New K(FUNLETTERS)インタビュー 「手を動かす前に頭の中で曲の着地点を決めておく」Zoomgalsへのビート提供などソロ名義の活動も広がる注目のプロデューサー

2020.12.4


New K(FUNLETTERS)インタビュー

New K
山梨県甲府市在住。インディーポップユニットFUNLETTERSのコンポーザーとして活動する傍ら、2020年からビートメイカー、プロデューサーとしての活動もスタートさせた。

IYOW : A series of interviews with featured beat makers / producers / composers


——キャリアスタートのきっかけ

最初は北杜市の実家にある六畳間で大学の先輩達とDTMで曲を作りはじめたのが、トラックメイクの原体験です。2,000円くらいのオーディオインターフェースをヤフオクで買って、音源とかシンセはほとんど持っていなかったのですが、ギターだけは大学の軽音部で少しだけかじっていたので、ビートに合わせてギターを弾いて先輩に歌を付けてもらって完成みたいな作り方をしてました。

当時はまだDTMが一般的では無かったので、家でレコーディングできること自体にかなり興奮しました。そこで作った曲をバンドを組んでライブでやったり、リリースしたりしたのですが、その時は色々うまく行かずにすぐ解散してしまいました。その時組んだバンドメンバーのひとりが数年後にFUNLETTERSを一緒にやることになるCHAMiです。

 
——ターニングポイント

FUNLETTERSで「Untouchable」という曲ができた時です。CHAMiがFUNLETTERSに入ったり、自分も結婚したりして色々変化があった中で得たインスピレーションがうまく歌として結晶化できました。あの曲から歌作りに対して自分なりの勘というか、オリジナリティを獲得できた気がします。もともとFUNLETTERSを始めるまで全く歌を作ったことがなく、歌を作る感性も0と言っていいくらい持っていなかったので、一曲良い歌が出来たことで得られたクリエイターとしての自信は大きかったです。

今はまたソロ活動でインストと向き合う時間が長くなっていますが、初期FUNLETTERSで歌と向き合った事は全部繋がっていると思います。他にも自分の才能を認めてくれる人との出会いは全て大事です。

 
——最新作

【ビート提供】
Zoomgals – GALS (feat.大門弥生)
https://linkco.re/hB4V1agN

Zoomgals「GALS feat.大門弥生」

 
【ソロ楽曲】
New K – Green Sky
https://linkco.re/MmUy5rbn

New K「Green Sky」

 
【ユニット】
FUNLETTERS – 熱
https://linkco.re/dv2szZrr

術ノ穴presents「HELLO!!! vol.11」
FUNLETTERS「熱」収録の術ノ穴presents『HELLO!!! vol.11』

 
——キャリア当初の制作環境

最初に実家でDTMを始めた時は、父の使っていたDELのデスクトップパソコン、ヤフオクで買った2,000円のEDIROLのオーディオIF(弁当箱と呼んでいました)、というかなり最低限の環境でした。

DAWは当時まだそこまで一般的ではなかったAbleton Live5を楽器屋さんに勧められて買ったのですが、このDAWが完全に自分にフィットしていてそれからずっと使っています。

 
——現在の制作環境

自宅の制作部屋でほぼMacBook ProとAbleton Liveのみで作っています。音源もギター以外はすべてプラグインです。

あまり機材に対する探究心がないのでハードウェアは本当に増えないです。もっと便利なものや高性能なものにアップデートしたいという願望はありますが、ガジェット欲みたいなものがないです。

 
——メインの機材

MacBook Pro、Ableton Live 10 Standard、オーディオIFはSteinberg UR28、MIDIキーボードはKomplete Kontrol A49です。

 
——モニター環境

モニタースピーカーYAMAHA HS5、ヘッドホンAKG K712です。

ミックス、マスタリングの時のバランスや定位は全部ヘッドホンで見ています。低音の量感は画面で見えるメーター類も頼りにしています。

 
——使用音源

最近買ったNative Instrumentsの「Analog Dreams」という音源がお気に入りです。2つの異なる音源をレイヤーして鳴らすプリセットシンセなのですが、見た目が好きです。

 
——使用プラグイン

特定のプラグインではないのですが、ショートディレイを全般的に多用しています。ガレージロックぽいというか、狭い空間で”バイン!”て響く感じが好きなので、40ms前後の短い設定であらゆるパートにインサートでかけています。

 
——ビートメイクのプロセス

歌モノの場合はコードから決めていくことが多くて、ヒップホップとかダンストラックだとビートから組んでいくことが多いです。サビなどの聴かせどころから作ることもありますが、基本的に時間軸に沿ってイントロから順番に作っていく派です。

 
——ビートメイクポリシー

手を動かす前に頭の中で曲の着地点を決めておく!曲のイメージが曖昧なまま作り始めると、変な迷い方をして沼にハマることが多いので。あとはめちゃくちゃ自信を持つことです。

 
——最も影響を受けたプロデューサー/ビートメイカー

The Chemical Brothersです。ビートがすごく多彩なのに、何か独自の身体性のようなものが全ての曲に一貫して現れていて、そのなんとも言えない「らしさ」が好きなんですけど、あまり言葉にできないですね。すみません。

 
——影響を受けた楽曲

Deftones – Change (In The House Of Flies)

沢山あるので逆に無理やり1曲に絞るならこの曲です。とにかく「リラックス」と「ラウド」が共存している音楽が好きなので、まさにその全てがここにあるという感じです。

 
——My favorite works / 自分の作品からのお気に入り

FUNLETTERS – そこに愛があるなら

愛についての歌なのですが、すごく綺麗に描写できたなと思っています。自画自賛です。葛飾出身さんに付けて頂いた静謐なリリックビデオにより、まるで結晶のような作品になりました。感謝です!

 
——Message/PR

Zoomgals – GALS (feat.大門弥生)

ビートメイカーとしてはじめてビートを提供した曲がリリースされました。大好きなアーティストに自分のトラックでラップしてもらえた事がとにかく嬉しいですが、仕上がりも最高、MVも最高で幸せです。ありがたいです。これからもビート提供どんどんやっていきたいです。

 
New K – Green Sky
初のソロ名義インスト曲もリリースされています。トラックメイクにおける自分らしさを100出した内容になっているので是非インタビューと合わせて聴いてください。

 

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