anoneインタビュー ヨルシカのサポートも務めるギタリスト下鶴光康と、シンガーましろによる「可愛くて、泣ける」ユニット

2021.4.9


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2020年4月結成、ヨルシカなどのサポートギタリストとしても活動する下鶴光康と、シンガー・ましろによる2人組ユニット。「可愛くて、泣ける」をテーマに様々な曲を生み出している。

昨年8月に開催された「ゼンハイザー公認アーティスト募集オーディション #DontStopTheMusic」では多くのアーティストの中から見事選出され、EP『スピカ』をはじめリリース作は多くのプレイリストにピックアップされるなど、注目を呼んでいる。


——まず、お二人が音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。

下鶴:中2の頃、姉の影響でX JAPANのhideさんに釘付けになりました。ひたすら雑誌やCDなど兄弟揃って狂ったように買い漁っていたら、いつの間にか音楽に釘付けになっていました。

ましろ:実家にピアノとギターがあり、気軽に楽器を触れる環境だったので、楽器に対する興味は幼少期から自然と芽生えていました。自分で演奏して歌うようになったきっかけは、YUIさんです。ギターを弾きながらあぐらをかいて歌うスタイルがとてもかっこよく、真似をするようになったのが始まりです。

 
——anone結成の経緯というのは?

下鶴:僕がヨルシカなどのサポートギターを経て、「そろそろ自分でも苦手な作曲にじっくり向き合ってみるか〜」と考え始めたのが結成のきっかけです。

 

——現在、おもに活動しているシーンを教えてください。

下鶴:インターネッツでしか息してません(笑)。これからライブなどもやっていきたいと思っています。

 

——最新作をご紹介いただけますか?

下鶴:『薄暮』というEPを先日3月19日にデジタルリリースしました。1作目のEP『スピカ』の制作から得た経験をもとに、さらに作曲に向き合ってベストを尽くせたと思います。セルフレコーディングで毎日毎日ああでもない、こうでもないと試行錯誤しっぱなしの制作だったので、どの曲にも思い入れがあります(笑)。割と『スピカ』より明るい曲が多いので、『薄暮』にも収録されているシングル曲「薄明」をぜひ聴いてみてください。


anone「薄暮」

『薄暮』各配信ストア : https://linkco.re/NMrUDDhg

 
——これまでのリリースで、思い入れのある曲はありますか?

下鶴:先ほどもあげましたが、「薄明」です。暗さを感じつつも風が吹き抜けるようなスカッとする曲になったと思います。


anone「薄明」

「薄明」各配信ストア : https://linkco.re/PrP2NqF8

 
ましろ:私は「ジレンマ」です。2020年10月23日リリースした1st EP『スピカ』の2トラック目に収録されてる曲なのですが、anoneの作品の中でもシリアスな雰囲気をまとっています。颯爽と展開していく曲調がかっこいいです。


anone「スピカ

『スピカ』各配信ストア : https://linkco.re/E8aZM7CQ

 
——anoneでは普段曲作りはどのようにさせていますか?

下鶴:まず自宅のMacで適当なコード進行を決めて、ひたすらメロディ作りをします。1コーラス分のメロディが仕上がったら、平行して歌詞に着手します。その後は頭の中の音を探りながら、あとは野となれ山となれです。仮歌はラフアレンジが決まってから、ましろちゃんに自宅で録ってもらっています。

 
——まだanoneを知らない人にアーティストとしての特徴を伝えるなら?

下鶴 & ましろ:深夜に一人でぼーっと聴ける閉鎖感、サウンドが心地良いですよ。

 
——お2人が影響を受けたアーティストを、それぞれ教えてください。

下鶴 : Stone Temple Pilotsと長岡亮介さんです。Stone Temple Pilotsは、僕の中でロックバンドと言えば彼らです。なんかヤバそうなルックス、信じられないほどセクシーなボーカル、そして地味にコードワークが超クリエイティブです。長岡亮介さんには、色んな事を教えてもらいました。本当に色んな事を……

 
ましろ:私は、冒頭にも触れたYUIさんです。小学生の頃、1本のアコギで自らが歌う「弾き語り」というスタイルに衝撃を受けました。素朴の中に力強さが垣間見えるようなビジュアルと、優しくずっと聴いていたくなるような声に惹かれ、憧れから私自身も弾き語りのコピーをするようになりました。今の私の音楽活動の基盤とも言えるほど、YUIさんの存在は大きいです。

 
——続いて、影響を受けた楽曲を教えてください。

下鶴 :

THE YELLOW MONKEY – バラ色の日々
なんかヤバそうな見た目の日本人バンド、プラス出してるサウンドは洋楽級。これからもずーっと死ぬまで好きです。

 
 
Mihka! & Kyoto Black – Kodokushi
別にEDMはそんな好きじゃないんですがこれは全てがかっこいい。人を惹きつけるサウンドメイクだと思います。

 
 
the band apart – led
全員主役の名曲。秋を感じる。肌寒い11月ごろ、当時バイトに向かう自転車で何百回と聴きました。今はもうチャリに乗りながら音楽聴いたらダメですけど(笑)。

 
 
Pat Metheny Group – James
「えっ、ジャズなのにペンタ使えるの!?」っていう、僕にとってペンタトニックスケールの教科書です。

 
 
The Little Willies – Roly Poly
ノラちゃんがカントリーやるとこうなるんだぁ……という超オシャレなカントリーグループ。いろんな人がカバーしているこの曲が高度なカントリーギターに浸食されています。

 
 

ましろ:

YUI – I remember you
はじめて弾き語りを覚えた曲です。こういった切ない曲調がどうやら昔から好みのようです(笑)。

 
 
Joe Jonas – Gotta Find You
いとこが車で流していた曲。洋楽を聴くようになったきっかけの曲です。イントロのアコギで心奪われました。

 
 
Paramore – Decode
Paramoreは、YUI以外ではじめて好きになったバンドです。この曲は映画の主題歌になっていて、その宣伝CMをはじめて見た時、かっこよすぎてすぐにタワーレコードにサントラを探しにいった記憶があります(笑)。

 
 
クリープハイプ – おやすみ泣き声、さよなら歌姫
高校生の頃から、よく弾き語りでコピーをしていた楽曲です。

 
 
toe – two moons
toeの多くの楽曲に言えることですが、繊細な演奏をする楽器たちが重なり合うことで生まれる切なく哀愁漂うような表情があり、とても好みです。私自身歌うことが多いせいなのか、楽器のみで成り立っているインストバンドをよく聴きたくなります。

 
——お二人は音楽活動において、何か特に意識していることはありますか?

下鶴:本当に自分がやりたい事をやれているのかどうか、です。

ましろ:今私ができること、持っているものを最大限に活かすこと。私の耳を信じること、です。

 

——最近の国内音楽シーンについて、何か感じることはありますか?

下鶴 & ましろ:素晴らしい才能が溢れかえっていて、自由闊達なイメージがあります。僕らも頑張ろう。

 

——今後の活動予定や展望を教えてください。

下鶴 & ましろ:年内にまたリリースしたいと思っていますが、そろそろ、バンドセットで初ライブでもやってみようかと考えています。夏くらい?早急に考えます。

 

——最後にひとことメッセージをお願いします!

下鶴 & ましろ:ひっそりと自分たちのペースで1年間活動してきました。それにも関わらず、いろんな方が音源を聴いてくれて本当に嬉しいです。まだまだ作りたい音が頭の中にあるので、これからも楽しみにしていてください!

 

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