【セ・ラ・ノ#18】百年の孤独『Hyakunen No Kodoku』セルフライナーノーツ
アーティストによるセルフライナーノーツで作品の魅力を深掘りする連載企画「セ・ラ・ノ」。
第18回となる今回は、百年の孤独が登場。
3月に発表された、1st EP『Hyakunen No Kodoku』について、セ・ラ・ノ。
Track 1「intro」
One Boiling Point (以下 OBP)
音から曲へ。
文章から物語へ。
toulavi
完成直前最後にできた曲。
「全てのジャンルを森に帰す」っていうのはOne Boiling Pointがライブ中フリースタイルでぽろっと出したワード。
それをメンバーが気に入ってそのまま曲に挿入した。
最初の曲ということもあって、意思表明といった感じの曲。
本EPは全体がシームレスにつながる構成になっているので、その幕開けに麓から頂上を見上げるような、緊張感と高揚感を表現できたと思う。
loli主語
本編の5曲が出揃って並べてみたとき、何か取っ掛かりになるような、言葉のイントロが必要な気がして付け足す形でつくった。
あんまり難しい音楽だと思わずに聴いてほしいなって気持ち。
Sato Ryuga
この曲はメンバーそれぞれの既存曲が挿入されていて、それがめっちゃアツいっすね。
僕は、大学の卒制で作った「ASTRO」っていう1時間の映像作品のラストで流れる曲を入れたんですけど、それが百年の最初の曲の一部になっているのが気に入ってます。
Track 2「Hyakunen No Kodoku Part1」
OBP
百年の孤独はこの曲から始まった。
ミニマルのフレーズは山登りの始まり始まり。
toulavi
ザ・ミニマルミュージックといった感じの五拍子のリフが、複雑化していくことで気づけば四拍子のリズムパターンに乗っているという変な仕掛けがある曲。
主となるドラムパターンはサンプラーで叩いたものだがちょっと間抜けな感じがして面白い。
手触りは電子だがどこかバンドらしい身体的盛り上がりを感じれるはず。
踊ってくれ。
loli主語
去年の夏、友達とのスタジオ帰り、歩いてたら偶然道でOBPに会って、その場で一緒にやりましょうってなった。
そのとき聴かせてくれたのがHyakunen No Kodoku Part1とPart2が含まれた音源だった。
自分は今までダンスミュージックに全然触れてこなかったから知識とかもないんだけど、このダンスはめっちゃ自由な感じするなーって思ったの覚えてる。
Sato Ryuga
一番MIXが難しかった曲な気がします。
メンバーのtoulaviと毎晩Discordを通して、Ableton Liveのメーターを上げ下げした日々は、これからどんなに俺のLifeが上がろうと下がろうと一生忘れないと思います。
Track 3「esper」
OBP
凪時間を、皆で静かに、心地よい。
toulavi
前の曲から一転してアンビエントパート。
質の悪いフィールドレコーディングをいくつか散りばめた。
この曲が一番原作「百年の孤独」の雰囲気に近いかもしれない。
が、同時に日本的な風味もある。
loli主語のフリューゲルホルンが光る一曲。
loli主語
EPの中で1番お気に入り。
本当にとにかく音が良い。
toulavi & りゅーちゃんのミックスとE.O.Uのマスタリングの素晴らしさめっちゃ感じる。
フリューゲルホルンのソロ録音してるとき、有名なクラシック曲の一節(曲名忘れてしまったんだけど)が降りてきたのが嬉しかった。
ライブでやるのもこの曲が1番好き。
誤魔化しが効かなくてスリリングな感じが楽しい。
Sato Ryuga
“幽玄”って言葉がピッタリだと思う。
とにかく音が良い。
loli主語のフリューゲルホルンが川面の光みたいにキラキラ輝いている。
Track 4「film music」
OBP
自転車のギアがハマった感じ。
推進力で車輪を焦がす。
toulavi
段々とギアが上がっていくM3からM4の流れがEPの一つのハイライトになっていると思う。
後半のOBPのギターが最後に足されて完成に至った。
オルタナっぽい質感とダンス感の混ざり具合があまりない配合になっていると思う。
loli主語
toulaviのエレピが勢い増してきて、OBPのオルタナっぽいギターも入ってきて、ライブ感が凄くあるんだけど、デスクトップ上の緻密な編集作業を通過してるっていうズレがこの曲の出どころのわからなさみたいな面白さを作ってると思う。
百年の孤独で生音と電子を両立させるアプローチをするにあたって、自分は後期のマイルスを指標にしてる部分があって、言い過ぎなこと言うけど、テオマセロ2026verって感じ。
Sato Ryuga
メンバーみんなで町中華に行って、サイファーみたいな感じでタイトル案をポンポン出しあったんだけど、この曲は中々決まらなかった。
帰りの電車でグループLINEを見るとtoulaviが「film musicはどう?」って言ってて、その瞬間、完全に勝利を確信した。
最高のタイトル、最高の曲。
Track 5「kiss」
OBP
唇が近づく瞬間を想う。
ディストピアなディスコ。
toulavi
完全にタイトルで持っていっている。
夏…。
loli主語
ライブで観客の盛り上がりが絶頂に達して、踊りを超えて良い感じの2人がキスをするなんてことが起きたら、それより凄いことはないかもしれないと思って、kiss。
Sato Ryuga
生ドラムはリハのときにOBPが叩いていたもの。
僕はライブの時にVJしながら使ってる豆腐屋の笛を吹いてます。
タイトル、好きです…!!
Track 6「Hyakunen No Kodoku Part2」
OBP
思い出すらビートに変える。
行けるところまで。
toulavi
最後、OBPと「号泣しながら踊って欲しいよね」と言いながら作った。
ほんとに飽和ぎりぎり、てか飽和してると思う。
音の濁流に流されたい、けど抵抗したい。
だから踊る。
泣きながら…。
最後は夢のように唐突に終わりを迎えるんだけど、まだバンドは続くので、ぜひライブに来てください。
loli主語
Hyakunen No Kodoku Part2はライブでOBPの指揮で音が止まったり、Sato RyugaのVJソロがあったり、全員が楽しすぎて滅茶苦茶になって最後爆笑する。
だから是非ライブに遊びにきて、滅茶苦茶になって笑ったり泣いたりしてほしい!
Sato Ryuga
ぶち上がり泣きダンス。
是非ライブで観て、聴いて、踊って、めちゃくちゃな感情になって欲しい。

百年の孤独
全てのジャンルを森に返す