RINOH ( Fresh Dude Crew) インタビュー |「僕の曲を聴いて”音楽が好きになった”と思ってもらえるように」トロントでキャリアを磨くグローバル目線のアーティスト【Who’s NXT】

2019.7.21

要注目のup-and-comerアーティストをエディターピックアップ = Who’s NXT(next)

今回の Who’s NXT アーティストは、現在はトロントに拠点をかまえながら、Fresh Dude Crewのメンバーとして、また相棒であるKenayeboiとともにアクティブに音楽活動を行う RINOH


RINOH ( Fresh Dude Crew)

—— RINOHさんの現在の活動状況を教えてください。

Fresh Dude CrewのRINOH (前の名前は 23vrsz)です。相方はKenayeboiです。

Fresh Dude Crewは10数名程で構成されているスケートクルーです。スケートブランドとしてアパレルを展開しているのが主な活動で、その一環で各々が活動しており、全員がスケーターでありながら、ラッパー、セレクター、DJ、デザイナー、フィルマー等で構成されたクルーです。クルーのはじまりとしては、みんな大学が一緒だったことから始まりました。


Fresh Dude Crew

 
——RINOHさんのバックグラウンドは?

地元は大阪府柏原市です。年齢は1992年生まれで今26歳です。柏原は奈良に近いんで奈良県だと思われがちなんですけど、大阪です(笑)。

中学で不良に出会い、高校でラップに出会い、大学でFresh Dude Crewのメンバーに出会いました。

大学を卒業した後、レッドブルジャパンのマーケティング部署で約5年間外資系サラリーマンとして働きながら、並行して音楽活動を行ってきました。レッドブルでは主に学生マーケティングとカルチャーマーケティングをやっていましたね。

それで、今年レッドブルを退社し「音楽だけで生きていきたい」と思ってトロントに修行しにきました(←今ココ)。


【Who’s NXT】RINOH ( Fresh Dude Crew)

 
——音楽に興味を持ったきっかけというのは?

子供の頃は、父親がウクレレでエリッククラプトンの「Tears In Heaven」という曲を聴かせながら僕を寝かしつけてくれた記憶があって、それが音楽を好きになったきっかけだと思います。今思えば、あの曲はたしかエリッククラプトンの息子が死んだときの曲だった気がするんですけど…(泣)。

でも安心して寝れた記憶があり、大好きな曲です。

 
「Tears In Heaven」Eric Clapton

 
——自ら音楽をやることになった経緯は?

大学のとき、当初FDC(Fresh Dude Crew)はいわゆる普通のスケートクルーでしかなくて、自分はFDCの一員でありながらスケートはみんなほどうまくなかったんです。でも自分が最大限に力を発揮できる事でFDCに貢献したいと思って、それが音楽活動をするきっかけになりました。

その頃Kenayeboiとルームシェアしていて、遊びで一緒に曲を作ってたので自然と音楽活動の相方としてKenayeboiを誘いました。


【Who’s NXT】RINOH ( Fresh Dude Crew)

 
個人的には高校生の時から曲作りはしていたんですけど、2016年までちゃんと曲をリリースしたことがなくて。それで、2016年に自分の誕生日である11月10日に初MV「MAINICHI」をYouTubeにアップして、そこからすべてが始まった感じですね。

 
”MAINICHI” 23vrsz prod. BYOU$

 
その頃から、Jin DoggやBK、Cz TIGERは身近な友達としてまわりにいたので、気づけばラップする環境にいたという感じです。今思えば、10年くらい前から音楽をやってて知っている友達がBigになっていってるんで、すごく恵まれた環境にいると思ってます。

彼らとの長年の付き合いもあって、「AM 2:00」という名曲ができたと思っています。とてもいい曲だと思うので、まだ知らない方にはぜひ聴いてほしいなと思います。

 
Jin Dogg – AM 2:00 feat. 23vrsz (Official Music Video)


【Who’s NXT】RINOH ( Fresh Dude Crew)

【Who’s NXT】RINOH ( Fresh Dude Crew)

【Who's NXT】RINOH ( Fresh Dude Crew)

【Who's NXT】RINOH ( Fresh Dude Crew)

【Who's NXT】RINOH ( Fresh Dude Crew)

 
——最新作は5月24日にリリースされた4th EP『Down 2 Earth』なりますか?

そうですね。『Down 2 Earth』に関していうと、全6曲からなるまさに自分だけの音楽ジャンル “璃能”(RINOH) としか表現できないような、他に無い独特な作品に仕上がっていると思います。プロデュースは全曲、海外でも評価の高いYenyenです。

『Down 2 Earth』 各配信ストア : https://linkco.re/RevbahCF

 
『Down 2 Earth』収録曲のうち3曲はトロントに来てから制作したもので、それらの曲のMVもトロントで撮影し、自分たちで制作しました。EPのジャケットも自分たちで手がけました。

海外にきて見て感じたことをそのまま表現した作品になっているんで、日本にいながらも、トロントを感じられる作品になっているかなと。本当にゼロから僕とYenyenだけで作ったので、思い入れのある作品の一つですね。

 
——他にこれまででおすすめ、あるいは思い入れのある作品をあげるなら?

