マダラ インタビュー |「普通の日本のバンドで終わりたくない」

2014.10.31


マダラ – L to R : 和田燎(Gt), 島田竜輔(Vo&Gt), 高清水完太(Dr), 袋本和寛(Ba)
 

結成から約1年で学生バンドコンテスト『Next Age Music Award』での優勝を決めた四人組ロックバンド、マダラ。11月12日に行われるTuneCore Japanアンバサダー主催イベント、「TUNE CONNECT」にも出演、ますます活動の勢いを増すマダラの4人に、音楽のルーツや『Next Age Music Award』での優勝についてなど語っていただきました。

 

マダラ結成の経緯

——本日はよろしくお願いします!まずは簡単に自己紹介をしていただいてもよろしいですか?

島田(Vo&Gt):ボーカルとギターをやっている島田竜輔です。(メンバーは)全員19歳の代になりますね。よろしくお願いします。

高清水(Dr.):ドラムをやっています、高清水完太っていいます。よろしくお願いします。

和田(Gt):ギターの和田と申します。よろしくお願いします。

島田:フルネームじゃなくていいの?(笑)

和田:あっ、和田燎です。よろしくお願いします。

袋本(Ba):ベース担当の袋本です。

高清水:フルネームじゃなくていいの?(笑)

袋本:袋本和寛です。えっと、19歳……嘘です(笑)。まだ18歳で、早生まれです。

——よろしくお願いします。ではまず、みなさんはどういったきっかけでマダラを結成されたのでしょうか?

島田:僕だけ違う高校だったんですよ、4人の中で。で、全員軽音楽部に入っていたんですけど、その高校の部活のつながりで、他校の軽音部の方々と合同ライブをさせていただく機会が結構あって、それとか(部活の)大会とかそういうものを通して、他校にこういうやつら(島田以外のメンバー)がいるってことを知って。高校時代っていうか、今って他校との交流がけっこう盛んなんですよ。で、じゃあ卒業したら(バンドを)組んでみようか、って話になって、お互い「コイツと(バンド)やってみたいな」って感じになって組んだバンドですね。

——バンド名の由来を聞いてもいいですか?

島田:はい、えーっと、語呂の良さです(笑)。

——確かに覚えやすい名前ですよね。

島田:(名前に)特に深い意味はなくて。ライブハウスでその日の出演者ってボードに書かれて(ライブハウスの入り口に)出るじゃないですか。あれ見たときに、(バンド名が)英語だと一発で読み方が分からないかな、っていう話になって。とにかく覚えやすくて、かっこいいバンド名がいいってなって。その時に、周りに名前が3文字でかっこいいバンドがけっこう多くて。とにかく3文字でかっこいいやつにしようと、パッと名前をいろいろ悩んで、考えて、これでいいんじゃね?って(マダラというバンド名に)なって。語呂の良さだけですね。

袋本:なんか(バンド名候補が)色々あったよね。ボツになったやつが・・・。

——ボツ案があったんですね。

袋本:「ライブハウス」ってやつがあって(笑)。

島田:さっき言った、ライブハウスのボードに名前書いてあった時にやっぱ覚えやすいやつがいいよねって言ってて、じゃあもう「ライブハウス」に・・・ってなって(笑)。

袋本:「ライブハウス」!?って(笑)。

高清水:「ライブハウス」にならなくてよかった(笑)。

——確かにマダラというバンド名、覚えやすいお名前だな、と思いました。SoundCloudにあげられている楽曲「愛の衝動」を聴かせていただいたのですが、楽曲もキャッチーで覚えやすいなぁという印象を受けました。普段は楽曲とか歌詞ってどのように作っていらっしゃいますか

島田:基本的には僕が、メロディーとか曲構成とか持ってきて、歌詞とかも僕が考えるんですけど、それに対してメンバーがいろんなアレンジを加えて、逆に「こういう展開とか加えてみてもいいんじゃない?」とか「こういうアレンジとかどうかな?」って感じで、僕の持ってきたものに対してメンバーがアレンジを加えて、みんなで作っていくって感じですね。

——なるほど。楽曲を作るうえで様々なアーティストに影響を受けてきたかと思われますが、影響を受けているアーティストや尊敬してるアーティストなどはいらっしゃいますか?

島田:4人とも漠然とはしているんですけど、「ロック」という言葉が好きで、(共通の認識として)ロックの方向に行こう!ってなっているんですけど、全員その方向に対するアプローチが全然違くて。僕はRed Hot Chili Peppersが一番好きなんですよ。で、ギターはブルースとかがすごい好きで、Steve Ray Vauganとかジミヘンとかその辺が好きで。ベースは割とファンクだとか。どうだ?ジャズ系?

