【Who’s NXT】教育番組 | 感情に訴えかける歌詞をバラエティに富んだ楽曲が彩る3ピースピアノロックバンド
要注目のup-and-comerアーティストをエディターピックアップ = Who’s NXT(next)。
今回の Who’s NXT アーティストは、東京を拠点に精力的にライブを行っており、Gt,Voの加藤俊一による感情に訴えかける歌詞をバラエティに富んだ楽曲が彩る3ピースピアノロックバンド、教育番組。現在、12ヶ月連続の配信リリースも行っている彼らに話を聞いた。
About : 教育番組
メンバー :
加藤俊一(Gt&Vo)
岩瀬横転(Ba&Cho)
ミシマ戯レタ(Key&Cho)
東京で活動するピアノロックバンド。躁鬱的な歌詞から恋愛系までの幅広いテーマにした歌詞と、楽曲ごとに方向性が激しく変わる音楽性、普遍性のある懐かしいメロディーを武器に展開している。
2012年春、高校在学中に加藤俊一(Gt&Vo)を中心に結成。その後、何度もメンバーチェンジを繰り返し、岩瀬横転(Ba&Cho)、ミシマ戯レタ(Key&Cho)が加入し現体制へなる。
2019年4月に初のフルアルバム『にせもの』をリリース。同月より毎月末に新曲を12ヶ月連続で MVと共に公開、配信している。
——3人組のバンドとして活動されていますが、まず、みなさんそれぞれの最初の音楽との出会いを教えていただけますか?
加藤 : 幼少の頃、両親の友人がバンド「たま」のアルバムを持って来た時があって、それを聴いて音楽に興味を持ちました。
岩瀬 : 僕は中学2年の終わりに、なんとなく購入したウォークマンで姉のパソコンに入っていた曲を聴き始めたのがきっかけです。
ミシマ : 私は、母がピアノを弾く人なんですけど、3歳の頃にヤマハ音楽教室でエレクトーンを習い始めたので、それが音楽、そして楽器に触れはじめた最初ですね。ピアノは母から教わってきたので、母が最初のきっかけを作ってくれたといえると思います。
——その後、学生の頃バンドを組んだりしていましたか?
加藤 : はい、中学生の頃、文化祭で全校生徒の前でBUMP OF CHICKENのコピーバンドで演奏しました。その時、演奏後予定してなかったアンコールがあって、そこで初めて弾き語りをしたんですけど、それがけっこう評判が良くて。友人や先生にも褒めてもらえたりして、じゃあもっと本格的にやってみようと思いました。
岩瀬 : 自分は高校の時バドミントン部だったんですけど、2年生の初めぐらいにケガで部活をやめることになって、じゃあ次に何をやろうかとなった時に、ずっと憧れていたバンドをやろうと決意しました。
ミシマ : 音大に入った時、たまたま見たテレビでSEKAI NO OWARIを知ったんですけど、すごく楽しそうに音楽をやっていて、「自分もバンドやってみたい!」と思って。それからこのバンドに加入しました。
加藤 : バンドの結成のいきさつとしては、プロフィールにある通りですね。
——現在よくライブをしている場所やライブハウスはどのあたりになりますか?
加藤 : 基本的には都内に主軸を置いて活動しています。関西のほうにも年に数回遠征することもありますね。
ライブハウスでいうと、都内だと大塚Hearts+や新宿SAMURAIには多数出演しています。
——教育番組は、バンドという形態にも関わらず、最近はかなりハイペースにリリースをされていますね。
加藤 : いま自分たちは、今年の4月から毎月末にMVと同時に新曲を配信するという企画を12ヶ月連続で行っています。
Music Video『sweet rain (feat.あにそにん)』(12ヶ月連続配信6月編)- 教育番組
それで最新の作品として、7月末に今回第4弾となる「おばけごっこ」という曲を配信リリースしました。「おばけごっこ」は、冒頭の怪しげなギターリフから開放的なサビへ向け楽曲が展開していく、そんな流れを作曲時に意識しました。日本の夏に特有である、あのじめっとした空気感が雰囲気に良く出ていると思います。歌詞は、テーマとして、日々の忙しさに本当の自分を見失ってしまう【みたいな自分】に重きを置いて書きました。 ぜひ、言葉遊びにも注目して聴いてもらえればと思います。
「おばけごっこ」 各配信ストア : https://linkco.re/8qFPCd9x
——自分たちの今のところの代表作をあげるとすれば?
