Youth of Roots インタビュー | ジャマイカと日本を行き来する若き才能KON RYU率いるシーン期待のレゲエバンド【Who’s NXT】

2019.7.29

要注目のup-and-comerアーティストをエディターピックアップ = Who’s NXT(next)

今回の Who’s NXT アーティストは、国内レゲエシーンの重鎮 KON KEN(拳POWA studio)のDNAを受け継ぎ、次世代を担う若き才能KON RYUがフロントを務めるYouth of Rootsが登場。


【Who’s NXT】 Youth of Roots
L to R : KON RYU, KON KEN

——改めましてバンドの紹介をお願いします。

KON KEN : レゲエバンドのYouth of Rootsです。メンバーはボーカルのRyu(KON RYU)と楽器、サウンド担当の自分の2人にサポートメンバーという構成になっています。

Ryuは19歳で私は50歳。ちなみに親子です(笑)。横浜市金沢文庫に住んでいますが、現在Ryuは基本ジャマイカにいます。Edna Manley Collegeという芸術大学の音楽学科に去年入学して、修行中です。なのでRyuが休みなどで日本に帰国したタイミングなどに、主に日本のROOTS REGGAEシーンでライブパフォーミングしています。

 
——Youth of Roots結成の経緯というのは?

KON RYU : 2014年に家族旅行でジャマイカに訪れたんですけど、その時のジャマイカは2011年くらいから起こっていたムーブメント ”Roots Revival” が盛り上がっていて、RASTAアーティスト達のパフォーマンスを目の当たりにしたんです、それに秒殺で感動してしまいまして。「これがやりたい!」と盛り上がり、このバンドを始めました。

 
——今年3月に我々のプレイリストを作成している際、Youth of Rootsの「Theme of Youth of Roots」を見つけて、ヴォーカルが10代でこういうサウンドを鳴らすバンドが国内から新しく出てくるのが非常に興味深くて色々調べてみたら、KON KENさん親子のバンドということで我々も「なるほど!」と合点がいったんです。

KON RYU : 「Theme of Youth of Roots」は僕らのテーマ曲ともいえる作品になっています。そのまんまですね(笑)。色々な新曲を作っていく中で昔作ったこの曲が自分たちの中で1つの指標になっています。留学する前に「これからジャマイカに行くぞ!」と気合が入っていた時に作った曲で、これからもっと重みが増していく楽曲だと思います。

「Theme of Youth of Roots」 各配信ストア : https://linkco.re/ypqAE9ee

 
——そして、先日はRUDEBWOY FACEさんをfeatしたシングルと、次にEPと続けてリリースがありましたね。

KON RYU : シングルリリースした「JAMAICA feat.RUDEBWOY FACE」は、タイトル通りカリブ海の南国ジャマイカでの生活の様子を歌った曲になっています。向こうは自然が豊かだし、人々が気さくで最高なんですよね。Riddim=トラックはドラムパターンが3パターン変化するところが新しいかと思います。フィーチャリングアーティストのRUDEBWOY FACEはみんな知っての通り日本のダンスホールシーンを代表する人物で、実は小さい時から一緒にステージに立たせてもらったり、いつも可愛がってもらっています。今回一緒にやれて嬉しかったですし、感謝しかないです。

「Jamaica (feat. RUDEBWOY FACE)」 各配信ストア : https://linkco.re/NDFAZ62U

 

 
KON KEN : EPの『STEP OUTTA BABYLONIA』は自分が今年派遣社員として電車通勤を始めた際、まぁそれは5ヶ月で限界に達したんですけど(苦笑)、電車や職場の人たちのエネルギーがバラバラになっていて周りへのリスペクトや優しさが異常なほどなくなっていることに非常にショックを受けたんです。それで、改めてその原因を考えてみたら、やっぱりピラミッド式のバビロン社会構造にみんな圧迫されているんだなと気付いて。そういう思いがある中で、Ryuが送ってくるデモ音源などからタイトル『STEP OUTTA BABYLONIA』に合致するものを作品に仕上げました。

