Yog*インタビュー 「Yacht!!!」がバイラルヒット、17歳の新星が放つラフでポジティブな言葉とメロディ

インタビュー
2025.7.2
Yog*インタビュー 「Yacht!!!」がバイラルヒット、17歳の新星が放つラフでポジティブな言葉とメロディのサムネイル画像

耳なじみ抜群のメロディとユーモラスな言葉選びで注目を集めている17歳の新星・Yog*。2025年2月にリリースされた「Yacht!!!」はTikTok経由で拡散され、Spotify国内バイラルチャート4位を記録。中国版TikTok・抖音でも話題を呼んだ。リラックスしたトラックに素朴な歌声を乗せる音楽性は、過剰な演出から距離を置くことで日常生活への可溶性を高め、リスナーのリピートを促している。貴重な初インタビューで、ラフなアティチュードと裏腹な焦燥、高校中退→バイト生活、「10年後には辞める」ビジョンなどを語ってくれた。

 
取材・文 : サイトウマサヒロ
 
 

仲間とラフに、遊んで作る

──年齢と出身地を教えてください。

年齢は17歳で、出身地は名古屋って言ってるんですけど、正確には愛知県の津島市っていうところです。

──インタビュー前、台湾に遊びに行った話をしてましたけれど、何か縁があるんですか?

ルーツがあるわけではないんですけど、台湾にネッ友みたいなのがいて。中3の頃、YouTubeでMVを見つけた台湾人のラッパーにDMしたら仲良くなったんですよ。それから高1の夏くらいに一人で遊びに行ったら現地でめっちゃ友達が増えて、以来けっこう行ってますね。

──そこで出来た友達とは、ともに作品を作ったりしてるんですか?

作ってはないけど、出会ったら一緒にフリースタイルをやったりはします。

──音楽に興味を持ち始めたのも同じくらいの時期?

中学1年生くらいかもしれないです。元々絵を描くのが好きだったので、それと同じ表現の一環として作り始めました。LEXがめっちゃ好きで、彼のインスタライブとかを見てると、楽しそうに曲を作ってるんですよ。それを見て、「俺もやるしかない」と思ったのもきっかけの一つですね。

──他に影響を受けたアーティストはいますか?

ラッパーじゃないですけど、尾崎豊。サンクラを聴いてた時に偶然流れてきて。彼のリリックを読んだ時に、これをHIPHOPのビートに落とし込めたらきっと面白いだろうなと思いました。

──自作曲はいつ頃から発表し始めたんですか?

スマホのGarageBandで作ったビートを、中2の頃に上げ始めました。で、声を入れた方がもっと良い曲になるじゃんと思って。

──現状SoundCloudで遡れる最古の楽曲は2022年10月の「Christmas Party」ですが。

(それ以前の曲は)多分消しました。初めの曲はiPhoneのイヤホンで録ってて、音は割れてるし、リバーブはかかりすぎてるし、意味がわからないような曲で。当時は勉強するのがめんどくさかったから、タイトルは「めんどくさい」で、リリックも全部「めんどくさい」で埋めてる曲でした。

──中学時代は楽曲制作以外に力を注いでることってあったんですか?部活とか。

仲の良い先輩に誘われてバスケ部に入ってたんですけど、そいつとずっと体育館の隅に座って、エロいこと話してて。バスケもいいけどこっちの方が面白いなって気付いてからは、真剣にやってなかったですね。

──仲間とワイワイやるのが一番楽しいなと。

はい。

──Yog*さんのMVは『NTO CREATIVE』というYouTubeチャンネルにアップされていますよね。Yog*さんが所属しているクルーなのかなと思ったのですが。

あー、クルーっていう括りじゃなくて……。なんだろうな。とりあえず仲良い友達軍団みたいな感じ。KBっていうプロデューサーと、俺と、Tomiと、NTOBABYっていうヤツがいて。ちょうど1年前くらいからやってます。同じバイブスを持って集まってるから、そのバイブスをチャンネルで出していこうよみたいな感じですね。インスタで出会ったから、みんな住んでるところも全然違う。で、本当にラフな感じで、作りたい時に作るっていう感じ。NTOBABYはもう音楽に飽きて、今は筋トレYouTuberなんですよ。

──それでも引き続きメンバーなんですね(笑)

はい。みんな好きなことをやってるんで。

──Yog*さんにとっても、楽曲制作はラフな遊びの延長線なんですか?

そうですね。遊びです。最近は作った曲をすぐにリリースしないで、ストックを上げてるんですよね。

──というと、何か意図が?

特にないんですけど、昔は死ぬほど曲を作ってたので。iPhoneに、リリックのメモがあるんですよ。(メモ冒頭の見出しに)「2027」って書いてあるんですけど、これは何か意味があると思いきや、別にない。

──2027年にリリース予定の曲ってことですか?

そうです。

──まだまだ先を見通せるくらい、作りたい曲や書きたいことはいっぱいあると。

はい。めっちゃあります。

 

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この記事の執筆者
サイトウマサヒロ
1995年生まれ、フリーのライター。インタビュー、ライブレポート、コラムなど書きます。