袋本:最近好きだね。あとR&Bとか、Jamiroquaiとか好きですね。

高清水:僕はEDMとか、そういうダンスミュージックとかも好きですね。あとはドラマーだとVinnie Caraiutaって人が好きなので、そんな感じですかね。

——みなさんアプローチが全然違うんですね。そういった自分の好きなバンドとかを、普段はどのように聴いていらっしゃいますか?CDなり、デジタル配信なり、最近はいろいろありますけど。何で聴いていますかね?

島田:ってそんな歳変わらないじゃないですか(笑)。

——(笑)。みんな大学生なんですけどね。

島田:基本的には俺はCDとかでウォークマンに(曲を)入れちゃって、ネットで配信されてるものってあるじゃないですか。あんまりああいう系は使わずに、CDから取り込みますね。

——レンタルCDとか。

島田:そうですね。あとは図書館で借りてきたりだとか。

和田:俺まったく一緒。

袋本:それでも、あれだよね。(CDの)中でも好きなのは買っちゃうよね。

和田:ああ、うん。大体買う。

高清水:買った方がね、早いときってあるからさ。

島田:割とコアな奴だとレンタルとか置いてなかったりしますよね。

——そうですね。

島田:あとは欲しいのだと、例えば1回借りて、すげぇよかったらそれ買っちゃうとかもありますし。そんな感じですね。

——自分たちでCD作りたいとかっていうのもありますか?

島田:そうですね。

袋本:けっこうね、欲はあるよね。

——なるほど。

島田:近々作ってレコ発とかやれたらいいなって話はしてます。

——話は飛びますが、みなさんは何かバンド以外の活動ってしていますか。音楽以外の趣味とか。

島田:そんなにたくさん見れているわけではないんですけど、映画とかけっこうみるのが好きです。時間があったら見たいんですけど、最近はライブとかバンド活動が忙しかったんで、ちょっと最近はあまり見れていないところがありますけど。やっぱりその、生きているうえでも感じることって多いですけど、それでも1人の人間が短い間で生きている間で感じることって少ないじゃないですか。だから、俺、演劇とかにも興味あって、役者さんって演じることで違う人生を劇の中で体感することが出来るじゃないですか。だから割とそういうものにも興味ありますね。

——他人の人生をいっぺんに楽しめるというか。

島田:そうですね。それに感情移入してみて、うまくいけばその作品を糧にして、それが曲にできたりもするので。どう?

和田:俺?うーん、やっぱ、寝てます(笑)。

——寝るのは大事ですね(笑)。

和田:基本、寝るか、どっか行くかしかしないですね。

高清水:悲しいけど、俺もそうなんだよなぁ。

——(笑)。みなさん彼女とかいないんですか?

高清水:全員いないですね(笑)。

島田:このバンド始める時だってもうその辺からは割と遠ざかったじゃん。

和田:確かにね。

袋本:組まなきゃよかった(笑)。

島田:恋愛したい欲はめっちゃあるんですよ。俺は常時あるんですよ。さっき映画の話したじゃないですか。俺マンガとかも好きなんで、しょっちゅう最近ラブコメ読んでますからね。今『アイズ』(桂正和原作の漫画)ってやつ読んでて、あれ読んでいると、なんていうんですかね、恋愛とかしてないとそういう感情って忘れちゃうじゃないですか。だからやっぱ思い出さないといけないなぁというか。金木犀の匂い嗅ぐと恋愛したくなる(笑)。そういうところがありますね。あなたは?

袋本:私?私は、散歩とか好きですね。行ったことのない街とか歩くのが好きで。鎌倉とか好きです。バンドで行ったんですよ、1月に。俺、いろんなところ歩きたかったから江ノ電乗らずに歩こうよって言ったんですけど。

島田:交通費渋っただけじゃん(笑)。

袋本:そんなことはないよ!

高清水:いい方向に言ってるだけだよ(笑)。

袋本:それがなんか、気に食わなかったみたいですね。

島田:だってすごい歩かされたんですよ。意外と江ノ電の一駅一駅って短いけど歩くとけっこう時間かかるんですよ。

袋本:楽しいけどね。

島田:そうね。あとお寺とか見るの好きだよね。

袋本:そんな人に付き合ってくれる人はいないな(笑)。

 

Next Age Music Awardで優勝

——みなさんの素の一面が見られたところで話は変わりまして、マダラさんと言えば『Next Age Music Award(以下NAMA)』に優勝されましたね。おめでとうございます。

全員:ありがとうございます。

——総勢168組の頂点に立たれた感想はいかがですか?

