邦ロック特集「Monthly Core-Rock!! Select by 遊津場」#3【時速36km、少年キッズボウイ、Kudos Vein、PURPLE BUBBLE、青が藍に染まるまで、kohamo、柿崎ユウタ、Lala、Uncurtain、スクールガールズエンド】

コラム・特集
2025.2.3
邦ロック特集「Monthly Core-Rock!! Select by 遊津場」#3【時速36km、少年キッズボウイ、Kudos Vein、PURPLE BUBBLE、青が藍に染まるまで、kohamo、柿崎ユウタ、Lala、Uncurtain、スクールガールズエンド】のサムネイル画像

“先取り邦ロック”を武器に音楽ライターやイベント企画で活動する遊津場が、その月に気になった邦ロック楽曲を10曲セレクトする【Monthly Core-Rock!! Select by 遊津場】。

「若手が中心となるので、新たな発見があるはず!あなたをコアな邦ロックリスナーにさせてみせる!」と遊津場は息巻いてるとか何とか。

以下、セレクト楽曲を遊津場が解説。本記事の解説とともに、セレクト楽曲をまとめたTHE MAGAZINEのプレイリストもお楽しみください(毎月更新)。

 

#3 セレクト楽曲(2025年2月3日更新)

 
1. 時速36km「One Fine Day」


時速36km「One Fine Day」

年齢を重ねるほどに「こういうことに対して、こういうことを思ったけど、こういう心の揺れ動きは年相応に正しいのだろうか」と考えてしまうものですが、あなたらしく上下する体だけじゃなくて心の温度も、ありのままに受け止めてくれるような安らかな楽曲です。

2月は東名阪ツアーも実施。バンドらしい音を通して、生活に音楽があったら面白い理由を伝えてくれます。

時速36km「One Fine Day」

 
 
2. 少年キッズボウイ「名前をつけてよ」


少年キッズボウイ「名前をつけてよ」

彼ららしく明るくポップでMVのように踊っちゃう仕上がりの中に、この男女の互いに配慮してしまったリアルすぎる別れが逆により心に染みてしまう歌詞。少年誌だけでなく青年誌もいける失恋ソング。

シンプルに7人から音が放たれていてパワフル。すっかりそんなスタイルも安定してきて、リスナーの安心感は増していく一方。今月24日のワンマンライブもHAPPYな空間間違いなしでしょう。

少年キッズボウイ「名前をつけてよ」

 
 
3. Kudos Vein「THRONE」


Kudos Vein「THRONE」

あらゆる音楽ジャンルからの影響を感じる2024年始動の新鋭4ピースバンド。

攻撃的なサウンドとMasafumi(Vo, Gt)とYuto(Vo, key)のツインボーカル。クライマックスに連れて盛り上がりを見せるこの曲は音楽好きの本能を揺さぶります。

何を隠そう既に揺さぶられた僕は19日の渋谷CRAWLで行われる主催イベントに呼んでいるので。

Kudos Vein「THRONE」

 
 
4. PURPLE BUBBLE「ナツメグ」


PURPLE BUBBLE『幸せのスパイス』

今年最初のバイラルヒットした新しいバンド曲と言っていいでしょう。老若男女問わずノれる普遍的な美しいメロディと明瞭な曲展開、等身大のままに共感値の高い歌詞。そこにピッタリと当てはまるK-taring(Gt, Vo)のボーカルとバランスが良すぎる1曲。

5曲入りEP『幸せのスパイス』の収録曲ですが、他の曲も良いんです。この2月・3月と遠征も含め精力的にライブするようです!

PURPLE BUBBLE「ナツメグ」収録EP『幸せのスパイス』

 
 
5. 青が藍に染まるまで「理想郷」


青が藍に染まるまで「理想郷」

奈良発・唯一無二の独り占めしたくなるバンド。

悠稀。(Gt, Vo)のボーカルは耳元で強くも切なく聴こえる歌声で、たしかにそれはリスナーにとって大切にしたくなるものでしょう。作詞作曲をするかなね(Ba)のこだわりも強い。

先日行われた十代白書の予選を見事通過し、決勝が行われるBIGCATの舞台に立つ。奈良のライブシーンに優勝をもたらすか注目。

青が藍に染まるまで「理想郷」

 
 
6. kohamo「How to」


kohamo「How to」

大阪発・コンテンポラリーなバンド。

と、このように自称していましたが、今、Xの概要欄を見ると”バンド”ではなく”グループ”に変更されていた。その理由が分かる、バンドという枠を超えてさらに音楽というアートを感じさせていく意欲を感じます。ドライブナンバーでありつつも、より爽快感を感じさせるためのギミックがいろいろあって、何度も聴きたくなる作品に。

kohamo「How to」

 
 
7. 柿崎ユウタ「ブルーベリージャム」


柿崎ユウタ「ブルーベリージャム」

作詞作曲、アレンジ、楽器演奏まで全てを担い、独自の世界を作り上げる変態的シンガーソングライター。そんな彼の新曲ギターロックは1秒よりも
早く音が届いてくるような焦燥感。それを生み出す言葉の配置に高いセンスと知識と出してきた脳汁の量を感じます。

個人的にはもっと評価されていいというか、デビューからまだ時代が追いついていないアーティストだと思っています。

柿崎ユウタ「ブルーベリージャム」

 
 
8. Lala「マフラー」


Lala「マフラー」

ジャケット写真と何となく抱いていたバンドのイメージから、若者のピュアな冬のラブソングかなぁと思ったら、わりと直球で強い歌詞が随所に出てきて驚きました。本当に「冗談だよ、ごめんね」なのでしょうか…。

サウンドは冬のスキー場に流れていてもおかしくないくらいアップテンポでテンションが上がる。だからこそ、より歌詞やayahoの真っ直ぐな歌声が光ります。

Lala「マフラー」

 
 
9. Uncurtain「成人安定剤」


Uncurtain「成人安定剤」

迷える人生に躊躇なく注入しています。一度再生ボタンを押したら怪しげな診察室の台の上に縛られたも同然となる不可避的な隙のない強いサウンド。そして激しさの中で時に囁くように歌うRiki Chase(Vo)のボーカルに支配されます。求めてる人だらけだと思うよ。

昨年は特に経験を積み、2025年はよりアップデートされた貫通力と支配力を見せてくれるでしょう。

Uncurtain「成人安定剤」

 
 
10. スクールガールズエンド「月の光」


スクールガールズエンド「月の光」

「僕らの存在証明から、あなたの存在肯定へ」というメッセージを込めて鳴らす大阪のロックバンド。

すり減らすように歌うアサユケユウナ(Vo, Gt)のボーカルを中心に大きなスケールを持ちながら、優しく包み込むように届くこの曲はまさにタイトル通り。最近ライブも見たのですが、愚直に音楽であなたに届ける姿があり、是非現場で見てほしいバンドの1組です。

スクールガールズエンド「月の光」

 
 


「Monthly Core-Rock!! Select by 遊津場」のプレイリストはこちら

 

この記事の執筆者
遊津場
神戸在住・名刺が可愛い音楽キュレーター。フリーで音楽ライターと新人発掘。年数回ライブハウスで企画。連絡はsakidoriyutsuba@gmail.com or DMまで。92年生。