Yog*インタビュー 「Yacht!!!」がバイラルヒット、17歳の新星が放つラフでポジティブな言葉とメロディ
焦りの中で光を掴んだ「Yacht!!!」
──2025年2月にリリースされた「Yacht!!!」はTikTokを中心に国内外で話題を呼びましたね。
MVの一部をTikTokに上げたら、いつもより伸びがすごくて。リア友向けのアカウントでめっちゃ自慢しました。音源を使って踊る人も出てきて、(使用動画の件数が)1,000以上行った時はビビりました。まったく想像してなかったです、マジで。
「Yacht!!!」
──「Yacht!!!」が初めてSoundCloudに公開されたのは2024年5月ですが、曲を作った当時のことは覚えてますか?
なんとなく覚えてますね。とりあえず、ネガティブな言葉は入れたくなかった。ネガティブな曲って、聴いててもあんまり良いエネルギーを貰えないんで。いざ頑張るぞっていう時に聴いてもらえるような曲、自分でも聴きたくなるような曲にしたいと思って作ったのが「Yacht!!!」だった気がします。
──それが今までにないくらい多くの人に届いたわけですが、バズを経験してみていかがでしたか?
前はもう上に上がりたくてとにかく必死だったっていうか。俺は高校も辞めちゃってバイト暮らししてるけど、上の世代のラッパーはこの歳くらいの時にみんな軌道に乗ってるから、「何してんだろう」みたいな。あと1、2年くらいしかないな、と思ってるタイミングだったので、めっちゃ嬉しかったです。
──高校を辞めたのはなぜ?
バカすぎるんですけど、追試の日程と(恵比寿)BATICAでライブする日程が重なっちゃって。東京のライブはそれが初めてだったので、そっちを優先した方がいいじゃんと思ったんです。それでライブに出て、高校に戻ったら「あなた、留年か退学を選びなさい」って言われて。
──そこでやめる方を選んだんですね。裏返すと、本気で音楽をやっていくぞっていう意思の表れ?
それもありました。音楽で食っていきたいとは思ってた。色んなアルバイトをやってきたけど、どれも本当に上手くいかなくて、これじゃダメだぞって。ケツに火がついて、めっちゃ曲を作ってました。あと、自信があったのも大きいです。絶対に行けると思って続けてたんで。俺自身が好きな音楽だから、みんなも好きでしょっていう。
──5月21日には初のEP『Kayak』がリリースされました。
元々はサンクラに上げてた曲を毎月一曲ずつリリースしようと思ってたんですけど、また改めてケツに火をつけたいと思って、まとまった作品を出しました。全曲好きですけど、特に「Twilight」は聴いてほしいですね。
──というと?
「いつも使ってる / マイクロウェーブの上で / 踊ってる昨日の夕食みたく /冷めてくnowadays やだ」っていうリリックがあるんですけど、それは昔、吉野家でバイトしてた時のことを書いてるんです。牛皿を温めて、触ってみたら冷えてる。それが俺みたいだなっていう。
──リアルなリリックが書けた一曲ということですね。
吉野家ギャングシットです。
──Tomiさんとの楽曲「Modoki!!!」は2Stepなビートに乗っていて新鮮でした。
Tomiが「こんな感じのビートどう?」って送ってきてくれたのがめっちゃ良くて。俺が15分くらいで完成させて、向こうに投げたら1時間くらいで帰ってきて、あっという間に完成しました。
