場合、OACになるとレーベルが過去に作成していたAのYouTubeチャンネルの登録者は、AのOACに統合されます。

    “トピックチャンネル”に関しては、下記を参考してください。

    トピック別の自動生成チャンネル (YouTubeヘルプ)


    YouTube公式アーティストチャンネル(OAC)の活用 | YouTubeを使った音楽プロモーション ― チャンネル成長させファンを獲得するには
    image VIA:https://youtube.googleblog.com/2018/01/new-official-artist-channels-provide.html

    これにより、YouTube上のファン数把握も容易になりますし、効率的にファンとコミュニケーションがはかれるようになるでしょう。

    YouTubeでの便利な機能に“通知”があります。これも、例えば新しいミュージックビデオをアップした際に統合されたチャンネル登録者に通知されるようになります。

     


    (3)チャンネルの分析ができる

    OACでは、YouTubeアナリティクスが利用できるようになるので、ファンがどこでどのようにして自分の楽曲を見つけているのかが把握できます。チャンネル視聴回数、総再生時間が上位の国、ベストセラー曲など、自分のアーティスト活動に役立つ情報が手に入ります。

     


    (4)公式マークによって、なりすましを防げる

    OACとなったチャンネルはアーティスト名の横に「♪」の公式マークが付与されます。それにより、アーティスト本人の公式なチャンネルだと認識されるようになります。
     


    YouTube公式アーティストチャンネル(OAC)の活用 | YouTubeを使った音楽プロモーション ― チャンネル成長させファンを獲得するには
    OAC化されているアーティストチャンネルの例。アーティスト名の横に「♪」マークがついているのが分かる。

    https://www.youtube.com/channel/UCPJZmtBuSIDU3e-IIgDVfvw

     


    (5)YouTube Musicのアーティストページのカスタマイズができる

    OACで色々なカスタマイズが可能になるとともに、YouTube Musicにおける自身のアーティストページでも、バナーや説明文も追加できるようになります。
     


    YouTube公式アーティストチャンネル(OAC)の活用 | YouTubeを使った音楽プロモーション ― チャンネル成長させファンを獲得するには
    OAC化されているアーティストのYouTube Musicの画面。

    https://music.youtube.com/channel/UCrKtkKUklAN6qnszGoPgagQ

     

    ―OACを活用するコツ

    (1)見つけてもらいやすいチャンネル名にする

    ファンが検索する際なるべくヒットしやすいよう、チャンネル名を設定するときは、以下の点に気を付けることをYouTubeは推奨しています。

    正しいアーティスト名にする:直近のリリースの楽曲で表記しているアーティスト名

    「大文字、小文字を正しく表記する」
    「余計な単語を追加しない」
    「メインの言語を選択する」

    (YouTube ヘルプ:公式アーティスト チャンネルの管理より)

     


    (2)注目してほしい最適な動画を選ぶ

    OACでは、先ほども述べたようにチャンネル上部に表示する動画を自分で選択することができます。自分がアップした動画以外の動画も選択できるため、はじめて自分のチャンネルに来てくれた人にも分かりやすいよう、アーティストとして一番伝えたい動画を配置しましょう。

     
    OACのレイアウトでは、最上段のプロモーション用の棚と紹介動画には、好きな動画を表示できます。その下の部分には、「ミュージックビデオ」、「アルバム」という2つが自動生成され、再生リストが表示されるようになります。そこにすべての公式ソース(レーベル固有のチャンネル、Vevoなど)からアップロードされた動画が自動的に配置されます。

    OACでは、ディスコグラフィーが “アルバムセクション” に、公式ミュージックビデオが “新しい再生リスト” に自動的に整理されます。

     


    (3)YouTubeアナリティクスの活用

    動画の再生回数以外にも、マーケティングに活用できるデータをアナリティクスを通じてどんどん活用しましょう。

    YouTubeアナリティクスの概要レポートでは、例えば、以下の情報が確認できます。

    • パフォーマンスの指標: 総再生時間、視聴回数、収益(該当する場合)をまとめた情報が表示されます。
    • インタラクションの指標: 反応に関するさまざまな基準(高評価、低評価、コメント、共有、お気に入り)と特に関連性の高いデータが表示されます。
    • 上位10種類のコンテンツ: チャンネルの中で総再生時間が長い上位10種類のコンテンツ(チャンネル、再生リスト、アセットなど)が表示されます。
    • ユーザー層: 視聴者の性別と地域に関する情報が集められています。
    • 発見: 総再生時間が上位の再生場所とトラフィック ソースの指標をまとめた情報が表示されます。

    (YouTube ヘルプ:YouTube アナリティクスより)

     

    ■チャンネルを成長させる

    ここまで活用できていれば、アーティストとしてのYouTube運用はひとまず十分かと思われます。

    ただせっかくなので、さらに自分のYouTubeチャンネルを強力なものにしてみませんか?興味のある方は、下記のネクストステージにも挑戦してみてください。

    YouTubeチャンネルを成長させるにおいて、YouTubeが推奨している戦略の一つに、「ヒーロー・ハブ・ヘルプ戦略」(通称HHH戦略)があります。

    「Hero」、「Hub」、「Help」 ですね。

    HHH戦略では、それぞれが補完しあう3種類の動画コンテンツを定期的にアップし、コンテンツを充実させつつ、それらがどのユーザーにどれだけ届いているのか ターゲット層を明確にしてPDCAをまわしていく戦略 です。

    HHH戦略の詳細はかなりのヴォリュームになるので、下リンク先のYouTubeクリエイターアカデミーでじっくり学んでみてください。

    チャンネルを戦略的に編成する:YouTubeクリエイターアカデミー

    https://creatoracademy.youtube.com/page/lesson/assess-content?hl=ja#strategies-zippy-link-2