自分がリリースした曲は全ておすすめなのですが…強いて言うなら、1st EPの『Late Summer』です。

夏の終わりを感じさせるとてもchillな作品ですね。リリースされたのは約1年前なんですけど、未来予想図的な内容の曲になっていて、今となると『Late Summer』で言ってるような事が実現してることも多々あって、個人的には「想い続ければ叶うんやな」と思える作品になっています。

『Late Summer』 各配信ストア : https://linkco.re/xhSg00mV

 
ちなみに、『Late Summer』のジャケットはパリの人気タトゥーアーティスト BURAKA にオリジナルデザインしてもらったもので、すごく気に入っています。


【Who's NXT】RINOH ( Fresh Dude Crew)
『Late Summer』アートワーク

 
あと自分のEPは、どれもさくっと聴ける仕上がりなので、ぜひゆっくりとした時間に聴いてもらえればと思います。

 
——楽曲の制作はどのようにされていますか?

トロントでも日本でもあまり変わらないスタイルなのですが、自分の部屋でGarageBandで自分でレコーディングしています。日本にいる時は、大阪のHIBRID ENTERTAINMENTや神戸のKITCHEN HOUSEでレコーディングしたりもしていました。

今は、Yenyenがビートを送ってくれて、それをトロントでレコーディングして、その後マスタリングしてもらっていう流れでやっています。リリースの配信の手続き等は自分でやっています。

 
——活動において、RINOHさん自身はどういったところが特徴的だと思われますか?

僕の音楽活動の特徴は、最小限の人数・最低限のツール・最小コストの中で、アイデアによって最大限にレバレッジを効かせて活動している事だと思います。

さっき言ったようなGarageBandでのレコーディングだったり、MV撮影もiPhoneもしくは、MINI DVD CAMERA(トロントで買った20ドルのカメラ)を使って、iMovieで編集したり。編集もアプリを使いながら自ら行いますし。そういうやり方だとしても、クオリティは追求して、ちゃんと現地で体感したことも反映しているというか。

楽曲制作で意識していることは、僕の曲を聴いて「音楽が好きになった」と思ってもらえるような、音楽好きへの入り口になれるような曲作りを心がけています。また、自分より上の世代の方々にも聴いてもらえるような曲を作っているところも自分らしいかなと思います。

 
coldromanceboi – ”LOVE PSYCHEDELIC”

 
僕の楽曲って、どちらかというとchillな曲が多くて、ラップというより「韻を踏んだ歌?」くらいの雰囲気かなと。なので、クラブで流してもらえるのも、もちろん嬉しいんですけど、散歩やドライブ、チルしているときにもマッチするというか、きっと気持ち良く聴いてもらえると思います。

 
——RINOHさんが影響を受けたアーティストは?

一番影響を受けたのは、忌野清志郎です。初めてTHE TIMERSを見た時は衝撃でした。腐った大人の多い日本社会にうんざりしていて、ひっくり返したいっていう気持ちがあったので、「下手に政治家なんかより音楽の方が世の中変える力がある」って彼を見て確信出来たので、本当に好きになりました。

また、細野晴巨、忌野清志郎、坂本冬美からなる HIS も大好きです。ほとんどエロかW**dを歌った曲ですけど(笑)。初めてHISを聴いた時はまだ小学生で、そこまで衝撃はなかったんですけど、今になってやっとリリックの意味が分かり、かなり衝撃的でした。表現の自由を体感したような気がしたというか。

他に影響を受けたアーティストは小野リサですね。彼女の歌唱力は最強だと思いますし、大好きな曲がたくさんあります。ボサノヴァって男性より女性が歌う方が向いている音楽だと僕は考えているんですけど、ちょっと自分ならできるかなって、トライしようということで、
アムステルダムから帰ってきたタイミングで 「AMS」という曲を作りました。「AMS」は “ボサノヴァトラップ” とも言える作品になっていて、彼女からの影響も垣間見えると思います。多分 “ボサノヴァトラップ” を掲げたのは日本で僕が最初じゃないかな(笑)。

「AMS」 各配信ストア : https://linkco.re/C7c5ZpPP

 
海外のアーティストでいうと、スペインのPimp Flacoからは、ファッション、音楽ともにかなり影響を受けました。ヨーロッパのトラップアーティストは大好きですね。

 
Pimp Flaco – Nuse (Video Oficial)

 
 


【Who’s NXT】RINOH ( Fresh Dude Crew)

 


【Who’s NXT】RINOH ( Fresh Dude Crew)

 
——他には、どういった楽曲から影響を受けてきましたか?

