令和ちゃん インタビュー | カバーからオリジナルまで、ネットシーン発 令和時代のDTMアーティスト【Who’s NXT】

2021.7.27


令和ちゃん インタビュー

令和ちゃん

2019年6月11日、東京事変「能動的三分間」のカバーを配信リリース。 配信から一年後の2020年夏、TikTokのBGMとして人気に火が付き、 女子高生を中心にネット上で「能動的三分間」ブームを起こす。

2020年11月7日、初のオリジナル曲「能動的一分間」をリリースすると、 音楽ナタリーやYahoo!ニュースに掲載され、J-WAVEでオンエアされるなど、 業界関係者からの注目度も急上昇中なDTM女子。

2021年7月27日、最新カバーシングル「あの夢をなぞって feat. ema, kiyuka & 紫月」を配信リリースした。

Who’s NXT : A series of interviews with featured artists


——まず、音楽に興味を持ったきっかけを教えてください。

小学生の頃にTVシリーズの『新世紀エヴァンゲリオン』を観て、アニメ音楽に興味を持ったのが最初でした。特に、綾波レイちゃんの歌う「残酷な天使のテーゼ【A.D.2001】」には衝撃を受けて、その無感情でアンドロイド的な歌声と、クローン達をイメージさせる空虚なハーモニー、そしてレイちゃんの優しくて悲しいウィスパーボイスに憧れて、歌を始めました。あとはお母さんの影響でTHE ALFEEを幼少期から聴いていたので、ロックやJ-POPは三声でハモるのが普通だと思い込んで生きてきましたし、今もそう信じてます(笑)。

 
——その後はどんな音楽遍歴をたどりましたか?

中学生になってからは、相対性理論にハマりました。やくしまるえつこさんの美しいウィスパーボイスに綾波レイちゃんの印象が重なったこともあり、高校ではバンドサークルに入って相対性理論の楽曲をカバーしていました。私はベースとボーカルを担当していたのですが、同じくお母さんの影響で聴いていたポール・マッカートニーに憧れて真似したのもあります。

 
——現在、令和ちゃんはネットでの活動がメインになりますか?

そうですね、あがり症で人前に出るのは苦手なので、もっぱらネットシーンで活動しています。日本全国の色んな歌い手さんやミュージシャンとやり取りして、自宅で音源を作り上げるのがすごく楽しいです。

 
——最新作について教えてください。

7月27日に、私の大好きなYOASOBIの名曲「あの夢をなぞって」のカバーを配信リリースしました。私はこれまでに東京事変、あいみょんさん、相対性理論のカバーにチャレンジして来ましたが、毎回目標をもって、新しい作品を生み出す気持ちで取り組んでいます。

 
YOASOBIの特徴は打ち込みによるDTMサウンドだと思うので、令和ちゃんバージョンはsupercellの「君の知らない物語」をリファレンスにして、生々しいバンドサウンドを意識するところから始めました。ドラムは、尊敬しているミュージシャンの金川卓矢さん、ベースはar syuraというユニットで活躍中のカワノアキさんに演奏していただいて、J-POPでありつつブラックなノリやグルーヴを作ることができました。間奏が急に管弦楽っぽいサウンドになるのは、私がゲーム音楽も好きだからです。

それと裏テーマとして、アイドルネッサンスがカバーした「君の知らない物語」みたいな感じにしたかったので、女の子グループによる青春エモい感じのコーラスワークを作り上げるべく、ネットで知り合ったemaちゃん、kiyukaちゃん、紫月ちゃんにInstagramのDMで声をかけて、4人で歌う感じになりました。コーラスの積みやMIXはTHE ALFEEをお手本にしてます。

ドラム、ベース、ギターなどバンドアレンジならではの小技が効いているので、コピーバンドの参考にしてもらえたら嬉しいです(けいおん!みたいなガールズバンドに演奏してもらえたら最高です)。


令和ちゃん「あの夢をなぞって」ジャケ写

「あの夢をなぞって (feat. ema, kiyuka & 紫月) [Cover]」各配信ストア : https://linkco.re/qxVub7CS

 
——他にこれまででおすすめ、あるいは思い入れのある作品をあげるなら?

最初にリリースした「能動的三分間」のカバーがTikTokで話題になったこともあって、いまだに一番聴かれているのですが、個人的には「地獄先生」のカバーが今のお気に入りです。相対性理論の楽曲を最近話題の80s的なテクノサウンドに乗せつつ、私は綾波レイちゃんばりにクローン的なコーラスワークをやっています(笑)。令和ちゃんのイメージとして、匿名的、アンドロイド的、幽霊的、みたいな部分は大事にして行きたいと思うので、そういった要素が結集した作品が「地獄先生」だなと思っています。ちなみに令和ちゃんの“レイ”は、綾波レイちゃんとのダブルミーニングでもあるんですよ。令和ちゃんイラストの配色も、綾波レイちゃんのカラーでもある水色・赤色・白色から来ていたりして(笑)。


令和ちゃん「能動的三分間」ジャケ写

「能動的三分間 (Cover)」各配信ストア : https://linkco.re/TCxtSAXN

 


令和ちゃん「地獄先生 (Cover)」

「地獄先生 (Cover)」各配信ストア : https://linkco.re/0GZ4psBZ

 
——楽曲の制作はどのようにされていますか?