島田:なんかよくわからなかったよね(笑)。びっくりしちゃいました。発表の時は大学で体育の授業を受けてたんですけど、俺、ステージでは調子乗ってるんですけど運動は全くできないんで。しかも全くできないソフトボールでボロボロになってました。周りがもう「アイツだめだ」みたいな空気になっているなかで、授業終わって携帯開いたら、(優勝を知って、)「両国行った~!!!」ってなって。そうしたら周りの空気があったかくなったので、「運動できなくても大丈夫なんだ」って優勝した時に思いました(笑)。

高清水:ネットで今まで見てたから、俺らは本当に優勝したんだろうかって思いました。やっと今こうやって実感がちょっとずつ沸いてきています。

和田:バイトしてて、休憩中に(バンドの)LINE見たら優勝を知って、おー!!!ってなりました。

袋本:本当にうれしかったですね。高校の時から自分以外のメンバーはやり手だったんですよ、大会とか出てて。自分はそんな派手に出る人じゃなかったから、こいつらよりも嬉しかったんじゃないかな、と自分では思ってます。

——『NAMA』に応募しようと思った理由というのは?

島田:このバンドでライブ慣れするために、ひたすらライブハウスに出ていたんですけど、そろそろなにか実績が欲しいって話になって。とにかくでかい大会に応募してみようってなったんですよ。で、最初『RO69』に応募しようとして、気づいたら応募期間過ぎてて(笑)。それでTwitterで回ってきた『NAMA』のことを知って、「5000人」ってワードと「両国国技館」ってワードと、過去に高校の先輩が優勝しているってのが決め手になって、応募しようと思いました。

——確かに5000人ってすごいですよね。なおかつ両国国技館で。

島田:想像できないですね。

——『NAMA』の審査の時の様子をお聞きしたいです。1次審査が音源審査、2次審査はライブ審査、3次審査はWeb投票とのことでしたが。

島田:1次の時は音源審査で、俺ら(音源を)応募したのが他のグループに比べてめっちゃ早かったんですよ。たぶん3番目くらいで。それで「俺らいけるんじゃね?」って感じになったんですけど、そしたら時間が経つにつれて応募がめちゃくちゃ増えてきて、「えーっ!?」ってなって、その中に知り合いもめっちゃ多いし、ビッグネームのバンドもいて、「これ勝てるのか?」って最初は思ってたんですよ。


で、1次審査通過して、一気に20組くらいに絞られたんでしたっけ。その数で1次通過したことを実感して。2次審査はライブ審査だったじゃないですか。2次に残ってたバンドがビックネームのバンドさんばっかりで、正直僕らも結成から日が浅いっていうのもあって、その中でどこまで見せつけられるかっていうのが自分たちでも半信半疑なところがあって。でも、精いっぱいやろうってなって(ライブを)やって。まさか3次に進出できるとは思っていなかったんで、最初は。そこでやっと「両国」ってワードに対して、グッと近づいてきたって感じがあったというか。

優勝はさっきも言ったとおり、信じられなかったですね。最後は僕らの力じゃなくて、投票だったので、ひたすらびっくりしたというか、嬉しかったですね。最後がライブ審査の大会って多いじゃないですか。最後は審査員の方々に評価されて優勝する、ってのが多いと思うんですけど、最後に一般の方たちが投票してくれて、一般の方の意志で選んでもらえたっていうのが、いろんな意味ですごくうれしかったです。

——自分たちが優勝できたのは、投票してくれた皆さんのおかげだ、みたいな。

島田:そうですね。ひたすらその思いが強くて、だからこそ最高のパフォーマンスをしてみんなを喜ばせたいな、という意思がすごく強いです。

 

10代の学生バンドマンからみた音楽シーン

——10代の学生バンドマンであるマダラさんから見て、最近の音楽シーンに感じることって何かありますか?

島田:僕は、前は日本の音楽はやばいんじゃないかなって思っていたんですけど、まぁ、やばいことに変わりはないと思うんですけど、アーティスト個人個人がが生きていく方法を模索して見つけていかないと結果的にだめなんじゃないかっていうか、売れないのは個人の責任じゃないかなって思ってきていて。自主的にレーベルを立ち上げて成功しているバンドさんとかってたくさんいるじゃないですか今って。だから時代時代に合った生き方っていうのは探って見つけていかないといかないなと思うし、だからこそCDが売れないってのもあると思うんですけど、CDがだめならほかにライブとか物販とかいろいろあると思うんですけど、音楽を売らないといけないっていうのは前提だと思うんですけど、生きのこり方っていうのは自分たちで見つけていかないといけないのかなって思いますね。

