EZYPT インタビュー |「あるものを作っても面白くない」エレクトロ歌謡界の新星、キラキラあばずれゴージャスお祭りバンド

2015.7.7


EZYPT
EZYPT
 

時は紀元前。エジプトにて結成し、ヨーロッパを迂回しシルクロードを経て花の都、新宿に到着。都内のクラブを中心に活動し、5月には東名阪での「ダサいいツアー」を終えた三人組エレクトロ歌謡バンドEZYPT。その実態について、結成から曲作り、ライブや今後の展望までお伺いしました。


——まず自己紹介をお願いします。

ファラオ: EZYPT(エジプト)といいまして、僕がファラオ、あとはこちら二人がパトラと、ピラミーちゃんですね。ポジション的には僕が曲を作って、歌詞はパトラと二人で考えて、歌って、ピラミーちゃんがドラム叩いたり、DJをしたりする体制ですね。で、パトラがリーダー。

パトラ: 裏番長と呼ばれてます。(笑)

 


L to R : ファラオ,パトラ
 

——グループ名がEZYPTなのはどうしてなんですか?

ファラオ:僕ら紀元前から日本のバブルを取り戻すためにやって来たつもりでいるんですけど、、(笑)。

パトラ :“エジプト”にしたのは、響きがかっこいいなって思っただけなんです。全然エジプトに・・・

パトラファラオ:縁もゆかりもない(笑)。

パトラ:行ったこともない(笑)。かっこいいなって思って。とりあえず。

——みなさんが結成された経緯というと。

ファラオ:じゃあ現世の話で言えばいいかな。

パトラファラオ:現世だと・・・。(笑)

——(笑)。

ファラオ : 現世だと、僕らファラオとパトラが、服飾の学校で友達だったんですね。で僕はもとからずっとバンドをやってたんですけど、すごいかっこつけのバンドだったんですよ。よくあるようなバンドで、面白くもないなと思っていて。。その後僕が打ち込みが出来るようになって、パトラと遊んでるときにちょっと録ってみようみたいな感じで、遊びですよほんと。で作った最初の曲が「UIRO(ういろう)」って曲なんです。

——今とはまた全然違う感じなんですか?

ファラオ : いや、けっこう今と原形は近いんですけど。「UIRO」って曲を作ったときは、何か楽しいね、くらいだったんですけど、またちょいちょい作ってたら、まわりの人も「良いね!」って言ってくれるようになって。でそれは公には出してないんですけど、そのあとに「EZYPT」って曲を作ったんですよ。でそれを当時my spaceで出したときに、結構本当に“音楽好き”みたいな人が「あれかっこいいね」って言ってくれて。でライブがトントンって決まって、もうバンドは辞めて、EZYPTを。

——ピラミーちゃんはどこで合流されたんですか?

ファラオ: でも2回目のライブのときくらいにはいたよね。そうそう、最初は2人だったんですけど、あとからピラミーちゃんも合流してましたね。(ピラミッドの)形も今よりもうちょっと平面でしたね。で、だんだん立体的になってきて・・・。


ピラミーちゃん
 

——すごく気になっているんですけど、それって重くないんですか?

ファラオ: まあ、顔ですから。重いとかの問題ではないよね。(笑)

——(笑)。ファラオさんが、パトラさんと音楽を始めようと思ったきっかけっていうのは。

ファラオ : 何かよく、「あたし、歌が歌いたい!」みたいな人いると思うんですけど、僕そういうすごい熱い人が嫌で、それが(パトラは)遊び感覚でやってられたので、良かったんです。

——音楽は、人前で歌うとかそういうのは何歳くらいから始められてたんですか?

パトラ: べつにそんな経験もないですけど、なんか小さい頃から、昔のアイドルとか物真似とかするのが好きでしたね。一人でカラオケ行くのが昔から趣味だったんですよ。

——たとえばアイドルっていうとどんな方でしょう?

パトラ : 工藤静香とか。

ファラオ: めっちゃ上手いんですよ工藤静香。ホントに。一緒に行きます?今度。(笑)

——ぜひ行きたいです(笑)

 

——ジャンルとしては“歌謡エレクトロ”、ですよね。

ファラオ : 歌謡っていうか、そうなっちゃったんですよね。何か歌謡エレクトロっていうのも、自分らでつけたんですけど、何か「ジャンルって何ですか」って絶対よく聞かれるじゃないですか。でもたぶん見たらちょっとわかると思うんですけど、僕らも説明しにくい。僕らのやっているものが。で最初、“何か”って位置づけるのも嫌だなぁって思って。“ロックです”とか。“エレクトロです”とか。“テクノです”とか。でもそれだと、さすがにちょっとみんながわかりにくいんじゃないのかなと思って、一応”歌謡エレクトロ”っていう風にはしました。


ファラオ
 

パトラ : エレクトロ歌謡ポップ。

ファラオ: っていうのを作りました。自分らで。分かりやすい感じでね。ジャンルというか、でももう、僕“EZYPT”をやりたいんですよ。だから衣装とかも全部作ったりとか、全部1からやりたいっていう。

パトラ: これからまた変わるかもしれないしね。これからすごいロックなことやってみるかもしれないし。

 

——最新曲が「EDM」なんですけど、本当にもう第一印象が「面白い!」でした。(笑)

パトラ : えー嬉しい!