    さらに高度な知識を学びたい人には、「YouTube認定資格」というものが用意されています。自分で色々な戦略を立てていきたいアーティストにとってはかなり有用性のあるコンテンツだと思いますので、意欲のある方は挑戦してみてください。

    認定資格に挑戦!!→https://creatoracademy.youtube.com/page/certified-landing

     

    ■YouTubeでの収益

    アーティスト活動に伴なう収益は、音源、ライブ、グッズ、ファンクラブなど様々な経路が考えられますが、中にはYouTubeでの収益をメインに活動しているアーティストもいます。

    YouTubeでの収益化の条件は、下記の3つ。

    1.チャンネル登録者数が1,000人以上

    2.動画の総再生時間が4,000時間以上

    3.コミュニティ・ガイドラインの遵守

    この3つをクリアすることでYouTubeに申請が自動で行われ、問題がなければ全動画が収益化されるようになります。

    YouTubeでの収益化には、著作権についての正しい知識も必要となりますが、著作権問題のトラブルに対してYouTubeではContent IDというシステムがあります。

    Content IDによって、著作権者はYouTube上の自分のコンテンツを特定して管理ができ、自分のContent IDと一致するコンテンツに対し、自分がどのような対応策をとるか選択することができます。

    ※TuneCore Japanには、簡単に動画に広告を表示させて動画を収益化することができる「YouTubeコンテンツ収益化サービス」があるので、YouTubeでまずシンプルに収益化に取り組みたいアーティストにはオススメです。

    ▶︎TuneCore Japan YouTubeコンテンツ収益化サービス


     
     
    本稿の以下のパートでは、その他YouTubeが提供しているお役立ちコンテンツをいくつか紹介します。

     

    ■YouTube for Artists

    YouTubeにはアーティストにとって役立つ情報がまとめられているYouTube for Artistsがあります。

    そこでは、アーティストがYouTubeを活用するにあたって、参考とするべきコンテンツがまとめられています。コンテンツとしては、「リソース」、「ニュース」、「チャートとインサイト」が用意されています。


    YouTube公式アーティストチャンネル(OAC)の活用 | YouTubeを使った音楽プロモーション ― チャンネル成長させファンを獲得するには
    YouTube for Artists

    リソースコンテンツでは、YouTubeを活用した ファンとの交流や、視聴回数を増やす方法、最適なコンテンツの発信方法を学ぶことができます。例えば、YouTubeの著作権管理システムであるContent IDの仕組みを理解しておくことによって、自分の楽曲が誰かのYouTube動画のBGMで使用された場合どのように対処すればよいか、その時の自分の活動にあった最適な判断をすることが可能となります。


    YouTube公式アーティストチャンネル(OAC)の活用 | YouTubeを使った音楽プロモーション ― チャンネル成長させファンを獲得するには
    YouTube for Artists リソース ページ

    リソースページ内の知りたい項目をクリックすると、YouTubeクリエイターアカデミーへ遷移します。

    YouTubeクリエイターアカデミーでは、まずチュートリアル動画がそれぞれに用意されています。基本英語ですが、日本語の字幕を表示させることができますので、日本語のほうがよい人は動画右下の歯車マーク[設定]から日本語表示にしましょう。その後、テスト形式でそれぞれの方法が身につくようになっています。
     

     

     

     


    ニュースコンテンツでは、具体的なアーティストのストーリーや、事例、YouTubeやそのプロダクトにまつわる最新の動きをウォッチすることができます。


    YouTube公式アーティストチャンネル(OAC)の活用 | YouTubeを使った音楽プロモーション ― チャンネル成長させファンを獲得するには
    YouTube for Artists ニュース ページ

     


    チャートとインサイトでは、YouTube上でどんな音楽がトレンドなのか、話題の音楽や世界中で人気の高いアーティストや楽曲をチェックすることができます。人気のある音楽や映像を発信しているアーティストのYouTubeチャンネルを確認し、どのようなYoutTubeチャンネル運営を行っているかの参考になる最適な情報源となります。


    YouTube公式アーティストチャンネル(OAC)の活用 | YouTubeを使った音楽プロモーション ― チャンネル成長させファンを獲得するには
    YouTube for Artists チャートとインサイト ページ

     

    ■YouTube Space Tokyo

    YouTubeには、六本木ヒルズにYouTube Space Tokyoがあり、そこでは、下記の条件を満たしていれば無料で動画を制作することもできます。


    ・チャンネル登録者数が 1 万人を超えており、YouTube パートナープログラム参加対象であること(または YouTube 非営利プログラムに登録済みで、チャンネル登録者数が 1,000 人を超えていること)
    ・対象となるチャンネルが著作権侵害または利用規約違反の警告を受けていないこと
    ・「アクセス スペース」オリエンテーションに参加すること
    ・18 歳以上であること(18 歳未満の場合は、保護者または法定後見人の同伴が必要です)
    ・コンシューマー ブランドのチャンネルではないこと

    (YouTube Creaters:YouTube Space Tokyo紹介ページより)


    上記条件を満たしているアーティストは、YouTube Space Tokyoでの動画制作を活用してみるのも手かもしれません。


     
    以上、長文に渡って説明してきましたが、自分の活動においてYouTubeがファンを増やす有効な手段としてワークするだろうと考えているアーティストは、本稿の様々な方法にぜひチャンレンジしてみてください。

    YouTube for Artists
    YouTube クリエイター アカデミー
    YouTube Creators Channel

    この記事の執筆者

    THE MAGAZINE

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