『STEP OUTTA BABYLONIA』 各配信ストア : https://linkco.re/ZVNefqxe

 
ちなみに”BABYLONIA”というのはバビロン捕囚で有名な新バビロニア王国からきていて、イスラエルの人々を捕虜として連行した国なのですが、今の世の中がバビロン捕囚と重なって見えたので、そこから命名しました。レゲエの人たちが良く使うワードでもあります。ちなみに5曲目の「MIND」のリリックスには泣きました。ぜひ聴いて欲しいです。

 
——楽曲は現在どのような環境やプロセスで制作されていますか?

KON KEN : 私が自宅の半地下で”拳POWA studio“というレコーディングスタジオを経営していまして、そこで大半の作業をこなしています。あとはRyuがジャマイカにいるので、日本に帰国する前にジャマイカ人の演奏を録音してきて、その演奏にオーバーダブして曲を完成させるという方法が多いです。中には全て日本で作っている曲もありますけどね。

 
——現在、活動のペース的にはいかがでしょうか?

KON KEN : とにかく知ってもらえるように、自分たちで作って、ライブするっていうのををずっと続けていますね。ライブショーではオーディエンスに楽しんでもらえるよう、アレンジは色々アイデアを出し合って工夫しています。


【Who’s NXT】 Youth of Roots

【Who’s NXT】 Youth of Roots

 
——Youth of Rootsの活動において、心がけているスタンスはどういったことになりますか?

KON RYU : 音楽だけじゃなく日常の生活の中でも”Seek Jah first”ということを大切にしています。その意味は「Jah=神様」を「First=まず」「Seek=探せ」という意味です。色々なハプニング、人々や自分のBadMindに気持ちを持っていかれそうな時でも常に彼(Jah)を探して、人道的な立場で物事を見て行動できるように努力しています。いまだに全然完璧ではないですけど。「Jah=神様」とはすべてであり、愛、自然だと認識しています。そんな豊かな気持ちで音楽を制作できれば人々に良いエネルギーが広がってゆくと信じてるし、自分も充実します。

 
——Ryuさんはまだお若いですが、どういったアーティストに影響を受けてきましたか?

KON RYU : Raging FyahとChronixxです。どちらもジャマイカ人ですね。

Raging Fyahはバンドマンとしてリスペクトしています。彼らのライブを現地で見ていなかったらYouth of Rootsは存在していなかったかもしれないです。KON KENはその時、UKのレゲエバンドのAswadやSteel PulseなどにRaging Fyahが重なったと言ってました。

Chronixxは言わずと知れたスーパースター。音楽性がおしゃれで好きです。

 
——コンケンさんはリスペクトするアーティストはいらっしゃいますか?

KON KEN : それは数え切れないし、やっぱり全てのアーティストにリスペクトです。

 
——お二人それぞれお好きな楽曲、影響を受けた楽曲を教えてください。

KON RYU : 僕は下記の3曲です。 サウンド+歌詞にやられました。

Raging Fyah – Jah Glory

歌詞がすごく良いです。不屈のメッセージ。ボーカルはMoon Riddimで一緒になったKUMAR。

 
I Can – Chronixx

不屈のメッセージ②。

 

African Daughter – Samory I

キングストンダブクラブでよくプレイされている曲です。

 
KON KEN : 自分はこういう感じですね。

Rydeen – Yellow Magic Orchestra
小学生の時に初代WALKMANで聴いて宇宙に飛ばされました。楽曲もすごかったですがミックスが非常に印象的でクラいました。

 
No Woman No Cry – Bob Marley & The Wailers

先輩のVWビートルのカーステから流れてきた時に耳と心を持って行かれ、ただならぬ感動が湧き上がりました。さっきから話が古くてごめんなさい(笑)。

 
Original Dread – Micah Shemaiah

こちらもキングストンダブクラブでよくかかるアーティストの一人。

 
Zungguzungguguzungguzeng – Yellowman

キング 1983年の作品。僕らの作品にも参加しているベーシストFlabba Holtがベース弾いてます。Big up Roots Radics。

 
——Ryuさんは Edna Manley Collegeに通われているということで、ジャマイカでの生活についても少しお伺いしたいのですが、まずEdna Manley Collegeに日本人、アジア人が就学するのはやはり珍しいことなのでしょうか?