——タイトルも、「EDM」っていわゆる音楽ジャンルのエレクトロダンスミュージックの略かと思いきや、“エジプトダサい〇〇”の略っていう。

ファラオ : ジャンルでいうEDMって、結構好きな人と嫌いな人に分かれると思うんですよ。で、僕は別にそんなに興味ないんですけど。まあ、クラブとかで流れたら僕は踊っちゃうと思いますけどね。なので、EDMをあんまり好まない人でも入っていけるし、EDMが好きな人にも音的には好きかなっていう、どっちにもいける曲を、という思いで作りました。

——そうなんですね。言葉の響きとかもすごい好きです。“ラブレタフロムカナダ”とか。

ファラオ : でも、そこわかります?その歌知ってます?

パトラ : 昔のあるデュエットソングのタイトルなんですよ。

ファラオ : かなり古いです。

——初めて知りました。。発音もすごく好きです。

パトラ : すごい何度もやったもんね(笑)。

 
——「EDM」を聴いていて歌詞のリズムが良いなぁと思ったのですが、曲が先で、リズムに合うように歌詞を作られてるんですか?

ファラオ: そうですね。歌詞はファラオとパトラ二人で考えるんですけど、やっぱ面白いのじゃないとダメなので、もう大爆笑しながら二人でやってますよ。大爆笑したやつが、採用になりますね。大体(笑)。
もう、暗いのは嫌ですね。ポジティブ!(笑)。あとは愛だのとか恋だのっていうのはちょっと気持ち悪いんで、ラブソングも禁止ですね。

——禁止なんですか?

ファラオ : 禁止です。バラード禁止ですね。

——それはどうして?

ファラオ : バラード・・・一応禁止になってますよね。作る?(笑)でもたぶんバラード作っても、EDMみたいな、あえてのバラードになりますよ。パトラさんのOKが出るかはわかんないんですけどそこは。

——それは今後もしかしたらあるかもしれないですね。

 
——MVについてお伺いしたいのですが、結構いつもシュールなMVですよね。

ファラオ : EZYPTのマネージャーで、フランス人のニルスっていう方がいるんですけど、その方が結構指示を与えてくれていて。でその方はちゃんとクオリティを求めるというか、向こうの音楽を知ってるんで、やっぱただ単にずーっと弾いてるような映像は絶対面白くないから撮っちゃダメ、って常に言ってますね。

——あれはそういった海外からの刺激もあってのMVなんですね。

ファラオ : でもあれは良しとされてないですよね。まだ全然。あれでもクオリティが低いと。まあ僕らもそれはわかってるんですけど。。まあだから次とか、良いのを撮れたらなと思いつつ。

パトラ : あと、そもそもライブに来るお客さんがダンスとか覚えてくれたら良いなと思って、ダンスを見せたいMVになっていますね。

——ダンスはどう考えてるんですか?

ファラオ: ダンスも二人で振り付けを考えてますね。何か、ダンサーとかの踊りも僕は嫌いなんですよ。何かもうすでにあることをするのが嫌なんです。その踊り見たことあるなぁとか、何となく見たことあるっていうのがほんとに嫌なんで、自分で全部作らないと気が済まないっていう。だからああいうダンスになります。それもいつも爆笑しながら考えて、爆笑したやつを取り入れて行くっていう。

——爆笑しながら、って素敵ですね。曲作りもMV作りも、すごく楽しそうな雰囲気が伺えます。

 
——ライブでは、レーザーとかは積極的に使われてたりしますよね。

パトラ : 派手な方が盛りあがるから。見た目大事ですね。

ファラオ : 見た目でいうとライブの衣装も派手かもね。あれも作ってもらってるんですけど。派手ですね。

パトラ: そうそう、ライブは楽しく面白くっていうのがね。アー写とかでは結構かっこつけてるけど、ライブは結構距離感近めに。

ファラオ: 最初とかMCなかったんですよ。もう無言だったよね。

——それは意外です。変えようと思ったきっかけというのは。

ファラオ : いやたまたま、名古屋にライブしに行ったときに、何かしゃべってみようかってなって、せっかく名古屋に行くし。名古屋の人来てくれるし。そしたら割と好評で。しゃべった方がいいんじゃない?みたいな。そっからもうしゃべり出してたよね。笑

ファラオ : いつもMC内で、イケメンランキングっていうのをやるんですよ、その場にいるお客さんに。

——お客さんに?

