【コラム】ポンツクピーヤ 待望の1stミニアルバム『僕が間違えた日々の全て』から滲み出る絶妙なバランス感覚

大石さん(Vo./Gt)の作るストレートな表現の歌詞の鋭さと優しさは相変わらずです。知名度も動員もしっかり伸びて、今作はタワレコメンにも選出されていますが、「その角度って、令和7年でもまだ歌っていいんだ」という気持ちになります。歌詞にそんな過激さもありながら、しっかりと中和させるバンドサウンドとのバランスは、誰しもがヤバさと理性を持ちながら生きていることを表しているようです。でもそのサウンドは決して緩衝材にしてはないはず。「こんな人生懲り懲りだ。異論は認めん」を、吉元さん(Ba.)も中江さん(Dr.)も容赦なくぶつけてきてます。
2010年前後のロックバンドって、ジャンル問わずそんなバンドだらけだったんですけどね。それでも意外と、まだまだ現代人もその音楽の刺激に耐えれて自分のものと消化できるんやと思います。そんなリスナーがポンツク通して増えているのは1つの安心でもあります。時々言われることでもあるんですけど、今は音楽リスナーの感受性を舐めすぎているのかもしれません。というか感受性がないまま聞ける音楽が広がりやすくなってしまったんでしょうね。
私達はまだちゃんと、心の中でどれだけ猿と罵ったり、流行りの曲をクソみたいな曲と思ったりします。でも社会から逸脱するようなSNSの使い方はしません。常識はなんかあるし、もし面倒なことになった時、野球部のような体力や根性もなくて対応できないと思っているから。それでも脳内は常に自分vs自分の戦争中。頭も常に疲れていて、ある程度経験を重ねた社会人がするはずもないような不注意ミスもしてしまう。という孤独も曲から味わえます。そんな描いた未来や夢ではない中、人知れずにびしょ濡れと枯れきったを高速ラリーで繰り返していくことに諦めもありながら、それでも生きることや怒ることや泣くことに、何かを見出しいきたい気持ちの湧く、前半から中盤でした。
後半の2曲は恋愛色強めと言っていいでしょう。どんだけ野球部嫌いやねんとツッコめるくらいキャッチーでコミカルさのある『趣味が合わない彼女』、RADWIMPSの影響を受けている彼らがこのタイトルを付けたことにも意味がありそうな『ひとりごと』、曲の中だと、憎む相手にあれだけストレートに刺さる言葉を使っていたのに、”愛してた”人には、こんなにも綺麗な言葉を送るのはズルイ。必聴です。
最後のCD限定の1曲は、お楽しみのほうがいいかも。CDのみの意味も何となく感じました。副読冊子読んで発見もありましたが、あえて無視して、今回は僕の感想を書くことにしました。作品としても素晴らしいですが、ライブも素晴らしいので、是非全国ツアーにも行ってみてください。間違えた日々にもポンツクピーヤがいたなら、まぁなんとか!と思えるはずです。

【information】
2025年4月16日(水)発売・配信
1st Mini Album 「僕が間違えた日々の全て」
1. ロンリー
2. 涙がキラリ
3. エモーショナル・ララバイ
4. 君が死にたいと言ったから
5. 20歳
6. 趣味が合わない彼女
7. ひとりごと
8. 僕が間違えた日々の全て※CD限定
タワレコリンク
https://tower.jp/item/6788258
配信リンク
https://linkco.re/PMXhCAC3
ライブ情報など
https://lit.link/pontukupya