和田:俺らが言えることでもないけど、昔だったら90年代とかだったら今よりは質の高い音楽はあったけど、今は良くも悪くもデジタル志向だし、ブルースとかブラックジャズとかアンダーグラウンドなところで活躍してた人たちにはスポットは浴びないし、結局、ポップスやらそのあたりの曲が流行るのは微妙かなって思いますけど、いろんな音楽が売れたほうがいいなと思いますね。日本にもいろんないい音楽があるので。

高清水:確かに宣伝されて聴かされているってイメージの方が強い気がしますね、個人的には。これが今メディアで流行っているし、テレビ出たからこれがきてるんだよ、っていう音楽しか今、この世代とかでも聴けてなくて、それがもったいないな、と思っていますね。

島田:自分から探りに行くって姿勢がないといけないと思うんですよ、音楽に対して。でも日本人は割とその辺に関してはちょっと疎いのかな、って。

袋本:例えばアメフトの試合だって音楽で盛り上がってから始まったりするけど、日本は娯楽で一体になるってことがあまりない気がする。音楽っていうものがそもそも娯楽の中であんまりなのかなって思います。

高清水:世の中で必要とされている割には、脚光を浴びないというか、夢を持っていてもそんなに応援されないのが事実で、学校とかでも煙たがれるってのが割とありますね。

袋本:コアなの知ってるとさ、「なにあいつ」って(変な空気に)なるよね。


——普段はどうやって音楽を探してますか?

島田:僕は、ルーツとかもどんどん探っていかないといけないと思うんですけど、時代の流行り、も理解しないと乗り遅れるというか、空気読めない一方なので、時代としての流行りは雑誌とかを見て意識したりはしているんですけど、けっこうケーブルテレビとかでも音楽専門のチャンネルとかってあるじゃないですか『ミュージックエアー』とか。あの辺は海外とかでもライブ映像とかけっこういいのが流れてたりしていて、そういうのを見てこういうアーティストがいるんだって思ったりとか、年上の人とかに「どういうアーティストがいますかね?」みたいな感じで(聞いてみたりして)、自分より長く生きている人に教えてもらわないといけないなって思いますね。

和田:年上の40(歳)とか50(歳)の人に聞いたりとかしてたんですけど、最近の流行ってる曲とかは全然知らなくて、それはさっきこいつ(島田)が言っていたように、現代のニーズに合わせた上で、古き良き要素も足せたらなって思っているので、最近の流行りもチェックしないといけないと思います。

——ネットで探したりとかはいかがでしょうか?

島田:全然します。

——音楽メディア、情報を発信してくれるネット上の媒体でチェックしているものってありますか?

高清水:ナタリーは見てますね。

和田:AMASSは結構見てます。

島田:雑誌でもありますけど、『ロッキン・オン』とかはよく見ていますね。そこからはかなり(情報を)もらいますね。

 

今後の活動について

——では、今後の活動について聞いてみたいなと思います。皆さんは現在、活動拠点ってどのあたりになるんですかね

島田:あんまり定まってなくて、関東圏内って感じなんですけど、で、まあ全然住んでいるところが近いってわけでもないんですけど、割と吉祥寺とかで、一番安心してやれるのが吉祥寺プラネットKとか。新宿Marbleとかにも出ますし、時々横浜の関内(横浜ベイジャングル)とかにも出ますし。安心してやれる拠点みたいなところは何個か欲しいなとは思うんですけど、まぁ広く、そのうちツアーとかしたいですね。

——ツアーはこれからという感じ?

島田:そこはあくまで通過点としてやっていかなきゃいけないなと。それこそ同年代でもたくさんやっている人いるので。着手していかなきゃいけないなと思いますね。

——海外とかはどうですか?

島田:バリバリ興味ありますね(笑)。あんまり生意気なことは言えないんですけど、でも、日本から出て本当に海外で支持されているアーティストっているのかなって思ってて。個人とか、楽器の演奏者としてとかだったらときどき居たりするじゃないですか。でもバンドってなると、日の目を浴びる形ではあんまり海外では評価されていないのかなと思ってて。そういう意味でも意識しているところがありますね。生意気な言い方すると、普通の日本のバンドで終わりたくないって意識がありますね。

——では最後になりますが、まずは11月16日の両国国技館で行われる『AGESTOCK2014』についての意気込みをお聞かせください。

島田:5000人を“踊らせたい”ですね。モッシュとか音楽に対して盛り上がる方法っていろいろあると思うんですけど、“踊る”ってワードに対して憧れがあって。踊らせたいですね。


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この記事の執筆者

TuneCore Japan Official Ambassador

TuneCore Japan 公認 学生アンバサダー

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