加藤 : 今年4月にバンドとして初となるフルアルバム『にせもの』をリリースしたんですけど、それが一番イチ押しです。自分の原体験を元にしたリアルな歌詞と、メンバーそれぞれの個性が光っている演奏をこれでもかというほどに詰め込んだ作品になっていて。ジャンルもバラバラな楽曲たちを聴きやすく、かつ綺麗な音質でパッケージングできていると思うので、こちらもぜひチェックしてみてください。本当に、全12曲、全て違うバンドのようなバラバラな音楽性が楽しめると思います。
『にせもの』 各配信ストア : https://linkco.re/aQbhzM6V
——バンドのメインコンポーザーはやはりオリジナルメンバーの加藤さんになりますか?
加藤 : そうですね、まずは基本的なアレンジまで僕が制作して、次にパート毎に楽譜におこしてメンバーへ渡しています。その後、スタジオで数回合わせて楽曲に慣れていく中で、細かいアレンジだったりメンバーそれぞれの楽曲への解釈をとりいれていくのが、僕らのスタンダードな曲作りの流れになっています。
ただレコーディングした後も、実際にライブを重ねていくうちにどんどん曲が変化していくので、アルバムはあくまで「収録当時のベストな形」というのが念頭にあります。
——教育番組はやはり楽曲の多様性が特徴的だと感じるのですが、改めて自分たちとしてはどのように考えていますか?
加藤 : 音楽的に変態的な感じや、皮肉や攻撃的な部分も楽曲や演奏において持ち合わせているんですけど、モチーフやテーマとしては、懐かしさや悲しさなど人の弱さを扱った楽曲が多いですね。特に共感性を主軸にしているわけではないんですけど、まずは聴く人のコアに刺さるようなバンドでありたいなと思っています。
——幅広い音楽性を生み出すメンバーみなさんは、どんなアーティストに影響を受けてきましたか?それぞれアーティスト名とコメントをお願いできれば。
加藤 :
・たま
奇天烈な声や音が先ず先行して耳に残る楽曲をはじめ、それとは真反対にすぐ壊れてしまいそうなくらい繊細な楽曲に衝撃を受けてから。
・Pérez Prado
祖父の影響で戦前や戦中の時代の古い楽曲を聴く機会が多く、中でも楽しげなラテン音楽が好きになり深追いするようになりました。人生で初めて観たライブは、この楽団の来日公演でした。
・Igor Stravinsky
中学生の頃、楽典やクラシック音楽を独学で勉強していた時に彼の代表作「春の祭典」を聴き、それまでの音楽の概念をひっくり返させられるような衝撃を受けました。
岩瀬 :
・RADWIMPS
人生で初めて自分の意思で聴いたバンドです。
・amazarashi
高校、専門学生時代一番なりたかったバンドです。
・宇多田ヒカル
名キャッチコピーのような歌詞とサウンドが好みでした。
ミシマ :
・Putt Ilyich Tchaikovsky
初めてバレエ『白鳥の湖』を見にいって、美しく、でも切ないそんなチャイコフスキーならではのメロディに心打たれました。どの曲も好きですね。
・Pat Metheny
自分が初めてクラッシックではない曲を編曲したのがPat Methenyの曲で、自分の音楽観を変えてくれた人物です。特に『Secret Story』というアルバムと『We Live Here』というアルバムはおそらく1番聴いてます。
・SEKAI NO OWARI
バンドをやり始めたきっかけのアーティスト。初めてバンドのファンになって、ライブにも足を運ぶくらいハマってました。パフォーマンスと音楽性がすごく好きです。
——せっかくなので、影響を受けた楽曲もそれぞれお伺いしてもよいでしょうか?
