【Who’s NXT】POOL | Y2Kからトラップまで、多彩なカルチャー&サウンドが凝縮された注目の1stフルアルバム『TWØ』リリース

2022.5.27


POOL インタビュー

POOL
2020年7月より活動スタート、東京を拠点とする3人組アーティスト・POOL。Y2KのUSR&BやHIPHOPに影響を受けながら、POOLならではのオルタナティブR&Bを軸に多彩なサウンドを表現している。MEG(Vo.)のエモーショナルで妖艶な世界感と、Daichi(Gt.)&Kenya Yoshinari(Compose,Synth)によるハイセンスなクリエイティビティがあわさり、唯一無二のメロウネス、アーバンな情緒溢れる楽曲で多くのリスナーを魅了。作詞から作曲、編曲、ミックス、マスタリング、デザイン、映像まですべてのクリエイティブを自分たちで手がけており、それぞれがその才能を遺憾なく発揮することでアーティストとしての魅力、パフォーマンスを最大化させている。関係者からの評価も高く、Spotify 「hyperpop」「Electropolis」「Women’s Voice」「Monday Spin」「週刊プレイリスト」、Apple Music 「最新ソング:オルタナティブ」「最新ソング: R&B」「CUT Tokyo」「Errday」「New Year Tracks」など数多くのプレイリストにピックアップされている。

*Photo L to R : Kenya Yoshinari(Compose,Synth)、Daichi(Gt.)、MEG(Vo.)

Who’s NXT : A series of interviews with featured artists
 


 
——POOLインタビュー初登場ということで、まずそれぞれ音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。

MEG : 中学の時、L’Arc~en~Cielにハマったのがきっかけでした。知った経緯として、映画の『NANA』を見たあと主題歌の「GLAMOROUS SKY」を聴きたくてYouTubeを開いた時にHYDEさんがVAMPSで演奏してる動画を見たんですよね。そこで「GLAMOROUS SKY」の作曲者がHYDEさんだったことを知って、バンドとHYDEさんのかっこよさに衝撃を受けて、そこからどっぷり音楽にハマっていった感じでした。

Kenya Yoshinari : 自分は、父親がドラマーだったのと、一番上の兄がベースをやっていたので幼少の頃から自然と音楽に囲まれていて、プレイする選択肢もありましたね。

Daichi : 僕の場合、ポピュラー音楽は小学生の頃から好きで音楽番組などもよく見ていましたが、楽器というかギターに触れるきっかけとなったのが、中学生の頃に兄にオアシスの『(What’s The Story) Morning Glory?』を借りて聴いたことです。そこから練習してギターがそこそこ弾けるようになってから、急激に音楽にのめり込むようになりました。

 
——POOLは2020年7月と活動スタートが割と最近ですが、結成の経緯というのは?

MEG : 元々3人とも別の活動をしていたんですけど、メンバーのKenyaが絵の個展を開くことになってレセプションパーティーへ遊びに行ったときに、私が歌に注力した音楽をやってみたいと言ったら、その場にいたDaichiもボーカリストを探していて意気投合した感じですね。

Kenya Yoshinari : もともと俺はやる予定じゃなかったんだけど、個展が終わった後Daichiに念を押されて入る決断をしたんだけどね(笑)。

Daichi : (笑)

Kenya Yoshinari : 実際に作詞作曲編曲、ミックス&マスタリング、デザイン、映像まで自分達でできるメンバーだったので、どんなモノができるんだろうという好奇心が勝りました(笑)。どうしても第三者が入ると遠慮してしまったりどこかでストレスがかかってしまったりというケースは往々にしてあるので、信頼している2人なら遠慮なく突き詰められるというのは作品性に大きく影響を与えていると思っています。

 
——それぞれが思いっきり表現活動ができるチームになっているということなんですね。活動の拠点は東京ということですが。

MEG : 東京を拠点にしてるんですがまだライブをしていないので、今後は積極的にライブやフェスにも参加していきたいです。

 
——そして、いよいよPOOL初のフルアルバム『TWØ』が今回リリースとなりました。こちらはどのような作品になっていますか?

