valkneeが「Pitchfork Selects」トップに選出 国境を越えピックアップ増えるインディペンデントアーティスト

2022.6.9

Pitchforkという音楽メディアをご存知でしょうか?音楽ファンからすると何をいまさらという感じだと思いますが、1995〜1996年にスタートした世界でもっとも有名な音楽メディアのひとつとして、採点つきのレビューや、いわゆる“Pitchforkっぽい”ともいわれる幅広くオルタナティブな音楽を鋭くピックアップしていることで知られています。日本のアーティストで最近では、宇多田ヒカルがJ-POPシンガーとしてではなく、88risingの文脈からアジアのアーティストとして取り上げられていたりします。2015年にコンデナスト傘下になり、その間口も若干広まった感もあるようですが、今でも影響力を持ち続けています。音楽シーンのキーパーソンが多く関わってきたメディアでもあり、例えば元編集長のScott Plagenhoefは現在Apple Musicのエディトリアルチームを率いているようです。

そんなグローバルに影響力をもつPitchforkが毎週更新している今聴くべきおすすめ楽曲をキュレーションするプレイリスト「Pitchfork Selects」の6月6日更新分のトップに、国内インディペンデントアーティストであるvalknee(バルニー)の「Bet Me!」(prod. by ピアノ男(リョウコ2000))が今回ピックアップされました。

 

「Pitchfork Selects」on Apple Muisic(2022.06.06)

https://music.apple.com/jp/playlist/pitchfork-selects/pl.9107845577c24fe3be7193c55d7864b0

 

「Pitchfork Selects」on Spotify(2022.06.06)

https://open.spotify.com/playlist/7f9o34JAe8ZSRq4GX7f0Ol

 

valknee「BET ME!」
valknee「BET ME!」

https://linkco.re/qUphpVPS

 
THE MAGAZINEでも2019年8月にインタビューしているvalkneeは、オルタナティブなビートに独特なフローとキャッチーなフックのサウンドを発信するラッパーで、ギャルコレクティブ・Zoomgalsの活動でも知られています。

世界中の早耳リスナーが聴くであろう「Pitchfork Selects」。メジャーレーベルなど特に大きな後ろ盾のない日本のインディペンデントアーティストがPitchforkエディターに楽曲をセレクトされた背景にはどんなことが起きていたのか、実際にvalkneeにメールで質問してみました。

 

valknee
valknee

◯プレイリストインはどこで(どうやって)知りましたか?

エゴサーチしていたら、リスナーの方が書き込んでくださっていて知りました!

 
◯プレイリストインを知ったときの感想を教えてください。

にわかには信じがたい!

 
◯今回のプレイリストインのために、何か自らトライしたことなどあれば教えてください。

直接の関係はないかもしれないですが、リリースしたい日から遡って準備を早めにしています。リリースを重ねるうちに徐々に多くのプレイリストに入るようになって、知ってもらう機会が増えました。なので積み重ねかと思います。

 
◯楽曲の制作においては、普段から海外のリスナーを意識しているなどはありますか?

英語が得意じゃないですが、バイブスを伝えたいので使っています。完璧じゃなくても良いと思って。流石に恥ずかしいので今年からネトフリ留学しています(海ドラを見てシャドウイング)。

 
◯自身の楽曲が海外で評価されていることについてどう感じていますか?

素直に嬉しいです!

 
◯今後、海外のリスナーが増える可能性が非常に高いかと思われますが、そのあたりについてどう思いますか?

もちろん、全世界で聴かれたいです!


 
いただいたコメントからは特に特別なことを行ったわけではなさそうですが、それでも丁寧なプレイリストピッチも含め早めに楽曲配信の準備をするなどはやはり行っているようです。valkneeは今回のプレイリストインの前に、世界のユースの間で人気となっているジャンル・ハイパーポップをまとめたグローバルプレイリスト「hyperpop」に一つ前のシングル「DEVIL IN MY HEAD」が9番目というかなり良いポジションでプレイリストインしていました。

valknee「DEVIL IN MY HEAD」
valknee「DEVIL IN MY HEAD」

https://linkco.re/SxxsYggY

 
 
「Pitchfork Selects」には、その前に同じく日本からは4s4kiも入っており、ハイパーポップでいうと、多国籍なルーツを持つY2Kな雰囲気ただようクルーSTARKIDSがイギリスのカルチャーメディア「DAZED」のYouTubeチャンネルで先日フォーカスされていましたし、人気ラッパーTohjiのインタビューも同じく「DAZED」のウェブに掲載されていました。

 

Tohji「t-mix」
Tohji「t-mix」

https://linkco.re/xCMpunhc

 
これらは、もはやジャンルや国籍、そしてインディペンデント/メジャーなど関係なく、いい音楽を発信するアーティストがたまたま日本にいるというだけでしかなく、ストリーミングが普及した今では特に珍しい事例というわけではありません。ですが、今回のようなケースが徐々に増えてきていることも事実であり、国内のインディペンデントアーティストでもリスナーに刺さるサウンドとアーティストとしてのアイデンティティ、ストーリー、自分でできる範囲の丁寧なプロモーション、そしてタイミングがマッチすれば、世界のリスナーに音楽が届く可能性は全然ありえるということが改めて分かります。これからもさらに日本のアーティストの音楽が国境を越えて多くのリスナーに届くことが期待されます。

この記事の執筆者

THE MAGAZINE

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