【加藤選曲】
たま「日曜日に雨」
人生で初めてちゃんと自主的に聴いた曲です。幼少の頃に初めて聞いたときそれまで読み聞かせられた童謡とは違い、何回も読んで漸く自分なりに理解できる難解な歌詞と、よくわからないけど寂しい曲調に魅かれました。
神聖かまってちゃん「ロックンロールは鳴りやまないっ」
中学生の終わり、溜まっていたけどどう表現していいか分からないモヤモヤした感情を、こうしてバンドの楽曲に乗せてもいいんだ、と思わせてくれた大事な曲です。
マキシマム ザ ホルモン「絶望ビリー」
ギターで演奏する楽しさ、何だか無敵になったかようになれる感覚を初めて味わえた曲です。エレキギターの基礎的な練習は彼らから学びました。
【岩瀬選曲】 :
amazarashi 「光、再考」
玉手ゆういち 「届かない」
宇多田ヒカル「誓い」
アルカラ 「アブノーマルが足りない」
嵐 「Monster」
SMAP 「ライオンハート」
Akeboshi 「Wind」
RADWIMPS 「遠恋」
Hello Sleepwalkers 「月面歩行」
【ミシマ選曲】
Alan Menken「Beauty and the Beast」
Alan Menken「Part of Your World」
SEKAI NO OWARI「スターライトパレード」
People In The Box「無限会社」
amazarashi 「数え歌」
TK from 凛として時雨「unravel」
——音楽活動にあたってみなさんそれぞれ意識していることはありますか?
加藤 : 自分しか見えなくなるような瞬間の熱量と、俯瞰的に見る冷めた目線のバランスを重要視しています。どちらかに偏る良さと悪さを認識できる感覚は大事だと思います。
岩瀬 : できる限りの努力をすること、自信と誇りを持つこと、過信しないこと。作り手の思いと聴き手の感じ方の二つの感性を、どのようにして聴き手に感じさせるかは常に考えています
ミシマ : 楽しく、自由に! そして、聴いてくれてる人たちに、どんな思いでもいいから何かを感じてもらって心に残すことです。
——現状の音楽シーンについて何か思うことはありますか?
加藤 : 個人的にそういう話は対面で酒飲みつつしたいなと思ったりするんで、ここではあえてコメントは控えさせていただきます。
岩瀬 : SNSの発達又、DAWでの作曲活動のしやすさが昔に比べ格段に上がり一人一人が発信することが容易になっているせいか、一曲一曲がスピード勝負になっているなとは思いますね。
ミシマ : 私は特に感じることはないですが、同じような曲が溢れてるなとは感じます。
——今後の活動の展望としてはどのようなことを考えていますか?
加藤 : より多く不特定多数の人に自分たちの音楽を伝える最善策を探ることを今一番意識しています。現在進行中の12ヶ月連続で新曲を配信する制作的な企画から、8月より始まる5カ月連続でライブを主催する企画など、表で見える形で精力的に活動していきたいと考えています。
8月からの自主企画ではチケット代が1,000円(ドリンク別)ですので、興味が沸きましたらライブハウスへぜひお越しください!大量に配信されてる楽曲もぜひ楽しんでみてください!
Information
2019年
08/16 大塚Hearts +(5ヶ月連続自主企画①)
08/17 池袋adm
08/21 立川バベル
08/23 赤坂tenjiku
09/21 池袋adm
09/24 Music Lab 濱書房
09/27 新宿SAMURAI(5ヶ月連続自主企画②)
教育番組
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