Kenya Yoshinari : 5月25日リリースの1stフルアルバム『TWØ』は、日常や気持ちの移ろい、夢、思想といったところまでバリエーション溢れる作品を一つにまとめたアルバムになってます。10曲の収録曲では、クラウドファンディングで制作された「19Air」から、初のフィーチャリング楽曲「HYPER BLOOM (feat. Bonbero)」はもちろん、新曲の「Metro」「Sparks fly (feat.TŒM) 」「Fake」では今までになかったサウンドアプローチを追求してます。

そして今作は1stシングル『One』に続くナンバリングタイトルになっていてストーリーとして繋がっています。これまでシングルを6枚出してきたんですけど、『TWØ』の1曲目に収録されてる「Backroom (Intro)」は、収録されたすべての曲を集約するキーを握っていて、ある意味ネタバレ的な要素を1曲目に持ってきています。これは 『One』から練っていて、今回のフルアルバムでやっとカタチにできた感じですね。

POOL『TWØ』
POOL『TWØ』

https://linkco.re/Hb2Yax0b

 
——中でも思い入れのある楽曲はあったりしますか?

MEG : 今回アルバムに新曲として収録した「Metro」がイチオシです。今までのPOOLの楽曲の中で1番歌詞にフォーカスを当てた作品になっていて、ストレートな歌詞が印象的になってると思います。内容としては私がボーカルを務めていたmildrageの解散に対しての想いを綴っていて、自分の感情や願いを素直に込めた詩になっているのでとても思い入れが深いです。大切な友達や恋人、家族と離れてしまった時に是非聴いて欲しいし、支えになればいいなと思ってます。

 
——POOLはそのサウンドも幅広く、クリエイティブ全般に強いこだわりが感じられます。例えば楽曲の制作はどのように行っていますか?

Daichi : Kenyaが作曲、ラフ編曲をしてMEGがメロディをつけてそのあと僕がKenyaの家で再度編曲していますね。僕とKenyaは同じDAW(Ableton Live 11)を使っていて、ミックス&マスタリングはプロジェクトを引き継いで僕の家で行って完成させています。

MEG : 歌詞はKenyaから楽曲をもらったタイミングでフックをつける時もありますけど、メロディと同時につける時もありますね、大枠はDaichiとKenyaが編曲しているタイミングで書いてます。

Kenya Yoshinari : あと俺らは楽曲にシンセサイザー(VST)をよく使うんですが、最近はアナログ思考が進んでいて、SequentialのProphet-5とmoogのGrandmother、RolandのJUNO-106Sを手に入れたので、今後出す楽曲の雰囲気に新しい風が吹く予感がしています。

 
——まだPOOLのことを知らないリスナーにアーティストとしての特徴を伝えるとしたら、どんなところになりますか?

Daichi : ヒップホップ、特にトラップのビートやサウンドを基盤としていますが、ラップだけでなくあくまで歌をメインにしていて、基本ダンスミュージックのように乗りながら聴けるけど、歌も楽しむことができることが特徴です。また、歌がメインなことで楽曲によっては色んなビートがあるので、激しく乗ることや生活に合わせて流して聴けるようなものもあるので、いろんな楽しみ方ができるのではないかと思います。

 
——POOLのみなさんは音楽活動をする上で、なにか特に心がけていることはありますか?

Kenya Yoshinari : 音楽がというより共同で何か作る上で、メンバーの考え方を尊重して掛け算していくように心がけています、メンバーである以前に仲の良い友達なので楽しく真剣に作っていこうと。よく喧嘩するけど(笑)。

MEG : でもすぐ仲直りするよね(笑)。

Daichi : 制作の中で衝突はあるんですが、お互い真剣なのでお互い間違ってないんですよね、なのでよりいいものを生み出すような熱量が生まれていると思います。

 
——POOLは今回のアルバムリリースで注目度もさらに高まると思いますが、今の音楽を取り巻く環境について何か感じることはありますか?

Kenya Yoshinari : 音楽を“聴くもの”から“観るもの”としての時代に変わってきているなと感じていますが、同時に“使うもの”にもなっているなと感じています。使われる楽曲じゃないと何もないところから広がることはないんだろうなと思ってます。

 
——TikTokとかもまさにそういうことですよね。では最後にPOOLが今後の活動でチャレンジしたいことを教えてください。

Kenya Yoshinari : もっと他のアーティストとコラボしていきたいです。ラッパー、ロック、エレクトロニック、ジャンル問わず新しい化学変化を起こしていきます。

 

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