ファラオ : ステージの上からファラオとパトラがジャッジして、お客さんの中から今日のイケメンを選んで、缶バッジをプレゼントして、記念撮影をするっていう。(笑)

パトラ : すごい自己満。(笑)

ファラオ : 一番盛りあがりますね。(笑)

——本当に楽しそうです。

 
パトラ : あんまり音楽やりっ放しでもお客さん飽きちゃうしね。ずっと踊ってても疲れちゃう。(笑)

ファラオ: 大体踊ってるんで。ゼーゼーのハーハーですよね。

——じゃあお客さんもずっと踊ってる雰囲気なんですね。

パトラ : それが理想ではありますね。でもライブハウスのお客さんってなかなかしないじゃないですか。だから、何とか踊らせるよう頑張ってます(笑)

ファラオ : あと、前に1回フランスのパリでライブやったんですよ。やっぱり外人の方たちは踊る習慣があるんで、もうあれこそナチュラルに踊ってますけど、日本でもそういうことになったら良いなぁと思って。までも日本の方ってやっぱり結構抵抗はあるじゃないですか。だからそれをなくして、みんなで踊れたら良いなぁっていう。

——そうですね。フランスでのライブの話が今出ましたが、そのライブはどんな感じだったんですか?

ファラオ : 何かバーカウンターの中にいる人たちも何か踊り出しちゃうみたいな。みんな踊ってたんで、すごい楽しかったですね。でも、すごいJ-POPだなと思いましたけどね。自分たちが。

——向こうのバンドとの交流とかはあったりしました?

ファラオ : しゃべったりしましたね。そのイベントをやっていた側の人たちとはそのあとも連絡をとってます。何かEZYPTのリミックスをしたい、とか言ってくれたりとかで。

——じゃあ今後も関わっていく感じでもあるんですね。

ファラオ : そうですね。あとまあ、また行きたいよね。海外でやりたいですね。

 
——先ほどお話しがあったように、今後の展望としては、海外も視野に入っていますか?

ファラオ: そうですね。やっぱ海外で通用しないと納得いかないですよね。日本でも、そりゃいいんですけど。一番上がいいですよね。まあ難しいんですけど。。J-POPな感じでいくと、海外の人は全然興味がないので。行ってみて感じましたが、日本にまず興味がない。日本について何知ってる?って言っても、まあアニメとかは知ってますけど、音楽は全然。

——そういった海外に向けて、どういうアピールをしていきたいですか?

ファラオ : どうですかね。やっぱでも曲がセンスが良くないと海外だと認めてもらえないし。あとはもう見た目とかも、ホントにイケてないと。そこで見た目でいうと、やっぱピラミーちゃんとかも、すごい海外の人が反応するんですよ。普通に日本で路上とかでやってるときも、外人は絶対写真撮ったりするよね。こないだもきゃーって絡まれてて。

パトラ : あとクオリティをあんま日本人目線にしすぎると良くないかな、とは思いますね。

ファラオ : そこでニルスがいるのはやっぱ良いですね。

L to R : ピラミーちゃん,ファラオ

 
——では先ほど海外の話が出ましたが、今後の展望などは?

ファラオ : MVとかもクオリティの高いモノを作ったり、、あとグッズとかもね。もっとEZYPTで音楽だけじゃないことをしたい。服とかも全部でEZYPTなんで、まあ新曲も作り、衣装も作り。遊び。(笑)

パトラ : いろんなところでライブしたいですね!

——前にネットラジオで、ちょうど海でライブしたいってお聞きしました。

ファラオ : ああ!海。海どこかないですか?(笑)難しいですよね。。でもホント夏が好きなんで、海とかでやれたら良いですよね。

——海でやるとしたら、どういったパフォーマンスをしたいですか?

ファラオ : まあチャラっチャラな感じが良いよね。(笑)いや楽しそうですね!

——それはじゃあ近いうちに。

パトラ : 実現できるかな。

ファラオ : やりましょう。(笑)

——では最後にメッセージを・

ファラオ : やっぱライブじゃないと伝わらないことが多すぎるので、ほんっとに見て欲しいですね。嫌ならもう来なくていいんで。1回見て・・・いやぁでも来て欲しいですね。(笑)

パトラ : はい。皆を楽しませようと頑張ってます!

ファラオ : そうですね。最高のエンターテインメントになるようにやってますんで、お付き合いください!


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この記事の執筆者

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TuneCore Japan 公認 学生アンバサダー

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