【このリリースがすごい!】ラストランプ「エンメイ」 | バンド第二期への高揚感を煽る爽快なキラーチューン
音楽ファンは要チェック、注目のリリースをレビューする特集企画『このリリースがすごい!』。今回は、ラストランプのシングル「エンメイ」を紹介。
2026年4月3日、東京を拠点に活動する4人組バンド・ラストランプが、デジタルシングル「エンメイ」をリリースした。公式プロフィールでは、彼女たちは「だれかのドラマを歌にするバンド」と紹介されている。2021年11月に結成され、2024年に1stフルアルバム『LASTLAMP-I』、2025年にEP『白夏』と作品を重ねてきたバンドである。そのうえで、メンバー卒業と新メンバー加入を経て、2026年から第二期として動き出した彼女たちが、新体制の入口に置いたのがこの「エンメイ」だ。
カタカナ「エンメイ」が持つ両義性 ――― この「エンメイ」を「このリリースがすごい!」に選んだ理由として、「エンメイ」は奥深い楽曲だと感じる部分が大きい。というのも、今作は「エンメイ」というカタカナ表記のタイトルになっていて、ここに良い意味での引っかかりを覚えたのだ。実際、タイトルをカタカナにすることで、複数の意味合いで解釈することができる。「エンメイ」というワードを見て、最初に思い浮かんだのは「延命」というワードだ。
仮に「延命」として考えたとして、「延命」というワードチョイスがもうすでに面白い。なんせ、この言葉を象徴的に使用する楽曲って思いつかず、なぜこのワードを使用したのかを考えるとなんだかワクワクする。そのときに頭によぎるのは、新体制で活動をはじめたラストランプの決意だ。
まあ、実際はそもそも「エンメイ」に“延命”の意図はなく、別の意図でこのカタカナを使っている可能性だってある。歌詞を読むと「スマホ」というワードが使われていることからも、日常の恋愛ソングと捉えることができるわけで、もっと別軸でこのカタカナを捉えなおす余地もある。
先ほどまで書いたこの歌の見方は深読みかもしれないし、まったくトンチンカンなことを言っているかもしれない。大事なのは正しいかどうかではなく、色んな見方ができて面白いし、刺激的だと感じるという点。
自分はその点だけでも、「エンメイ」は「このリリースがすごい!」だと考えたわけだ。
楽曲全体としても聴き応えがある。「エンメイ」は爽快なギターロックという印象が強く、ビート全体は疾走感がある。ギターのフレーズも印象深いものが多く、ベースもドラムも細かいアプローチを随所に取り込んでテンポ感のあるダイナミックさを生み出す。そのうえで、Aメロ・Bメロ・サビのメリハリが鮮やかで、実にキャッチー。サビで「わかりやすく盛り上がれる」。平たく言えば、聴いていて気持ち良い。こういう手触りのギターロックが好物の人には、どこまでも刺さる音楽だと感じる。
また、攻撃力のあるサウンドの中、凛としたボーカルが真っ直ぐ耳に飛び込むのも良い。ボーカルと楽器隊の音が、同じ高さでぶつかることなく届くので、歌詞が浮かび上がりやすいのも特徴。だからこそ、冒頭で述べた「ドラマ」がよぎりやすいのかなと思う。
疾走感のあるビートメイクと、隙のないバンドアンサンブル、そしてボーカルのパンチ力、鮮やかな描写が詰め込まれた音楽世界で構成された「エンメイ」という楽曲だから感じる高揚感なのかなと思う。ともかくも、ラストランプの第二章から、目が離せない楽曲だと感じた。