DTMを10年くらいやっているので、ひたすらCubaseと向き合ってトラックを作っています。基本的には作詞・作曲・歌・アレンジ・ミックス・マスタリングまで一人で行っているので、DAWのマスタリングプラグインを開きながら作曲やアレンジまで戻ったり、かなり自由にやっています。「夢リピカ」という曲では鹿児島の学生さんからフルートの音源を頂いたり、「あの夢をなぞって」では青森から紫月ちゃんのボーカルデータを送っていただいたりしているので、SNS上でそういった日本全国津々浦々なやり取りも増えてきました。


令和ちゃん「夢リピカ」

「夢リピカ (feat. ema)」各配信ストア : https://linkco.re/R8xNHxX5

 
——令和ちゃんは、自分のどんなところが音楽的特徴だと思いますか?

歌声が癒し系とかふわふわ系とか褒めていただけることが多いので、可愛らしい歌が好きな方や、癒しが足りない方に是非聴いていただきたいです(笑)。あと、コーラスは毎回こだわってますので、山下達郎さんを目指して多重コーラスを極めていきたいです!

 
——影響を受けたのは、やはり冒頭にあげていただいたアーティストの方々になりますか?

そうですね、やっぱりまずは、綾波レイちゃん。リスナーさんからは「やくしまるえつこさん愛がすごいですね」ってよく言われるのですが、そのルーツには、やっぱり綾波レイちゃんへの強い愛があります。要するに、私は綾波レイちゃんになりたいんです。

それから、THE ALFEEの影響も強いです。多重コーラスでハーモニーを作っていくところや、プログレッシブな曲構成、そして「夢リピカ」などの自作曲にどうしても滲み出る歌謡感。それはやっぱり、お母さんに刷り込まれたTHE ALFEEの遺伝子だと思うんですよね。

そして、X JAPAN。小さい頃からYOSHIKIさんの作るメロディーが大好きなのと、アレンジ上のオケの和音感はX JAPANからヒントをもらうことも多いです。

 
——楽曲でいうとどういう曲に影響を受けましたか?

Rei(林原めぐみ) – 残酷な天使のテーゼ(A.D.2001)

この曲から令和ちゃんが始まりました。幼い頃に初めて聴いて、たくさんのレイちゃんがハモっているのに衝撃を受けて泣いちゃいました。

 
 
THE ALFEE – From The Past To The Future

アコースティックギターとコーラスの魅力にハマった一曲。この曲を弾きたくて、私はギターを始めました。

 
 
X JAPAN – ART OF LIFE

音楽の既成概念を破壊された一曲。悲しいほど美しいメロディーとドラマティックな演奏が、これほどまでに暴力的にまとめ上げられるYOSHIKIさんの才能にシビれます。

 
 
赤い公園 – 絶対零度

カッコいいお姉さんたちによる最新のプログレッシブロック。これから先も、ずっとずっと目標にして行きます。

 
 
相対性理論+渋谷慶一郎 – スカイライダーズ

自分の大好きが詰まった一曲。オーディオ機器の試聴の時は必ず流します。

 
 
Kizuna AI × 花譜 – ラブしい

私の好きな百合の世界観にも通じるプロデュースワーク。川谷絵音さん、天才だなと思います。

 
 
松任谷由実 – コンパートメント

自死がテーマの歌詞と、不思議な楽曲構成に度肝を抜かれました。映画のワンシーンのような臨場感あふれる曲。

 
 
Queen – Bohemian Rhapsody

クリエイティビティ極まれり。私も死ぬ前に一度はこんな曲を作ってみたいです。

 
 
久石譲 – 風の谷のナウシカ

ナウシカのオープニングテーマ。幼い頃の記憶、この虚ろな和音感に胸を撃ち抜かれて泣いていました。

 
 
ARIANNE – Komm, susser Tod(甘き死よ、来たれ)

バッハやThe Beatlesを感じさせる、音楽的な英知や歴史に満ち溢れたナンバー。いつか引退する前にカバーしてみたいです。

 
——音楽活動において、何か特に意識していることはありますか?

私はあくまでも“令和ちゃん”という概念なので、人前に出て顔や人間としてのイメージを固定させることはしたくなくて。リスナーさんそれぞれの、心の中でイメージして欲しいです。あとは、楽曲をカバーさせていただくアーティストには、溢れる愛と尊敬の想いを注ぐこと。

 
——そういった意識の中で、リスペクトあるいは共感するアーティストはいますか?

共感という意味においては、私の先人は、やくしまるえつこさんだと思っています。2021年の顔の見えない音楽シーンを、10年以上も前に先取りされていたので。

 
——現在の音楽を取り巻く状況について何か感じることはありますか?

誰にでも平等にチャンスが与えられている中で、メジャーでもインディーズでも、とにかくやってみることが大事だと思っています。素敵なアイディアが思いついても、自分に言い訳してやらないでいるのは、チャンスの原石を自ら捨てているってことなので、もったいないなって。

 
——今後の活動の展望や予定はどのようになっていますか?

私のようなサブカルチャーな音楽性が、去年TikTokでバズったっていうのは本当に衝撃的でした。好きなことばっかりやっていたら時代とマッチしたのかな?とも思うので、これからもマイペースに好きなことを続けていきたいです。

 
——最後にメッセージを。

「新世紀エヴァンゲリオン」や「機動戦士ガンダム」などのSF系のアニメや、岩井俊二さんの映画が好きなので、ピンっと来た映像作家の方は是非、音楽でコラボさせてください!意外にフッ軽なので、ご連絡お待ちしています(笑)。

 

令和ちゃん
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