KON RYU : はい。今アジア人の生徒は僕だけです。過去に1人Visual Arts学科に在籍していた日本人女性がいたと聞きましたが、今の所その方と僕だけです。

——ジャマイカの芸術大学の音楽学科ということは、そこで学ぶ音楽 = レゲエ ということになるのでしょうか?

KON RYU : 基本的にはジャズを学びます。が、結局レゲエをプレイして職業にする人が多いです。最近のレゲエのバンドショーはジャズのコード進行やゴスペルっぽいドラムプレイができて当たり前みたいなところがあるので。

ヨーロッパやジャマイカで行われているレゲエフェスのバックバンドを見ると、学校の友達が結構います。

——どんな授業スタイルで、どんなことを学ばれていますか?

KON RYU : 比較的生徒数は少ないので学年別で授業を受けるんですが、その中でも教師になりたい人達のEducationコースとプレイヤーになりたい人達のPerformanceコースに分かれています。

僕はPerformanceの方に所属していて、ジャズセオリーや基本的なピアノの授業、ソルフェージュの練習、ジャズアンサンブルにポップスのアンサンブル、ジャマイカのドラミングとダンス、歴史…そしてそれぞれ専攻している楽器の授業があります。僕はVocal専攻です。

それらに加えて、アーティストになるための授業もあります。例えばCritical thinking(批判的思考)だったり、Ethics(倫理)、そしてジャマイカ人は訛りが強いので綺麗な英語を使う練習をする授業もあります(笑)。

ジャマイカは交通の便が悪く、家が遠くて授業に間に合わず遅刻するやつもいたりして、それでも彼らは全然へっちゃらなんです。さすが南国、ゆっくりのんびり感がすごいです(笑)。

 

 
——Ryuさんと同世代のジャマイカのミュージシャンは、どんな活動をしていて、どういった視野・視点・考え方をもっているのでしょうか?

KON RYU : そこらへんがまだ深く理解できていないのが現状です。でもDancehall Reggaeのアーティストは国内とUS、Roots Reggaeのアーティストはヨーロッパを意識して活動しているように見えます。

僕より年上ですが、Aza Lineage、Blvk H3roは現地で見て好きになりましたね。かっこいいですよ。ジャマイカ人は年齢不詳なのもありますが、なかなか同世代のアーティストに出会えてないです。Koffeeは同い年ですけど大活躍ですよね。Respectです。

——先日はヤンハスさんたちもジャマイカに行かれていましたが、TRIGA FINGAさんなど、向こうで日本人ミュージシャンはどのような評価を受けていますでしょうか?

KON RYU : TRIGA FINGAさんはUnruly Gangの一員として活躍していますし、大先輩のRankin Pumpkinさんは現地で人気の歌唱コンペティションTV番組で勝ち上がって国民的アイドルになりました。トラックメイカーでプロデューサーのGacha(Medz)さんは有名なジャマイカ人アーティストを起用してディールしているので、キングストンでも曲がかかっているのをよく耳にしますよ。

でも、日本人の若い歌い手が評価を受けるのは言葉の壁やフィジカル面の差、文化の違いもありなかなか簡単では無いですね。まだ1年しかジャマイカにいませんが、ジャマイカ人に限らず黒人さんは底知れない能力を持っていると思い知らされました。たまに落ち込んじゃう日もありますが、頑張ります(笑)。

——ちなみにTRIGA FINGAさんとは向こうでどんな交流をされていますか?