「Turn Your Lights Down Low」Bob Marley Featuring Lauryn Hill

 
「Tears In Heaven」Eric Clapton

 
この2曲はよく実家のリビングで流れていたから落ち着く曲で大好きです。

 
 
「Rehab」Amy Winehouse

 
「Back To Black」Amy Winehouse

 
曲全体から漂うillな感じが僕には綺麗に聴こえるので、大好きです。

 
他に、新しい曲でも数えきれない程あります。最近は、トロントもテクノやハウスが熱いので、テクノやハウスばっかり聴いています(笑)。遊びにいくクラブも最近はテクノかハウスばかりです…

 
——音楽活動にあたって意識していることはありますか?

高校生の時のBKに、「ラップは下手ではないけど、リリックの生まれる生活してへんわ、お前」と言われたことがあったんです。その時はその言葉の意味が分からなくて… 当時は「もっとサグい毎日を送れ」という意味かと思っていたんですけど、実際は、「充実した毎日を送れ」という意味だったんだなと今は理解していて、今でもすごく印象に残っている言葉です。

その言葉の本当の意味を理解してからは、常に進化したリリックが書けるよう色んな場所に行ったり、リリックの生まれる生活をするよう心がけています。それは、言うなれば「感じたまま、思ったまま書く」というスタイルで。だから、リアルな事しか書きませんし、流行や周りを気にすることもなくて。今自分が書きたいこと、乗りたい音に素直になって活動しています。


【Who’s NXT】RINOH ( Fresh Dude Crew)

 
——そういった意識の中で、リスペクトするアーティストはいますか?

やっぱり相方のKenayeboiはリスペクトしています!最初で最後の最強な相方だし、彼のおかげで今も楽しく過ごせています。


【Who’s NXT】RINOH ( Fresh Dude Crew)
Kenayeboi & RINOH

 
また、Kichen Kも人として尊敬出来ることが多く、いつも感謝していますし、僕らがトラップをし始めた時からいろんなアドバイスや意見をくれるYoung Cocoに対しても、彼の世界へ近づく一つ一つの動きはすごく尊敬しています。彼らとトロントでライブできたら最高なんで実現させたいですね。

あと、さっき言ったタトゥーアーティストのBURAKAもすごい尊敬してて。自分のジャケやアー写のデザインをはじめ、実際にタトゥーを入れてもらってますし、彼女の世界感やブランディングは本当にかっこよくて、最高です。実際に会ってもすごくフランクな方だし、そうありながらかなりギークな魅力も兼ね備えているアーティストで。彼女のタトゥーは、$uicideboy$ や Rejjie Snowやハリウッド女優からも愛されていて、彼らも入れてますね。日本人はまだ僕だけで、なぜか縁があってサポートしてもらっています。あのANARCHYさんもBURAKAのファンだそうです。

 

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🎞 @evil.wayz #burakatattooflash

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——今トロントに来てみて、そういう海外の視点から改めて国内の音楽シーンを見てみて、どう感じますか?

やっぱり自分が高校生だったときは、ヒップホップはアンダーグラウンドの音楽でしかなかったと思うんですけど、今は日本でもメジャー音楽になりつつあってシーンとしてすごく変化したなと思います。ただ、進化した裏側にはヒップホップというジャンルの成長とともに、ジャンルレスが進んだ結果もあるなと。だから、今の国内シーンもいずれラッパーの飽和状態になると思われるので、そこで、ジャンルにとらわれず自分を確立した者だけが残れるシーンになるだろうなとも思います。

また日本は海外からの注目度も増してきているので、全体的にもっとインターナショナルな動きが大きくなればいいなと感じますね。そこには、当たり前ですけど、日本人がもっと英語を話せたら変わってくる部分もあるかなと。


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——今後の活動の展望や予定は?

トロントにいる間にライブを実現させることと、海外アーティストとの楽曲制作及びMV制作はやっていきたいですね。帰国してからは、47都道府県制覇ライブをやりたいなと思ってます(是非ブッキングよろしくお願いします!)。ソロでは定期的に新曲はリリースしていきますし、今後の動きもぜひチェックしてもらえればと思います。

他に、ソロ活動はもちろんKenayeboiとのクルーとしての活動、そして関西にFDCのスケートショップもオープンする予定で動いています。

さらに、直近だと神戸のBig OGである Kitchen K と FDC のEP『FDCK』もリリースする予定です!

まだまだ隠し玉の曲もありますし、今後も僕らにしか出来ない動きを見せていくので、チェックよろしくお願いいたします!


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