KON RYU : TRIGA FINGAさんにはいろんなところで偶然会います。彼は色々な名言をくれるんです。たまにEXPRESSさんにも出くわしたり、みなさん音楽作りに訪れていますよ。ただレゲエミュージシャンの人はあまりというかほとんど来ないのが残念です。あ、でもベーシストは来がちな気がします。

——Youth of Rootsもジャマイカでの活動は視野にありますか?

KON RYU : はい。プランはありますが、まずはパトワ語と英語のリリックスを書くために生活感含め彼らの気持ちをもっと知らないとと思っています。

 
——今後はどのような動きを予定されていますか?

KON RYU : 大学が4年制なのであと3年はジャマイカでレゲエミュージックを体得したいと思っています。夏休みが長いので帰国時には地道に全国ツアーをやりたいです。国内のフェスやヨーロッパ、アメリカなど海外のイベントにも出演したいですね。あとは作品をどんどんリリースして盛り上げていきたいと思っています。


【Who’s NXT】 Youth of Roots

 
——では最後にメッセージを。

KON KEN : FREE UP YOUR MIND 精神を解放しよう!! これは自分たちへの言葉でもあります。

あとは、機会があればぜひ自分たちも含めルーツレゲエバンドの生演奏ライブショーを見に来てもらえたら嬉しいです。


【Who’s NXT】 Youth of Roots

About – Youth of Roots

19歳のボーカル KON RYU率いる神奈川県横浜出身のルーツロックレゲエバンド。

2016年結成、同年シングル「散歩」リリース。2018年3月、TREE OF FRUITS Recordsから第1弾7インチレコード SIDE A「THEME OF YOUTH OF ROOTS」/ SIDE B 「HEAT PROBLEM2010」リリース。同年6月に、SIDE A「REGGAE MAN」/ SIDE B 「REGGAE MAN CHAT DUB」リリース。

また同年11月上旬にはインターナショナルな活動で知られる在ジャマイカプロデューサー集団”MEDZ Music”のMOON Riddimワンウェイアルバムに参加。タイトル「Jamaican Daughter」が各地のダンスイベントでレゲエセレクターによるプレイでフロアを沸かしている。

2019年3月に、2018年3月に発表した7インチレコード「Theme of Youth of Roots」を新録リメイクしリリース。7月にRUDEBWOY FACEをfeatしたシングル「Jamaica」、続けざまにEP『STEP OUTTA BABYLONIA』をリリース。

メンバー:

KON RYU
ボーカル、ギター。2014年14歳の時ジャマイカ旅行を体験してからレゲエバンドに魅せられ、音楽の道を歩み始める。オリジナルなメロディーによる彼のリリックは常に前向きであり、強いパワーを持つ。これからのシーンを牽引していく人物になりうる可能性をすでに秘めており、各方面から注目されている。現在、ジャマイカのEdna Manley College音楽学科へ就学中。

KON KEN
ベース、エンジニア、プロデューサー。なにより長年のジャマイカンレゲエ研究家であり、1994年より現地を訪問し各地のダンスホール、クラブ、ライブショー、スタジオでの音楽ワークを体験。さらにはモンテゴベイで行われるビッグフェス「サンフェス」出演。決して金銭的に裕福とは言えない国のさまざまな問題を抱える人々の暮らしを通して見るレゲエミュージックの立ち位置に、現在の日本を重ねプレイするベースはそれらを良いエナジーに変換する強いパワーを持つ。JAH LIVE!!

サポートメンバー:
リードギター SATOSHI MURAKAMI For Fet’era Ites / YOSHI For GOYON
キーボード MAYUMI ISHIOKA / COUTA For SALIKAMI
ドラマー NORI For JAHLIV BAND
パーカッション MITCHELL
ベース CHALLI For Medz music

 

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この記事の執筆者

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